クレジットカードのキャッシング機能とカードローンの違い~借りる前に知るべき注意点
クレジットカードの「キャッシング」は少し現金が欲しいときに便利ですが、銀行や消費者金融の「カードローン」との違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、キャッシングとカードローンの大きな違いと、それぞれの特徴を解説します。キャッシング・カードローンを借りる際の注意点もあわせて知り、今後お金を借りたいときに知識として役立ててくださいね。
クレジットカードのキャッシングとカードローンの違い
クレジットカードのキャッシングとカードローンは、どちらも「カード」を使用して「現金を借りる」というものですので、区別がつきにくいと感じる方も少なくありません。
キャッシングとカードローンの大きな違いとしては、キャッシングがあくまで「クレジットカード」の一つの機能であるのに対し、カードローンはお金を借りることだけが目的で発行されるカードを使うということがあります。
また、カードローンの方が、キャッシングよりも一般的に融資限度額が大きく、支払い方法はカードローンが分割、キャッシングが一括払いを基本とする、などがざっくりとした違いです。
大きな金額を借りたいのであればカードローンがおすすめですが、事前にカードを作る際に審査が必要で、借りたいと思った時に即使えるわけではないので、クレジットカードさえ持っていればすぐに使いやすいキャッシングと状況に応じて使い分けるのが正解でしょう。
クレジットカードのキャッシングの特徴
はじめにカードローンとキャッシングの違いとして特徴をいくつか挙げましたが、ここではさらに掘り下げてキャッシングの特徴を解説します。
- 現金をクレジットカードで気軽に借りられる
- コンビニATMなどから借りたい時に借りられる
- 利用限度額はクレジットカードのショッピング枠に含まれる
- 基本は翌月一括払い
1.現金をクレジットカードで気軽に借りられる
キャッシングの特徴は、なんといってもその気軽さです。一般的に、お金を借りる時にはその都度審査を受けたり、カードローンにしても事前にローンカードを発行するための審査を受けたりする必要がありますが、クレジットカードのキャッシングはクレジットカードが発行された時点ですでに審査が終わっているため、その後借りるときに審査は不要です。
つまり、クレジットカードでお買い物をする感覚で、お金を借りられるというのが強みです。普段からキャッシングの利用頻度や金額が多くなりそうな時にはあまりおすすめではありませんが、いざというときの気軽な現金調達手段としては非常に優秀です。
2.コンビニATMなどから借りたい時に借りられる
カードローンも同様のことが言えますが、カードを使ったお金を借りる方法では一度発行された後はコンビニや銀行のATMで気軽にお金が借りられるのが特徴です。
特に、キャッシングは気軽にお金が借りられるのがおすすめポイントですから、ちょっと現金が足りない!という時に、キャッシュカードを持ち歩かなくてもクレジットカードだけで、コンビニATMからお金を引き出せるのは有り難いですよね。
ちょっとしたことなら、うちに帰ってから早期一括返済の手続きをすれば金利は日割り計算になるため、1日しか借りないのであれば年利18%でも実質の金利は元金の0.05%程度(20万円借りても100円程度)と、あまりかからないのも魅力です。
3.利用限度額はクレジットカードのショッピング枠に含まれる
キャッシングはあくまでもクレジットカードの機能の一部として扱われるため、利用限度額はショッピング枠に含まれています。
どういうことかというと、例えばショッピング枠が50万円、キャッシング枠が20万円というカードがあったとすると、ほとんどの場合ショッピング枠=キャッシング枠を含めた合計の利用限度額となっています。
具体的に説明すると、ショッピング枠を50万円使ってしまった時には利用限度額の合計金額に達してしまっているのでキャッシング枠は使えなくなってしまうということです。
逆に、キャッシングを20万円使ってしまうと、合計50万円の利用限度額のうち20万円を使っていることになるので、ショッピング枠として利用できるのは差し引いた金額である「30万円」のみとなります。
あくまでもキャッシング枠はショッピング枠の「おまけ」と捉えて、両者のバランスをよくみて使わなければ、いざという時に枠が足りずにキャッシングできないということも十分にあるので注意してくださいね。
4.基本は翌月一括払い
クレジットカードのキャッシングは、最近ではリボ払いに対応しているカードも多いですが、基本的には「翌月一括払い」です。カードローンはほとんどが分割払い(リボ払い)に対応しているのに対し、やはり少額を短期で貸付するという面が大きいものですので、一括払いが基本になっています。
もちろん、カードによっては手続きすれば分割を選べることもありますので、キャッシングをしっかり使いたいならば目的に合ったカード選びが重要です。
銀行・消費者金融のカードローンの特徴
カードローンはキャッシングよりも大口でしっかりお金を借りたいときに向いているお金を借りる方法です。ここでは、その特徴を解説します。
- 利用限度額が比較的大きい
- 金利はキャッシングよりも低め
- 返済方法はリボ払い中心で「分割」ができる
- ATMだけではなく、店頭や振込融資にも対応
1.利用限度額が比較的大きい
キャッシングは融資限度額が数十万円程度にとどまっているものが多いのに対し、カードローンは最高数百万円まで融資可能となっているものが多いと言えます。
そのため、気軽に数万円借りたいときにはキャッシングが向いていると言えますが、ある程度まとまった金額をフリーローンとして気軽に借り入れたい場合はカードローンが適しています。
2.金利はキャッシングよりも低め
一般的に、クレジットカードのキャッシング機能はお金を借りる手段としては少々金利が高めに設定されています。
具体例を挙げますと、大手クレジットカード会社のジェーシービーはクレジットカードの「キャッシング」とローン専用の「カードローン」のどちらもサービスとして提供していますが、一括払いで比較すると、カードローンは年利5%、クレジットカードのキャッシングは年利15〜18%と実に3倍もの差があります。
リボ払いで比較しても、カードローンは4.4%〜12.5%、キャッシングは15〜18%と大きな開きがありますので、キャッシングよりもカードローンの方が、金利が低いのは明らかと言えるでしょう。
3.返済方法はリボ払い中心で「分割」ができる
クレジットカードのキャッシングは、最近ではリボ払いなども選べるカードも多いですが、基本的には翌月一括払いです。
一方、カードローンはリボ払いを中心として支払い方法が選べるようになっており、もちろん一括払いもできますが、長期で返済するにはカードローンのほうが向いています。
4.ATMだけではなく、店頭や振込融資にも対応
キャッシングは基本的にATMからお金を引き出すように借りるものですが、カードローンならATMはもちろん、店頭での借入や振込融資にも対応しています。
数万円程度の借入ならそれほど気を使わない方が多いと思いますが、数十万〜百万円単位の借入なら現金を持ち帰るのが心配になる方もいると思いますので、振込融資が受けられるのはメリットです。
クレジットカードのキャッシング機能を使うメリット
カードローンや普通の銀行ローンと比較し、クレジットカードのキャッシング機能を使うメリットをまとめると、次の2つが挙げられます。
- キャッシング対応のクレジットカードを持っていればすぐにお金を借りられる
- キャッシング枠の範囲内ならいちいち審査を受けなくてもOK
メリット1.キャッシング対応のクレジットカードを持っていればすぐにお金を借りられる
キャッシング対応のクレジットカードを持っていれば、近くにコンビニATMなどがあれば気軽にお金を借りられるのが大きなメリットです。
普通の銀行ローンなら「お金を借りたい」と思ったときに、すぐに借りるというわけにはいかず、数日〜1か月程度の日数が必要ですが、ちょっと手持ちが足りないという時に役立つため、何かあったときの「保険」として機能をつけている方もいるでしょう。
また、海外キャッシングに対応しているカードなら、海外で現地通貨と日本円を交換するよりもお得に現金が手に入るので、使い道として特におすすめです。
メリット2.キャッシング枠の範囲内ならいちいち審査を受けなくてもOK
キャッシングは、一度対応しているクレジットカードを発行してしまえば、基本的にはその後は基本的に借りる前の審査なしですぐにお金が借りられます。
カードローンは「お金を借りる」と決めた時にローンカードを発行しなくてはいけないので、やはり初めては最短でも數十分は申し込みから借りるまでにキャッシングよりも時間がかかってしまい、今すぐという時には役に立たないシーンもあります。
普通のローンならさらに審査に時間がかかり、単純なスピードだけなら比較できません。決めた時に「カードさえあれば」すぐにお金を借りられる、これがキャッシングのうれしいポイントですね。
クレジットカードキャッシング・カードローン利用時の注意点
クレジットカードのキャッシングやカードローンを利用する前に知っておきたいのが、いずれも「お金を借りている」という意識をきちんと持ち、どの程度金利がかかるのか、また返済計画はどうするかなどをきちんと考えておく必要があるということです。
特に、一定の金額を支払うだけで良い「リボ払い」という支払い方法は非常に魅力的ですが、この支払い方法は「金利」が高く、また自分で返済金額を決められるのでついついいくら借りているかという意識がなくなり、借りすぎてしまうリスクがあります。
そのため、一定金額を支払うだけならゆっくり返済すれば良い、と高い金利を払い続けるのではなく、できるだけ損がないように早期返済を心がけるようにしましょう。
まとめ
大口ならカードローン、短期小口ならキャッシングがおすすめ!
クレジットカードのキャッシングはよく銀行・消費者金融などのカードローンと比較されており、「カード」で「借入」をするという点においてはそっくりと言えます。
とはいっても、両者は借りられる金額や金利、返済方法などの違いがあり、それぞれ適した使い所は異なります。
急なときの間に合わせとして使いたいときにはキャッシング、大金をフリーローンで気軽に借りたいときにはカードローンといったようにうまく使い分け、借りすぎてしまうことのないよう、きちんと返済計画を立てて活用するようにしてくださいね。
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