オンライン不正利用保険とは?インターネット決済に欠かせない補償の仕組みと注意点
オンラインでのショッピングではなんでも購入できる時代になっていますが、ネットショッピングで心配なのが「クレジットカードの不正利用」ではないでしょうか。
インターネットでの決済時には、「オンライン不正利用保険」が欠かせません。万が一付帯しないカードでオンライン不正利用されてしまうと、補償が受けられない可能性が高くなってしまいます。
今回は、オンライン不正利用保険について、どんなものなのか、保険適用がされないケースや注意点など解説していきます。
オンライン不正利用保険が付いたカードを選びたい方、オンライン不正利用保険をうまく活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
オンライン不正利用保険とは?
オンライン不正利用保険とは、オンラインで行われるカード不正利用犯罪に適用される保険のことです。
オンライン(ネット)でのカード不正利用に使える保険
インターネットショッピングなどで不正利用された際に、心強い味方になります。たとえば、
・フィッシング詐欺
・カード情報の流出による不正利用
・ネットショッピング詐欺
・悪質出会い系サイト
といった犯罪にあってしまった際に、補償が受けられます。
盗難・紛失保険が適用されにくいネット犯罪から顧客を守る
従来の盗難・紛失保険では「本人に重大な過失があった場合」は保険適用外となっています。一方で、ネットでのクレジットカード不正利用は、
・暗証番号をオンライン上で教えてしまう
・カード番号や個人情報を教えてしまう
・本人が騙されたことによる「詐欺被害」
といった原因であることがほとんどのため「重大な過失」と判断され、保険適用されづらくなります。
オンライン不正利用保険は、そんな特殊なオンライン詐欺被害から被害者を守るために生まれた、既存の紛失・盗難保険ではカバーしきれない部分を補償してくれるものなのです。この保険が付帯することで、安心してネットショッピングを楽しめます。
補償金額は利用限度額と同じ
ちなみに、一般的なオンライン不正利用保険の補償金額は、「利用限度額と同額」です。50万円の利用限度額なら50万円まで、300万円の利用限度額なら300万円まで補償が受けられます。
よって、利用限度額いっぱいまでオンライン不正利用されてしまっても、全額補償の範囲内ですので安心です。
オンライン不正利用保険が使えるクレジットカード
オンライン不正利用保険が使えるクレジットカードはいくつかありますが、ここではその中でもおすすめのカードを3枚ご紹介します。
三井住友カード
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
1,375円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.4%~1.0% | 発行日数 | 最短3営業日 |
三井住友カードは、老舗カードブランド「三井住友カード」が発行するスタンダードなクレジットカード。オンライン不正利用保険が付帯しています。
銀行系カードらしい手厚いセキュリティ対策が付帯
三井住友カードは銀行系カードらしく、セキュリティ対策が手厚いカード会社です。オンライン不正利用への対応はもちろん、顔写真付きカードの対応などで様々な角度から不正利用の防止が可能。とにかくセキュリティ対策にこだわりたい方におすすめです。
JCB CARD W
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | 1.0%〜5.5%※最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合 | 発行日数 | 最短3日 通常1週間 |
JCB CARD Wは、日本発の国際ブランド「JCB」が発行するクレジットカード。
ネットショッピング特化の「JCBでe安心」保険付帯
JCBは、オンラインでの不正利用に特化した保険「JCBでe安心」制度を取り入れています。
・インターネットショッピング
・電話・プロバイダー料金
・電話・FAXによる通信販売
などの業種に対して、身に覚えのない請求があった場合、申請をすると調査の上請求を取り消してもらえる安心の制度となっています。年会費無料でお得、かつオンラインでも安心のカードを求めている方向けの1枚です。
アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)
年会費 (初年度) |
13,200円(税込) | 年会費 (2年目) |
13,200円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.4%〜1.0% | 発行日数 | 最短15営業日 |
アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)は、富裕層向けブランド「アメックス」から発行されているクレジットカードです。
不正利用時は「オンライン・プロテクション」で安心
アメックスには「オンライン・プロテクション」というオンライン不正利用保険が付帯しています。内容は、一般的なオンライン不正利用保険と同様に、第三者によるインターネット上での不正利用が発覚した際に、原則利用金額の負担がなくなるというもの。
その他、不正利用対策だけではなく、普段のショッピングに役立つ補償なども手厚く付帯しています。一律の利用限度額がありませんので、日頃から大きな金額のオンラインショッピングを楽しんでいる方にとっては、安心の1枚です。
オンライン不正利用保険付帯のクレカはカード会社で分かる
オンライン不正利用保険が付帯するカード会社は複数あります。 例えば、以下のカード会社が「オンライン不正利用保険」に対応しています。
オンライン不正利用対応のクレジットカード会社
など。
カードの違いよりカード会社の対応有無が大きく影響
オンライン不正利用保険がついているかどうかは、カードの種類というよりも、発行元のカード会社によります。オンライン不正利用が確実についている会社が良い場合は、カード会社を絞り、その中から自分の目的にあうカードを選ぶのがおすすめ。
今回ご紹介したような「公式ページでオンライン不正利用保険をうたっている」カード会社から選ぶようにしましょう。
オンライン不正利用保険が適用されないケース
付帯すると安心な「オンライン不正利用保険」ですが、場合によっては適用されないケースがあります。以下の条件にあてはまってしまうと、適用外となるのでご注意ください。
- カードに署名がない
- 60日以内に申請を行わない
- 警察に被害届を出していない
- 同居家族による利用
- 本人に重大な過失がある(推測されやすい暗証番号、メールで他人にカード情報を教えたなど)
カードに署名がない
カードに署名がない場合は、たとえどんな犯罪で、本人に全く過失がないケースでも「保険適用外」です。クレジットカード、そもそも「届いたらすぐにカードに署名」が原則。記名の時点でルールを守っていないと、補償も受けられません。
オンライン不正利用保険のみならず、「カード署名なし」は保険適用以前に「カードの使用方法に問題がある」と判断されてしまいますので、必ず署名して使いましょう。
60日以内に申請を行わない
オンライン不正利用保険には、適用期限があります。一般的な「紛失・盗難保険」と同様に、「申請日からさかのぼって60日以内」であれば、保険の適用が受けられます。
紙のカード利用明細は、届いた時点で利用から30日以上経過していることも少なくありません。チェックを少しの期間怠るだけでも簡単に期限が過ぎてしまい、保険適用外になるケースも。
オンラインで確認できる「ウェブ明細」なら、月の中でもこまめにチェック可能ですから、まとめて明細が届いてチェック……という作業が苦手な方は、オンラインでのチェックがおすすめです。
警察に被害届を出していない
一般的な紛失・盗難保険では「被害届」の提出が補償とのセットになっています。オンライン不正利用も同様に、ケースによっては警察に被害届を出す必要があります。
万が一、オンライン不正利用保険を期限ぎりぎりに利用しようとした際、警察への届け出がなければ、書類が間に合わず保険が使えない可能性があります。
不正利用に気が付いた際は、その時点でカード会社と警察両方に連絡をするのがベストです。
同居家族による利用
当然ながら、同居家族による利用であれば、保険の対象外です。原則、家族へのカードの貸し出しは禁止されており、「家族が使った」ことがそもそも規約違反ですから、補償のしようがないのです。
家族にはカードを勝手に使わないように伝えるのはもちろん、簡単にカードを使えてしまう環境にすることは避け、厳重に保管しておきましょう。
本人に重大な過失がある(推測されやすい暗証番号、メールで他人にカード情報を教えたなど)
ネットショッピング詐欺など、従来の紛失・盗難保険では適用されにくいケースでも保険が使える「オンライン不正利用保険」ですが、本人に重大な過失があると認められてしまった場合は、もちろん利用できません。
たとえば、以下のようなケースで保険適用が認められないことが多いようです。
本人の過失として保険適用されないケース
・メールで他人にカード番号やセキュリティコードを教えた
・暗証番号が推測しやすいものだった(生年月日や住所、電話番号などと紐づけできるもの)
・暗証番号などのメモを落とした
・家族に安易にカードを貸してしまった
相手が他人なら当然ですが、家族であってもカード情報は漏らさないのが原則。これらのミスがある場合は、本人の過失とされて保険が受けられません。基本的には「カード情報を厳重管理」していれば起こらないものですので、くれぐれもご注意ください。
オンライン不正利用保険を利用する際の注意点
オンライン不正利用保険を利用する際は、以下の点にご注意ください。
- 条件次第では保険が適用されない
- 不正利用に気づくのが遅れると保険適用外に
- 不正利用を申請するとカード情報はすべて変更に
条件次第では保険が適用されない
先述の通り、ネット犯罪にあってしまっても、条件次第ではオンライン不正利用保険が適用されないケースがあります。保険適用には条件があり、条件を満たさなくては適用が受けられない、保険は万能ではないということは知っておきましょう。
不正利用に気づくのが遅れると保険適用外に
不正利用に気が付くのが遅れると、60日の「保険適用期間」から外れてしまい、オンライン不正利用保険の対象外になります。60日は短い、厳しいと感じるかもしれませんが、逆に不正利用されたことに60日以上も気が付かないような「管理を怠った」状態に問題もあると言えます。
不正利用を防ぎ、万が一利用されてしまった際も保険を使うためにも、こまめな利用明細のチェックは忘れないようにしましょう。
不正利用を申請するとカード情報はすべて変更に
不正利用が発覚し、カード会社にその旨を申請すると、今持っているクレジットカードは無効となり、新たなカードが発行されることになります。
そうなると、当然流出しているカード情報は使えませんので、すべて「新しい情報」のカードへと変更に。
公共料金の支払いに設定していた場合はすみやかにカード情報変更を
公共料金や、毎月支払いが発生する支払先として、不正利用されたカードを登録していた場合は、すみやかに新しいカード情報へと変更しておきましょう。放置しておくと、支払いが滞り、最悪の場合クレヒスに傷がつく場合もあります。
不正利用されてしまった際は、手続き等が多くつい忘れてしまいがちですが、
・被害届の提出
・カード会社への連絡
・新規カードへの支払先変更
これだけは忘れないよう、すぐに済ませてしまいましょう。
まとめ
オンライン不正利用は身近な犯罪!カード利用明細のチェックを徹底しよう
オンライン不正利用は、非常に身近な犯罪です。最近は手口が巧妙化しており、本物の大手通販サイトにそっくりなダミーサイトでカード情報を抜き取ろうとするなど、様々な手段でクレジットカードの情報を狙ってきます。
カードの不正利用被害を防ぐには、やはり信用できないサイトにはアクセスしない、よく利用するサイトはブックマークしておき、そこから直接アクセスするなどの「対策」が必要です。
万が一不正利用された際は、早期発見・早期対処でオンライン不正利用が活用しやすくなります。こまめな明細のチェックは徹底し、不正利用された際も焦らず対処していきましょう。
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