法人カードに付帯する「国内旅行傷害保険」の内容とメリット
法人カードには、旅行の際にあると安心の「旅行傷害保険」が付帯しているケースが多数あります。
海外への出張や旅行では何が起こるかわからない……という不安から、事前に保険をしっかり準備しておこう、という方が多い一方で、国内出張や旅行については、漠然と国内だから安心と考えている方も多いですよね。
ですが、いくら国内といっても、怪我をする可能性はありますので、準備は万全にしていった方がいいでしょう。出張や旅行の際には、法人カードに付帯している国内旅行傷害保険についての知識や準備があると、より安心できます。
今回は、法人カードに付帯する「国内旅行傷害保険」の内容やメリット・注意点などを解説していきます。
法人カードを利用して国内出張や旅行へ行かれる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
法人カードの「国内旅行傷害保険」とは?
法人カードに付帯する「国内旅行傷害保険」とは、日本国内における出張や旅行中でのケガを補償してくれる保険のこと。冒頭でお話した通り、現在発行されている法人カードには国内旅行障害保険が付帯しているカードが多数あります。
出張先が日本国内だからといって、事故やケガがない保証はなく、予想外のハプニングがないとは言い切れませんよね。
法人カードをお持ちの法人代表者の方や個人事業主の方は、国内での出張や旅行の際には、付帯する国内旅行傷害保険について、一度目を通しておきましょう。
しっかり保険が付帯している法人カードなら、万が一の事態に備えた死亡補償や、事故や怪我による入院や通院費用、航空機のトラブルに関する保険などが整えられています。
ただし、適用条件は海外旅行傷害保険よりも厳しくなっていますので、そちらの内容も確認した上で利用してくださいね。
法人カードの国内旅行傷害保険の内容
法人カードに付帯する国内旅行傷害保険の内容は、大きく分けて以下の5項目に分けられます。
基本的に法人カードに付帯する国内旅行傷害保険の補償内容は、事故によるケガについてですが、航空機遅延による損害に対しても補償されるカードもあるのは嬉しいですね。
また、国内旅行傷害保険の適用には様々な条件が設けられています。適用条件を含め、解説していきますね。
法人カード「国内旅行傷害保険」の内容
- 死亡・後遺障害
- 入院費用
- 手術費用
- 通院費用
- 国内航空機遅延保険
1.死亡・後遺障害
死亡・後遺障害とは、日本国内における出張や旅行中に、事故によるケガで死亡してしまったり、後遺障害が残ってしまったりした場合に適用される保険。
一般的に、「国内旅行傷害保険最高3,000万円」などと言われるのは、この死亡・後遺障害の項目の最高保険金額を指しています。
国内旅行は安心、と思っていても事故が起こる可能性は否定できませんよね。万が一の最悪なケースを保証してくれるのが、死亡・後遺障害の項目です。支払い金額は、法人カードの種類やランクにより、金額は異なります。
あってはなりませんが、出張中に航空機の事故など、万が一の事態となった際には、法人カード付帯の保険が、手厚い補償をしてくれます。
2.入院費用
入院費用は、事故によるケガで入院が必要となった場合、その費用を補償するもの。
例えば、JCB法人ゴールドカードでは、入院8日以上の治療、かつ事故日から180日以内が保険適用され、日額5,000円の保険を受け取ることができます。7日以下の入院の場合には、入院日額の保険は適用されません。
入院初日から保険適用となるケースは少なく、法人カードを発行する会社ごとの適用条件がありますので、事前に確認しておきましょう。
3.手術費用
手術費用とは、国内旅行中の事故によるケガで、手術が必要な場合に、手術費用を補償してくれる保険です。
基本的に入院日額×倍率で保険金額が決められるケースが多いですが、中には1回につき保険金額が決まっているケースなど、カードにより違いがあります。事前に把握しておくと良いでしょう。
例えば、入院日額の項目で例に挙げたJCB法人ゴールドカードの場合、1事故につき1度、入院日額5,000円×倍率(10倍・20倍・40倍)の手術費用を受け取ることができます。手術費用においても、入院期間が8日以下の場合、保険適用外となります。
お手持ちの、もしくはこれから入会を検討している法人カードの保険適用条件を確認しておきましょう。
4.通院費用
通院費用は、事故によって負傷した際に医療機関を受診し、通院する必要がある際に、その費用を補償してくれるもの。
例えば、三井住友プラチナビジネスカードでは、事故日から8日目以降、通院が必要な状態にある場合、1日目から日額2,000円の保険金を受け取ることが可能。事故日から180日以内、かつ90日が支払いの限度となっています。
7日以内に治療が完了し、通院の必要がない場合には、保険適用外となり保険金の支払いはありません。
通院も、長く続けばお金がかかりますよね。入院や手術が必要となるケースは比較的少ないとされますが、怪我によっての通院は以外と多いもの。
仕事での出張だからといって、事故や怪我がないとは言えませんよね。万が一の死亡・後遺障害や、入院・手術ばかりでなく、事故による怪我での通院は利用機会の高くなりがち。法人カードの通院項目の内容の把握は重要と言えますね。
5.国内航空機遅延保険
国内航空機遅延保険というのは、航空機の遅延だけでなく手荷物の遅延・紛失についても補償される、というもの。ハイクラスの法人カードに付帯する傾向があります。
航空機が遅れてしまった場合に、出発地点で規定時間内に代替便の利用ができず、待機中に食事や宿泊が必要となった場合の費用を保証してくれる「出航遅延費用保険」や、「乗継遅延費用保険」。
そのほか、現地到着後、規定時間内に預けた手荷物が届かない際に利用できる「手荷物遅延費用保険」や、紛失となった場合に便利な「手荷物紛失費用保険」があります。
航空機に関するトラブルも、天候の影響や航空会社の手違いなど、自分では防ぎようのないトラブルも存在します。何かあった時に補償があると、安心できますよね。
法人カードごとに、定められた規定時間や適用条件がありますので、航空機を利用される際には、事前に適用条件の確認をしておいてくださいね。
法人カードの国内旅行傷害保険を利用するメリット
法人カードに付帯する国内旅行傷害保険の利用には多数のメリットがあります。知らないと損をしてしまう可能性もありますので、ぜひ知っておきましょう。
法人カードの国内旅行傷害保険を利用するメリット
- カード年会費だけで保険が使える
- いざというときについていると安心できる
1.カード年会費だけで保険が使える
法人カードに保険が付帯している、ということは、法人カード年会費のみで保険が利用できるということです。
ただし、国内旅行傷害保険においては、自動付帯ではなく利用付帯となっているケースが多く、その場合は宿泊費や交通費などの旅費を法人カードで決済する必要があります。
とはいえ、法人カードでの旅費等の支払い以外に負担費用はありません。
また、法人カード年会費は、経費として計上することが可能。経費にもできて、年会費のみで保険を利用できるのは、お得で嬉しいメリットですね。
2.いざというときについていると安心できる
万が一の事故やトラブルが起こった際には、少なからずお金の心配をしてしまいますよね。
出張先や旅行先で、予想外の事故やハプニングが起こったときに、助けてくれるのが保険です。法人カードに付帯していれば、いざというときに安心。
国内での出張が多い方であれば、法人カードに国内旅行傷害保険が付帯していると嬉しいですね。
法人カードの「国内旅行傷害保険」は適用条件に注意!
法人カードに付帯する国内旅行傷害保険には、いくつもの適用条件が設けられており、一般的に法人カードに付帯する「海外旅行傷害保険」と比較すると、利用できるシーンはかなり限定されています。
ここでは、JCB法人カードの適用条件を参考に、国内旅行傷害保険の保険適用条件を詳しく解説しています。
国内旅行傷害保険の適用条件
- 公共交通用具(航空機・鉄道・バス・フェリーなど)搭乗中に起こった傷害事故
- 宿泊施設内での火災・破裂・爆発などによる傷害事故
- 宿泊を伴う募集型企画旅行参加中の事故
1.公共交通用具搭乗中に起こった傷害事故
公共交通用具とは、航空機・新幹線・鉄道・バス・フェリーなどの、公共交通機関のこと。
これらの公共交通機関搭乗中の事故や怪我の場合保険のみ補償対象となり、自家用車・レンタカーを利用した移動中や、徒歩での移動中に起こった事故については保険適用外となります。
旅行期間中のほとんどが補償対象となる「海外旅行傷害保険」と比較すると、保険適用対象期間はかなり限定されていることがわかりますね。
社用車を利用した遠方への出張で、万が一障害事故が起こってしまった場合、法人カード付帯の保険では保険適用外となってしまいます。
2.宿泊施設内での火災・破裂・爆発などによる傷害事故
ホテルや旅館などで、火災・破裂・爆発などの事故が起こり、怪我をしてしまった場合、補償の対象となります。ですが、宿泊施設外での事故や怪我においては、補償の対象となりません。
海外旅行傷害保険では、旅行期間中の事故による怪我のほとんどが補償対象となる一方で、国内旅行傷害保険は「宿泊施設内での火災・破裂・爆発によるケガ」とかなり限定されていますね。
宿泊施設外で事故によりケガをしてしまっても、法人カード付帯の国内旅行傷害保険の保険を利用することはできません。ご注意ください。
3.宿泊を伴う募集型企画旅行参加中の事故
募集型企画旅行とは、簡単にいうと、バス会社・鉄道会社・航空会社などが企画するツアーのこと。法人カードを使うとなると、慰安旅行などが該当するでしょうか。
参加したツアーに組み込まれている、「最初の公共交通用具への乗車・ホテルや旅館などの宿泊施設を利用した時点から、ツアーの最後の公共交通用具の乗車・宿泊施設の利用完了まで」の期間に起こった事故によるケガが補償対象となり、この期間以外は保険が適用されません。
また、ツアーに参加するための個別でバスや鉄道を利用した移動中の事故や、ツアーの行程を離脱した場合は、離脱期間中も保険適用外となります。
海外旅行傷害保険は、国内の自宅を出てから自宅へ帰るまでが補償対象期間。ですが、国内旅行傷害保険では、自宅から駅までのマイカー乗車中や最寄駅からツアー参加者の集合地点までの移動中などは、補償対象となりませんので注意が必要です。
国内旅行傷害保険の適用されるシーンはかなり限定的ということがわかりますね。とは言え、出張中に何があるかわかりませんので、国内旅行傷害保険が付帯しているに越したことはないでしょう。
法人カードの国内旅行傷害保険を利用する際の注意点は?
先述の通り、法人カード保険の「適用条件」は必ずチェックしておきたいところですが、国内旅行傷害保険利用する際には、他にも気をつけたい注意点があります。
国内旅行傷害保険を利用する際の注意点
- 利用付帯か自動付帯か
- 死亡補償以外の項目は充実しているか
- 有料保険にもきちんと加入した方が良いかの見極め
1.利用付帯か自動付帯か
法人カードに付帯する国内旅行省が保険には、持っているだけで保険が適用される「自動付帯」と、旅行費用や交通費の支払いに法人カードを利用した場合に適用される「利用付帯」の2種類があります。
国内旅行傷害保険の適用条件が「利用付帯」だった場合、旅費や交通費の支払いにカードを使わなければ保険を利用することができません。
法人カードに付帯する国内傷害旅行保険の適用条件がどちらか、旅行前に知っておく必要があります。
経費として計上する交通費・宿泊費ですから、法人カードで決済すれば、会計業務も楽になり、利用付帯保険も適用されます。間違いを防ぐためにも、出張費用は法人カードでの決済がおすすめです。
2.死亡補償以外の項目は充実しているか
国内旅行傷害保険の内容をきちんと把握していないと、死亡補償以外の項目は補償内容が薄い、もしくはないことに気づかず、保険が必要となったときに、補償が受けられないというケースもあります。
法人カードに保険が付帯しているから大丈夫、ではなく、それぞれの項目の内容をしっかりと確認しておきましょう。
3.有料の医療保険にもきちんと加入した方が良いかの見極め
先述した通り、法人カードに付帯する国内旅行傷害保険は利用できるシーンがかなり限定されます。そのため、旅行中に起きた事故やアクシデントが補償の対象外となってしまうケースも。
法人カード付帯の国内旅行傷害保険では補償範囲が狭いため、何かあった時に心配、という方もいるかと思います。
付帯する保険の内容をしっかりと把握し、有料の医療保険に加入する必要があるかどうか、見極める必要があります。
国内旅行傷害保険が手厚いおすすめ法人カード
ここでは、国内旅行傷害保険の内容が手厚く、おすすめの法人カードを紹介します。法人カードでも国内旅行傷害保険を充実させておきたい、という方はぜひ参考にしてくださいね。
1.JCB法人ゴールドカード
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
11,000円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜1.5% | 発行日数 | 約2週間 |
JCB法人ゴールドカードは、JCBが発行する法人カードの中でもハイクラスなカード。
年会費はオンラインからの入会でお得に、さらに追加カードは枚数制限なく1枚につき年会費3,300円(税込)とリーズナブルに発行が可能です。
国内旅行傷害保険は自動付帯となっており、保険利用のために手続きや旅費・交通費等をカードで支払う必要がなく、持っているだけで保険が適用されます。
万が一旅行中に死亡・後遺障害の残る事故にあってしまった場合には、最高5,000万円の手厚い補償が付帯。また、入院・手術・通院ももちろん補償。
事故やケガの補償だけでなく、航空機遅延保険も自動付帯となっており、航空機の遅延・欠航により発生する食事代や宿泊費用、手荷物の遅延・紛失などによる衣類等の購入費用も補償されますよ。
付帯する保険だけでなく、ビジネスに役立つサービスが数多く付帯。一般JCB法人カードに付帯する特典・サービスに加え、個人向けのゴールドカードと同じ「GOLD Basic Service」も付帯しており、ゴルフ・グルメなどの接待に活用できるサービスや、お金の相談ダイヤルや全国70,000箇所の様々な施設の優待利用が可能です。
コストパフォーマンスの良い法人カードを持ちたい方に、おすすめの1枚です。
2.三井住友ビジネスプラチナカード
年会費 (初年度) |
55,000円(税込) | 年会費 (2年目) |
55,000円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.454%〜0.975% | 発行日数 | 約3週間 |
三井住友ビジネスプラチナカードは、三井住友カード株式会社が発行する中で、最高クラスのステータスを誇る法人カード。
年会費は初年度から55,000円(税込)と、高く感じる方も多いかと思いますが、付帯する特典やサービスは質が高く、上手く使えば年会費以上のサービスを受けることができます。
三井住友ビジネスプラチナカードには、最高1億円の国内旅行障害保険が自動付帯。カードでの決済の有無に関わらず、保険の利用が可能です。特に、怪我による補償はかなり手厚いものとなっており、万が一の時にも、安心ですね。
また、利用付帯ではありますが、国内航空便遅延保険も付帯。航空便の遅延だけでなく、手荷物までしっかりと補償する充実度の高い保険となっています。
三井住友ビジネスプラチナカードは、他にも多数の魅力あるサービスが付帯する、エグゼクティブにふさわしい最高クラスの法人カード。特別な1枚を持ちたい方におすすめです。
法人カード付帯の国内旅行傷害保険は内容・適用条件をしっかり把握して、万が一に備えよう
いざという時に入っていると便利な「国内旅行傷害保険」。
ですが、法人カードのみならず、クレジットカードに付帯する国内旅行傷害保険は、海外旅行障害保険と比較すると、保険適用となるシーンがかなり限定されています。
出張や旅行先で事故がないとは言い切れません。いざという時、しっかり保険を使えるように、保険の内容だけでなく適用条件なども事前に確認しておきましょう。
また、法人カードに付帯する保険だけでなく、必要であれば有料保険への加入を検討するのも大事なポイントです。
日本国内だから安心、と思いがちですが、国内での出張や旅行が多い方は、国内旅行障害保険の付帯する法人カードを利用して、万が一のリスクに備えておくと良いですね。
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