クレジットカードでブラックリスト入りする条件は?載る期間と消す方法なども解説
クレジットカードやカードローンなどの支払い遅延・延滞などで起こってしまう信用情報機関での「ブラックリスト入り」。
一度ブラックリストに入ってしまうと、数年間はカードやローンの審査に通らなくなってしまうもの。できることなら避けたいですよね。
この記事では、ブラックリスト入りしてしまう条件、ブラックリストの掲載期間や消し方、ブラックリスト明けにおすすめのクレジットカードなどについて解説しています。
ブラックリストとはどのようなものなのか、また、ブラックリストへの対策を知りたい、という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
クレジットカードでブラックリスト入りする条件は?
通常、支払い遅延や延滞なくクレジットカードを利用していれば、ブラックリスト入りすることはありません。
ただし、5年以内に以下の条件に当てはまる場合、ブラックリスト入りしている可能性があります。
クレジットカードでブラックリスト入りする条件
- 61日以上または3ヶ月以上の支払い遅延や延滞
- クレジットカードの強制解約・利用停止措置を受けた
- 債務整理をした
61日以上または3ヶ月以上の支払い遅延や延滞
クレジットカードでブラックリスト入りしてしまう一番多いケースは、支払い遅延・延滞です。
支払い遅延・延滞では、61日以上または3ヶ月以上でブラックリスト入りとなります。クレジットカードの利用金額の支払い遅延はもちろん、キャッシングも対象となります。
クレジットカードを利用するのであれば、支払い遅延や延滞とならないように使うのが大前提。利用は計画的にし、確実に支払いをするサイクルを守りましょう。
クレジットカードの強制解約・利用停止措置を受けた
クレジットカードは使い方により、強制解約や利用停止措置を受ける場合があります。
繰り返す延滞やクレジットカードの現金化などの「規約違反」で利用停止・強制解約になる
短期間に延滞を繰り返したり、規約違反となるクレジットカードの現金化をしたりすると、規約違反となります。すると、強制解約や利用停止措置がとられ、個人信用情報に記録が残ります。
換金目的でカードショッピングした品物をすぐに売る「クレジットカードの現金化」
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードのショッピング枠を使い、換金目的で利用すること。
例えば、現金化業者で二束三文のものを購入し、同じところで手数料を差し引いた金額で便宜上「売って」、現金を受け取る。こういった現金化の方法があります。
カード現金化は規約で認められていない!金欠でも絶対にやらないようにしよう
クレジットカード会社は、クレジットカードの現金化を認めていないため、発覚した場合には強制解約となります。
強制解約となった場合には、再度同一クレジットカードの発行は困難となるだけでなく、ブラックリスト入りとなり、そのほかのクレジットカード利用にも支障が出てきます。
当然ですが、クレジットカードの利用規約に反する行為は厳禁です。絶対にやめましょう。
債務整理をした
クレジットカードの使いすぎで自己破産や任意整理、個人再生などの債務整理をした場合にも、当然ブラックリスト入りとなります。
任意整理や個人再生は、多額の借金がある場合に大幅に負担軽減ができる制度。ですが、「借金を返せず債務整理をした」ということで、短期的に経済力が回復するとも考えにくいため、ブラックリストへの掲載期間も5年~10年と長くなっています。
債務整理を行う際には、長期のブラックリスト入りとなることを理解した上で行うようにしましょう。
ブラックリスト入りしない「延滞・滞納」にはどんなものがある?
延滞や滞納の中でも、実は「ブラックリスト入り」しないものもあります。
ブラックリスト入りしない「延滞・滞納」
- 短期間の料金延滞
- 引き落としの公共料金の支払い遅延
- 税金・家賃の支払い遅延(家賃はクレジットカード払いの場合を除く) など
短期間の料金延滞
引き落とし日に残高の用意が間に合わず数日延滞してしまった、などの短期間の延滞は、基本的に信用情報には記載されず、ブラックリスト入りとなりません。
ただし、1年間に何度も延滞を繰り返すと、クレジットカードの審査やローン審査にも影響が出てきます。
また、カード会社によっては数日の延滞でも一定期間利用停止となることもあります。
ブラックリスト入りしないとはいえ、クレジットカードの支払い遅延はカード会社からの信用にかかわります。しっかり管理してカードを利用しましょう。
引き落としの公共料金の支払い遅延
口座振替での公共料金の支払いは、遅延してもブラックリスト入りになりません。ガス・水道・電気会社は、個人信用情報機関へ加入しておらず、個人信用情報へ記録されることがないからです。
しかし、クレジットカード払いを利用している場合には、カード利用と同様の扱いとなり、長期延滞や軽微な延滞を繰り返すことでブラックリスト入りとなってしまいます。注意しましょう。
税金・家賃の支払い遅延
税金や家賃の支払いを遅延した場合もブラックリスト入りにはなりません。税金を取り扱う役所や不動産会社は、各信用情報機関に遅延情報を照会・記録する権限を持っていないためです。
ただし、公共料金同様、家賃の支払いをクレジットカード払いにしている場合には、その限りではなく、ブラックリスト入りの可能性はあります。
また、家賃延滞がブラックリスト扱いにはならないとはいえ、あまりにも支払いが遅れると強制退去させられる可能性は十分にあります。
ブラックリスト入りしないからと言って、わざと延滞を繰り返すようなことは絶対にやめましょう。
クレジットカードでブラックリスト入りするとできなくなること
クレジットカードでブラックリスト入りすると、できなくなることが数多くあります。ブラックリスト入りすると、どのような影響があるのかもしっかり把握しておきましょう。
クレジットカードでブラックリスト入りするとできなくなること
- クレジットカードの新規発行
- クレジットカードの利用
- ローンが組めなくなる(自動車ローン・住宅ローン・教育ローンなど)
- ETCカードの利用
- 携帯電話(スマホ)の分割購入
クレジットカードの新規発行はできない
クレジットカード審査では必ず個人信用情報を照会するため、ブラックリスト入りがわかると確実に審査落ちしてしまいます。これは、ブラックリストに登録されている=返済能力がない、と判断されてしまうためです。
キャッシュレス化が進む現代でクレジットカードを持てなくなると、生活に大きな支障が出てしまいます。カード発行を望むのであれば、ブラックリスト入りは回避しましょう。
クレジットカードの利用が停止されることも
クレジットカードの新規発行だけでなく、保有しているクレジットカードの利用もできなくなります。
ブラックリスト入りからしばらくは利用できるかもしれませんが、カード更新時には必ず個人信用情報の確認が行われるため、いずれ利用不能、もしくは良くても限度額の引き下げに。
つまり、ブラックリスト入りしてしまうと、現金以外の支払い方法が一気に途絶えてしまう可能性があるということ。そうなると非常に不便ですので、いずれにせよブラックリスト入りは避けたいところですね。
ローンが組めなくなる(自動車ローン・住宅ローン・教育ローンなど)
ブラックリスト入りすると、クレジットカードの利用・発行ができないだけではなく、新たな借り入れができなくなります。
自動車ローン・住宅ローンはもちろん、子供のための教育ローンなどの審査も厳しくなるため、大きな買い物や資金調達はしづらくなるでしょう。
特に住宅ローンは高額なため審査は厳しく、ブラックリスト入りしている状態で審査通過は不可能といえます。
自動車の購入や、住宅購入などを検討している方は、ブラックリスト入りにくれぐれも気をつけてくださいね。
ETCカードの利用も停止される
ETCカードはクレジットカードに付帯している機能であるため、クレジットカードの利用ができなくなれば、当然ETCカードも利用できなくなります。
高速料金の支払いは現金払いのみとなり、手間だけでなく時間もかかってしまいます。ブラックリスト入りは支払いに関するあらゆる面で不便になるといえるでしょう。
ただし、カード付帯ではないETCカードの場合は継続して利用できることもあります。詳しくは、ETCカードの発行元に確認してみましょう。
携帯電話(スマホ)の分割購入
ブラックリスト入りすると、携帯電話(スマホ)本体代金の分割購入もできなくなります。
スマホの端末代分割購入は、言い方こそ違いますがローンを組んでいる状態であり、購入・契約の際には、個人信用情報を照会しています。
そのため、ブラックリスト入りしている場合のスマホ購入は、本体代金は一括で支払うしかありませんので、携帯ショップで分割購入しようとしてこんなはずでは……とならないためにも、覚えておきましょう。
ブラックリストへの掲載期間は「原因」と「信用情報機関」によって異なる
ブラックリストへの掲載期間は、ブラックリスト入りした「原因」と、個人信用情報が保存されている「信用情報機関」によって異なります。
各信用情報機関の原因別ブラックリスト掲載期間を表にまとめると、以下の通りです。
信用情報機関 | JICC | CIC | KSC |
---|---|---|---|
61日以上の遅延・延滞 | 1年 | 5年 | 5年 |
3ヶ月以上の遅延・延滞 | 5年 | 5年 | 5年 |
強制解約 | 5年 | – | – |
自己破産 | 5年 | 5年 | 10年 |
任意整理 | 5年 | – | 5年 |
個人再生 | 5年 | – | 10年 |
支払い遅延・延滞で1年から5年ブラックリスト入り
ブラックリスト入りとなる支払い遅延・延滞は最低1年から最長5年となっています。これは、各信用情報機関により登録期間が異なるためです。
<61日以上の延滞をした場合のブラックリスト掲載期間>
・JICC……1年
・CIC・KSC……5年
自己破産は最長10年記録に残る
自己破産をした場合のブラックリスト掲載期間は、最長で10年となっています。
<自己破産した場合のブラックリスト掲載期間>
・JICC・CIC……5年
・KSC ……10年
マイナス要素の強い自己破産では、ブラックリストに掲載される期間は最長10年となっており、長い期間、カード発行・利用を始め、ローンを組むなどができなくなります。
とにかく「大きな買い物」はしづらくなるうえに、日常的に不便なこともつきまといます。そういった事態にならないように、普段からクレジットカードの利用をはじめとする借り入れは、計画的に行いましょう。
自分がブラックリストに入っているかは個人信用情報の開示請求で確認可能
ブラックリストに入っているかどうかは、個人で信用情報機関に開示請求をすれば確認可能。
開示請求方法や手数料は、それぞれの個人信用情報機関によって異なります。
開示請求は、パソコンやスマートフォンから手軽に申し込み・チェックできる機関もあります。ただし、KSCに限り情報開示は郵送のみ。数日の期間が必要になるため、ご注意ください。
個人信用情報の開示請求については、下記記事で詳しく解説しています。詳しく知りたい、という方は、こちらを参考にしてくださいね。
ブラックリストを消す方法は「完済」して時間の経過を待つのみ
基本的にブラックリスト入りしてしまうと、自力で消すことはできません。「完済」して、掲載期間が終了するまで待つのみです。
誤ったブラックリスト入りの場合は申告すれば消せる
ごく稀に、同姓同名・同一生年月日による個人情報の混合が起こり、誤ったブラックリスト入りがあります。そのような場合のみ、誤った情報を訂正・削除が可能です。
・カード利用経験がないのに、クレジットカードが発行できない
・カード利用に問題はなかったのにローンが組めない
などのトラブルがある場合には、誤ってブラックリスト入りしている可能性がありますので、個人信用情報の開示請求を行い、ブラックリスト入りしていないか、確認してみましょう。
ブラックリスト明けのクレジットカード選びの注意点
ブラックリスト入り後、一定期間が経過し、ブラックリストの情報が消えれば、クレジットカードの発行が可能になります。
しかし、ブラックリスト明けのクレジットカード選びは、通常よりも注意しておきたい・知っておきたいポイントがあります。
ブラックリスト明けのクレジットカード選びの注意点
- ブラックリスト明けのクレヒスはスーパーホワイトになる
- 審査が柔軟なクレジットカードでクレヒスを積んで行くのがベター
ブラックリスト明けのクレヒスはスーパーホワイトになる
ブラックリストから情報が消えると、クレヒスはスーパーホワイト(何もない状態)になります。スーパーホワイトは、一見何の問題もないように思えますが、実はそうではありません。
学生や20代前半の方など、クレジットカード利用が初めての方であれば、問題ありませんが、30代以上でのスーパーホワイトは
・現金主義
・過去に金融事故がある
のどちらかと考えられます。
スーパーホワイトは過去の金融事故を疑われやすく審査上不利になる
クレジットカードの審査においては、特に30代以降は圧倒的に後者と見られるケースが多く、一般ランクのクレジットカードの審査でも難易度が高くなります。
「スーパーホワイト=安心」ではありませんので、ブラックリスト明けのクレジットカード選びは慎重に行いましょう。
審査が柔軟なクレジットカードでクレヒスを積んで行くのがベター
ブラックリスト明けのクレジットカード発行は、「スーパーホワイト」なため通常より難易度が高くなります。
よって、もともと審査難易度が高い銀行系クレジットカードなどは、スーパーホワイトが分かった時点で審査落ちするケースも。
審査落ちはクレヒスに履歴が残るため審査ハードルが上がる
ブラックリスト明けに審査落ちをしてしまうと、その後に別のカード申し込みでも「過去に審査落ちしているから、この人にはなにかあるかも」と疑われてしまいます。すると、審査ハードルが上がってしまいますよね。
ブラックリスト明けは消費者金融系カードなど審査が柔軟な1枚を選ぼう
その事態を防ぐためにも、まずは消費者金融系カードなどの審査が柔軟なクレジットカードを取得し、コツコツとクレヒスを磨くことから始めるのがベター。
最初は欲張らずに、堅実にいくことが大切です。
ブラックリスト入りを避け、クレジットカードは堅実に活用しよう
クレジットカードの利用履歴や返済状況などは、個人情報として信用情報機関に全て記録されています。
・61日以上または3ヶ月以上の延滞・遅延
・強制解約や利用停止措置
・債務整理
など、一般的な利用から外れてしまうと、最短1年、自己破産では最長10年もの長い間ブラックリストに載ることとなります。
ブラックリスト入りしてしまうと、新たな借り入れとなる様々な行為が全て禁じられ、生活に大きな支障をきたしますので、まずは軽微な延滞でも確実に防ぐことが大切です。
クレジットカード利用は、ブラックリスト入りとなるような金融事故のないように、計画的な利用をしましょう。
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