クレジットカードのキャッシング機能とリボ払い、どっちがお得?
クレジットカードのキャッシング機能は「金利が高い」というイメージもあり、使うのを敬遠する人は少なくありません。一方で、リボ払いは自分の好きな金額を設定して支払いができるというメリットがあり、最近ではリボ払いを積極的に使っている方も多いと思います。
今回は、そんな「キャッシング」と「リボ払い」、どちらも金利が高めといわれている支払い方法のうち、実際にお得なのはどちらかということを解説します。
それぞれの特徴を把握し、うまくクレジットカードを使いこなせるようにしてくださいね。
クレジットカードのキャッシングとリボ払いはどちらが得か
キャッシングとリボ払い、これらはどちらも金利が高いと言われている支払い方法ですが、年利だけを見るとリボ払いは「15%」程度、キャッシングは「18%」程度に設定されていることが多く、一見するとリボ払いを活用した方が支払う金利は安くすみそうです。
ですが、年利はあくまで年利であり、使い方次第では支払う金利のお得さは変わります。
短期で支払うならキャッシングの方が得
さて、リボ払いの年利が15%、キャッシングの年利が18%だとして、10万円を借入した際に支払う利息を比較してみましょう。
リボ払いで毎月「1万円」の元金を支払うと仮定します。2021年10月に利用した場合、支払いは次のようになります。
支払い日 | 支払い元金(円) | 手数料(円) | 支払い合計金額(円) | 支払い後残高(円) |
---|---|---|---|---|
2021年11月10日 | 10,000 | 1,068 | 11,068 | 90,000 |
2021年12月10日 | 10,000 | 1,035 | 11,035 | 80,000 |
2022年1月10日 | 10,000 | 1,019 | 11,019 | 70,000 |
2022年2月10日 | 10,000 | 863 | 10,863 | 60,000 |
2023年3月10日 | 10,000 | 764 | 10,764 | 50,000 |
2022年4月10日 | 10,000 | 616 | 10,616 | 40,000 |
2022年5月10日 | 10,000 | 509 | 10,509 | 30,000 |
2022年6月10日 | 10,000 | 382 | 10,382 | 20,000 |
2022年7月10日 | 10,000 | 246 | 10,246 | 10,000 |
2022年8月10日 | 10,000 | 127 | 10,127 | 0 |
支払った合計金額を計算すると、106,629円(内金利手数料 6,629円)となり、手数料を多めに支払っていることが分かります。
一方で、キャッシングを普通に使ったときには基本的に翌月一括払い。
キャッシングで2021年10月に10万円借りたとすると、2021年11月の支払日に元金10万円と利息(10万円×18%÷12か月)をあわせ、合計101,500円(内金利手数料1,500円)の支払いです。金利手数料だけを見ると、およそ4倍以上の金額差があります。
このことから、見かけ上の金利が高い支払い方法では必ず金利も高くなるという訳ではなく、早めに返済すればキャッシングの方がお得ということが分かるでしょう。
翌月一括または2回で支払うならリボ払いがお得
逆に、翌月一括返済を利用すればリボ払いがお得。当然、金利が安い分、総支払額も少なくなります。15%かかってくると考えると、リボ払いで翌月一括払いなら年利3%分、キャッシングよりもお得。
さらに、一回目の金利手数料無料の会社であれば、2回目で残りの金額を全額返済すれば、手数料総額はキャッシングよりも安くなります。もちろん、キャッシング(翌月一括返済)よりも支払い回数は増えるので余裕を持った返済が可能です。
最終的には、どのくらいの金額なら返せるかを検討し、無理のない範囲で返済できるスケジュールを立てましょう。
クレジットカードのキャッシング機能の特徴
さて、普通に使っていればキャッシングの方が金利の支払いは少ないという結論になりましたが、実際には状況に応じてどんな支払い方法にするかは変えると思います。
ここでは、利用時の参考になるよう、キャッシング機能の特徴を解説します。
- クレジットカードで気軽に現金を調達できる
- 金利が高めに設定されている
- 基本は翌月一括払い(リボ払いを選択できるカードもある)
1.クレジットカードで気軽に現金を調達できる
キャッシングはクレジットカードでお買い物をするのとは少し異なり、カードを使ってお金を直接借入する手段です。
お店の中には、クレジットカードが使えないというところも少なくありませんので、いざという時にコンビニATMなどで気軽にお金が調達できるのは助かります。
もし、現金払いしかできないお店に行くのであれば、そもそもリボ払いは利用できないので、キャッシング一択になりますね。
2.金利が高めに設定されている
キャッシングは年利18%程度に設定されているものも多く、リボ払いと比べても金利は高いと言えます。
とはいっても、18%は「年利」の話ですから、一括返済をしていけばその12分の1で計算できますので、それほど高額にはならないはずです。
さっと借りられて便利なキャッシングですが、返済は早め早めを意識し、できるだけ金利手数料が取られないように工夫して使うのが賢い活用法ですね。
3.基本は翌月一括払い(リボ払いを選択できるカードもある)
キャッシング機能は設定を変えなければ基本的に「翌月一括払い」となっているケースが多く、短期で気軽に借入したい方向けのサービスです。
中にはキャッシングリボ払いを選択できるカードもありますが、キャッシングリボを利用して長期返済するなら、はっきり言って銀行や消費者金融のカードローンを使った方が金利も安くお得と言えます。
リボ払いにもできるクレジットカードのキャッシングですが、どうしてもリボ払いしかできない時をのぞいて、「一括返済」で返せる額だけを借りるようにしましょう。
クレジットカードのリボ払いの特徴
クレジットカードのリボ払いは一定額だけ払っていけば良いということで便利です。
ここでは、リボ払いの特徴を2つ解説します。
- 金利は高いがキャッシングよりもやや低め
- 毎月の支払い金額を自分で選べる
1.金利は高いがキャッシングよりもやや低め
リボ払いの金利は15%前後に設定されていることが多く、同じ会社内であればキャッシングよりも一般的に年利の設定は低くなっています。
普通でいけば高い金利ですが、「好きな金額を設定して」支払えるというメリットが大きいため、それでも利用する方が多いのは事実です。
2.毎月の支払い金額を自分で選べる
リボ払いは先にも解説した通り、毎月の支払い金額を自分で選ぶことができます。
もちろん、リボ払いの中でも支払い方式が異なる場合もありますが、多くの場合支払い金額は「自分が設定した金額」に「利息(金利手数料)」を上乗せした金額になります。
リボ払いは、残高にかかわらず自分が設定した金額からそれほど外れた支払額にはならないので、支払い計画が立てやすく、大きな買い物をしてもお財布を圧迫しづらいのが人気を集めています。
リボ払いを利用する時は使いすぎに注意!
ショッピングのリボ払いだけではなく、キャッシングリボ払いに関しても同様ですが、リボ払いは自分が決めた額を毎月支払うという返済方法ですから、借金の額がふえても危機感が持てない方が少なくありません。
毎月の支払い額が変わらなくても、買い物をしたら当然出費になりますので、きちんとどれくらい使っているかを把握し、使いすぎないように心がけましょう。
リボ払いの使いすぎは「カード破産」を招く
リボ払いを使っても支払額がそれほど変化しないので危機感が薄まりがちと説明しましたが、実際にリボ払いを使いすぎてしまい、気がついたら限度額一杯になっていたというのは珍しい話ではありません。
そうなってしまった時点ですぐに借りるのをやめ、返済に力を入れれば問題がないですが、中には少ない支払いで高額商品を購入するのがやめられなくなってしまい、さらに新たなカードでリボ払いに手を出し続ける方もいます。
そうなってしまうと、最後はいわゆる「カード破産」状態になり、支払いが難しくなってくる可能性は十分にあります。
そう言った意味でも、リボ払いを使うときは「計画的」に、というのが大切です。
一括払いが苦しいならリボ払いより分割払いがよい
一括払いが厳しい時にリボ払いを使おうと考えるのであれば、リボ払いよりも「分割払い」がおすすめです。
分割払いは、借りた金額を分割して支払う返済方法で、2回払いまでなら金利手数料がかかりませんが、3回目以上の回数では金利手数料が発生します。
リボ払いと異なるのは、リボ払いは「支払い金額」を決められた範囲内で自由に設定できるのに対し、分割払いは「支払い回数」を決められた範囲で自由に設定できます。
金利は分割払いの方が安く設定されていることが多く、さらにリボ払いと違って、分割払いを利用して買い物をすればするほど毎月の支払い金額に加算されるので、「お金を借りている」ことがちゃんと把握しやすいという特徴があります。
使いすぎを防ぐ意味でも、リボ払いを使うよりは分割払いをおすすめします。
まとめ
クレジットカードのキャッシングとリボ払いをうまく使い分けよう
クレジットカードのキャッシングとリボ払いはよく「金利が高い」と言われており、キャッシングの年利がリボ払いよりも高く設定されていることが多いため、キャッシング=リボ払いよりも損と考える方もいるでしょう。
一括返済を選択しておいて、支払いがやっぱり苦しいかもしれないという時に、一時的にお金を借りて充当するキャッシングか、それとも後からリボ払いに扁壺するかで悩むかもしれません。
そんなときは、リボ払いは支払いが長期化する場合があることを加味すると、トータル的には翌月に支払う目処がたっていれば「キャッシング」で支払っておいた方が支払う金利手数料が抑えられるためおすすめです。
とはいっても、リボ払いにはリボ払いのメリットもありますので、いずれも使いすぎないように気をつけながら、うまく使い分けてくださいね。
参考リンク:クレジットカードのリボ払いが払えない際の対処法
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