BNPLとは?決済手段としてのクレジットカードとの違い
クレジットカードとは異なる「後払い」の手段として人気の「BNPL」。
海外では広く普及しているBNPLですが、日本では聞いてもピンとこない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、BNPLについて以下の内容を解説します。
・BNPLの概要
・クレジットカードとの違い
・BNPLを利用するメリット
・日本で使えるBNPLの種類
BNPLに興味がある方、これからショッピングでBNPLを利用してみたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
BNPLとは?
BNPLとは、後払い決済サービスの一つ。「Buy Now, Pay Later」の略で、直訳すると「今買って、後で支払う」という意味です。
一般的には後払いの簡便な支払い方法としてクレジットカードがありますが、BNPLはクレジットカードとは異なり、多くの場合手数料がかからないのが特徴。
これまでクレジットカードは怖くて持てない、支払手数料が嫌で分割できないといった方に人気です。
BNPLとクレジットカードの違い
BNPLとクレジットカードの大きな違いは手数料・審査・ポイント還元の3点です。
- BNPLは手数料一切なし(分割でも!)
- BNPLなら審査なし、すぐに利用可能
- BNPLにはポイント還元がない
BNPLは手数料一切なし(分割でも!)
BNPLは基本的に、手数料がありません。分割払いを利用した際も同様です。
サービスによっては分割回数が何回以上は有料、となっているケースもありますが、一般的なクレジットカードよりも手数料はかからないように設定されているサービスが多くあります。手数料負担がない、少ないのがカードと比較した大きな特徴の一つと言えます。
ちなみに、手数料は店舗が負担しており、BNPLの主な収入源は顧客ではなく、加盟店からの手数料となっています。
BNPLなら審査なし、すぐに利用可能
BNPLは事前の審査なしで、すぐに利用可能。その場で必要情報を入力するだけで、簡単に手続きできます。
その気軽さから、クレジットカードの審査に受からず分割払いや後払いができない方や、そもそも審査を受けている時間がない、という方にも人気があります。
信用を積み重ねて利用できる枠がアップする仕組み
審査なしでは貸し倒れリスクが大きいのではないか、と感じると思いますが、事前審査がない分、最初に使える後払い枠は少額です。よって、BNPLを運営する会社もリスクは最小限。
何度も利用・返済を積み重ねることで、利用枠が大きくなっていき、最終的に大きな金額でも後払いができるようになります。
BNPLにはポイント還元がない
一般的なBNPLには、ポイント還元制度がありません。
クレジットカードの多くが「ポイント還元制度」を取り入れているため、この点も大きな違いです。
利用することでお得になる支払い方法が良い方には、ちょっとしたデメリットとも言えますね。
BNPLとクレジットカード、どっちがお得?
BNPLとクレジットカードを比較すると、どちらも決済手数料が無料の場合には、ポイントが貯まるクレジットカードの方がお得です。
一括払いやボーナス払いならポイント還元のあるクレジットカードがお得
クレジットカードは以下の支払い方法であれば決済手数料無料です。
- 一括払い
- 2回払い
- ボーナス一括払い
これらの支払い方法であれば、手数料はBNPL、クレジットカードどちらも「無料」ですので、ポイント還元が受けられるクレジットカードの方がお得。そもそも回数の多い分割払いを多く使わない方は、断然クレジットカード払いが良いでしょう。
手数料のかかる分割払いなら、BNPLがお得になることも
逆に、クレジットカードで決済すると手数料がかかる3回以上の支払い方法になると、BNPLがお得になることもあります。
とはいえ、手数料がかかったとしても、ポイント還元が受けられる分相殺されるため、必ずしも「BNPLがお得」とは言えません。
BNPLはそもそも「お得さ」だけを求めた支払い方法ではありませんので、次の章でご紹介するメリット面も含め、総合して自分に合う支払い方法を選ぶべきでしょう。
BNPLを利用するメリット
BNPLのメリットは、ずばり「手数料なし」「欲しいものがすぐに手に入る」という点です。
クレジットカードなしでも、手数料なしの分割払いで、ほしい商品がすぐ手に入る
従来、分割払いをしようと思うと、ローンを利用するか、クレジットカードの分割払いを利用して、手数料を支払うのが一般的でした。ですが、BNPLは後払いで分割でも手数料がかからないため、分割手数料を支払うのが嫌な方でもOK。
コストゼロ、かつ月々の負担は抑えながら大きな買い物を楽しめます。手数料負担を考えずに分割で商品をすぐ購入できるとなると、ショッピングの幅が広がりますね。
クレジットカードを持っていない・不安を覚える若年層「Z世代」に人気
1990年代中盤以降に生まれた若年世代、いわゆる「Z世代」は、クレジットカードに対して不安を覚える方が多く、持っていない・持たないという方も。そういった世代にとって、クレジットカードを契約して持っていなくても気軽に後払いが利用できる「BNPL」は非常に魅力的です。
実際に、クレジットカードは持っていないけれど後払い決済はよく利用する、という若者も増えているようです。
カードが不安でも、分割払いは利用したいという層のニーズをとらえたサービスと言えますね。
参考:米国で広がる後払い決済「BNPL」 与信なしの気軽さ、Z世代支持
日本で使えるBNPL
ここでは、日本で使えるBNPLの種類を一部と見ていきましょう。
・Paidy
・NP後払い
・atone
・メルペイスマート払い
・GMO後払い
・アトディーネ
・クロネコ代金後払いサービス
Paidy
Paidyは、支払い方法「あと払い(ペイディ)」を選択しメアドと携帯番号の情報を入力すれば、簡単に支払いができるBNPLです。支払い方法として、コンビニ払い、口座振替、銀行振込が選べます。
請求金額を翌月10日までに支払えばOKで、シンプルなサービスが人気。アプリから簡単に利用明細のチェックも可能です。Paidy支払いに対応しているサービスの一例は、以下の通りです。
- 対応サービス:Amazon、DMM.com、Qoo10、ビックカメラ.com、ラクマなど
公式サイト:https://paidy.com/merchant/
オンライン決済大手PayPal(ペイパル)による買収で話題に
Paidyは2021年9月7日にオンライン決済大手「ペイパル」に買収され、話題を呼んでいます。
これまでも若者に人気があったPaidyですが、日本でのビジネス展開を拡大し、あと払い決済サービスを日本だけではなく、グローバルに展開したいとのこと。後払い方式の自由度も高く、これからますます日本国内での普及が期待されます。
参考リンク:Paypal公式サイト|ペイパル、Paidyを買収へ
NP後払い
NP後払いは、2002年からサービス提供している国内後払いサービスの草分け的存在です。数多くの通販サイトに採用されており、信頼性抜群。
また、BNPLの中では非常に珍しく「ポイント」が貯まるのが特徴です。支払い方法はコンビニ、銀行、郵便局、LINE Payと多数。商品を確認した後に請求書が届き、支払いができるため安心です。
- 対応サービス:楽天市場(一部)、LUSH、SARAYA、LOWYA、タカラトミーモールなど
公式サイト:https://np-atobarai.jp/
atone
NP後払いと同じ運営会社「ネットプロテクションズ」提供のBNPL。ネットショッピング・実店舗両方で使えるのが特徴です。こちらも、NP後払いと同様のポイントが貯まります。
ネットショッピングでは他の後払い方法とほぼ同じですが、実店舗ではスマホアプリでのコード決済が利用できます。atone、SmartCodeなどのマークが目印です。
- 対応サービス:Qoo10、アーバンリサーチ、ナノ・ユニバース、トリンプなど
公式サイト:https://atone.be/
メルペイスマート払い
メルペイスマート払いは、メルカリが運営する後払い決済方法。決済した金額の支払いは、コンビニ、ATM、メルペイ残高、自動引き落とし(銀行振替)があります。
一括払い以外は「定額払い」のみ。いわゆるリボ払いで、手数料もしっかりかかってくるため、一般的なBNPLとはちょっと異なるサービスですね。ただし、一括払いと言っても、支払い期限は「翌月末」まで。支払いまでの猶予が長めに設定されているため、収入が入ってからの支払いが可能なのは便利です。
- 対応サービス:メルカリ、メルペイ(QRコード・iD決済)
公式サイト:https://www.merpay.com/
GMO後払い
GMO後払いは、GMOペイメントサービスが提供する後払い決済サービスです。
購入後、商品を受け取ってから「コンビニ」「銀行」「郵便局」「決済アプリ(LINEPayなど)にて支払いが可能。ZOZOTOWNの後払いサービス「ツケ払い」もGMOペイメントサービスが代行しており、GMO後払いのシステムを利用しています。
原則、請求書発行より14日以内の支払いとなっており、やや支払い期限は厳しい印象です。ショッピングサービスにより、実際の支払い期限は異なります。
- 対応サービス:ZOZOTOWN(つけ払い)、PAL CLOSETオンライン、伊勢丹・三越など
公式サイト:https://www.gmo-ps.com/
アトディーネ(ATODENE)
アトディーネ(ATODENE)は、クレジットカード会社としても有名な「JACCS」グループが手掛ける後払い決済サービス。
商品を受け取った後、送られてくる請求書で支払えばOKのシンプルなBNPLです。請求書発行後14日以内の支払いということで猶予期間は長くありませんが、シンプルで利用しやすいサービスです。
- 対応サービス:やえやまファーム、auPAY、MYG、ANAP、KALDIなど
公式サイト:https://www.atodene.jp/about/
クロネコ後払いサービス
クロネコ後払いサービスは、宅配業者大手「ヤマト運輸」が提供する後払いサービス。支払いはコンビニ、または郵便局、銀行振込で行えます。
請求書が商品と同封されてきた後、14日以内に支払いを行うシステムです。店舗により、決済手数料がかかる場合があります。
- 対応店舗:ポケトーク、GOFOODなど
公式サイト:https://www.yamato-credit-finance.co.jp/afterpayment/afterpayment.html
まとめ
日本ではクレジットカードと比較してまだ知名度の低い「BNPL」。様々な形で「後払い」サービスが展開されていますが、BNPLが広く普及している米国と比較すると、まだ自由度が高い支払いサービスが多くない印象です。
そんな中、日本での大手後払いサービス「Paidy」では、無料で3回払いまで対応となっており、今後の展開にも期待が持てます。
クレジットカードを持ちたくない層にとっても気軽に後払いが利用できるBNPL。面倒な手続きなしで利用できますので、シーンに応じて上手に活用してみてください。
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