クレヒスとは?信用情報・クレジットヒストリーを磨いて審査を有利にできる
クレジットカードの審査について調べたことがある方なら、一度は「クレヒス(クレジットヒストリー)」という言葉を聞いたことがあると思います。
今回は、名前は聞いたことがあってもあまりなじみのない信用情報「クレヒス」について、審査との関わりや審査を有利にするための方法、注意すべきことなどを解説していきます。
クレジットヒストリーを含む、信用情報について理解を深めることは、必ずクレジットカード審査時に役立ちます。希望するクレジットカード発行に向けて、少しでも知識を得て、有利に審査を進めていきましょう。
クレヒス(クレジットヒストリー)とは?
クレヒス(クレジットヒストリー)とは、正式には「信用情報」と呼ばれ、クレジットカードやローンのなど、信用に基づいて行われる「信用取引」に関する履歴(ヒストリー)のことです。
信用情報には信用取引に関わる全ての情報が残りますが、一例を挙げると「携帯電話端末の割賦購入」、「クレジットカードの利用」、「クレジットカードの返済」や、「クレジットカードの申し込み」、「マイカーローンの申し込み」、「マイカーローンの返済」など、お金を借りること、返すことに関わる履歴が記録されています。
クレヒスなどの信用情報は、日本に3つある「個人信用情報機関」と呼ばれる機関に保存されています。個人信用情報機関は、「信用情報機関」と呼ばれる方が一般的で、以下の機関が信用情報機関にあたります。
CIC | (株)シー・アイ・シー(CIC) |
---|---|
JICC | (株)日本信用情報機構(JICC) |
JBA | 全国銀行個人信用情報センター |
ちなみに、18歳未満は信用取引ができないため、信用情報は18歳以上から登録が始まります。もちろん、信用取引を一切行なっていなければ履歴も残りません。
信用情報機関の信用情報・クレヒスは共有されている
信用情報機関のうち、CIC、JICCはともにクレジットカード会社、信販会社、リース会社などが主に加盟しており、CICとJICCはともに「貸金業法」でクレジットカードの「キャッシング利用」に関する記録を保存する信用情報機関として国から指定を受けています。
また、CICは「割賦販売法」でも、クレジットカードの「ショッピング利用」に関する記録の指定信用情報機関になっているので、クレジットカードや割賦購入などの記録は全て「CIC」、「JICC」に登録されます。
JBAは主に「銀行」関連の信用取引に関わる情報が登録されますが、CIC、JICC、JBAは「CRIN(クリン/redit Information Network)」という情報ネットワークで情報を共有しているので、いずれの情報機関に登録されている情報も「共有」されていると認識してくださいね。
例えば「CICでクレジットカードで滞納履歴が付けられれば、即座にJICCと全国銀行協会に共有」されます。なお、細かい条件があり、全て均一化された情報が共有されている訳ではありません。
参考リンク:CRIN(Credit Information Network)とは
万が一にも債務整理(自己破産)を行なうと、5年もしくは10年履歴が残る
もし債務整理(自己破産)してしまった場合は、それぞれの情報機関で下記の期間、履歴が残ります。
信用情報機関 | 自己破産の履歴が残る年数 |
---|---|
CIC | 5年 |
JICC | 5年 |
JBA 全国銀行協会 | 10年 |
このように、銀行系の全国銀行協会であれば債務整理後10年間情報が残されますが、クレジットカード系のCICや消費者金融系のJICCであれば5年間、と違いがあります。
自己破産後、最低5年間はクレジットカード発行のハードルが非常に高くなる
クレジットカード申し込み時にはCICやJICCへの信用情報を照会され、審査が行われます。もちろん、自己破産してしまった後は5年間履歴が残るので、クレジットカード審査通過へのハードルが非常に高くなります。
また、クレジットカード発行会社の中でも「全国銀行協会」に加盟しているアメリカン・エキスプレスは、10年間は「自己破産履歴が照会されてしまう」ので十分に注意してください。
それ以外のクレジットカードを申請する場合、自己破産から5年後には「まっさらな信用情報」として照会、認識されます。ただし、まっさらな信用情報は審査が不利に働く場合があります。
クレヒス・信用情報が審査に大きく影響する理由
信用取引に関わる履歴が「クレヒス」として信用情報機関に登録されるのは分かりましたが、それがなぜ「審査」に関わってくるか疑問に思った方も多いと思います。
実は、クレヒス(クレジットヒストリー)はクレジットカードの審査の際に、審査対象となっている方の「信用力」を調べるために利用されます。
過去のクレジットカードやローンの利用履歴、返済履歴などが全て参照できるので、審査する上で「この人はきちんとお金を返すか」を判断するのにはうってつけですから、クレヒスの内容次第で審査に大きな影響を与えます。
ですから、2年間以内に何か支払いトラブルなどがあった場合には、審査の際にマイナス評価でペナルティーとなり、審査可決が難しいものとなるのです。
クレヒスが良いと審査に有利、悪いと不利になる
当然ですが、クレヒスが「良い」と判断されると審査では有利になり、あとは収入面などに問題がなければ通りやすくなります。
逆に、クレヒスが「悪い」と判断されると、内容によってはそのまま審査に落とされてしまうこともあり、クレヒスによって審査が大きく左右されると言えます。
良いクレヒス、悪いクレヒスの具体的な特徴
「良いクレヒス」と「悪いクレヒス」の具体例をご紹介します。
- 良い(審査に有利な)クレヒス
- 悪い(審査に不利な)クレヒス
良い(審査に有利な)クレヒス
審査に有利な良いクレヒスとは、簡単にいうと「延滞」や「債務整理」などの金融事故、支払いの遅延などが一切無く、定期的にしっかりクレジット利用をして、返済まで行なっているクレヒスです。
たとえ遅延などがなくても数年に1回のクレジットカード利用しかないなどは「良い」クレヒスとは言えず、「普通」と言えます。
最も良いのは、毎月コツコツ金額に関係なく継続してクレジットカードを利用して、返済し続けているようなクレヒスで、こうしたクレヒスを保有して審査を受ければ、「安定して利益が見込める」顧客だとみなされ、審査で有利になります。
悪い(審査に不利な)クレヒス
良いクレヒスの逆で、悪いクレヒスとは2種類あります。
1つ目は「金融事故」の情報がクレヒス上に残っていること、2つ目は「クレヒスが全くない」状態です。
1.金融事故が載っていると即審査落ちの対象に!
金融事故とは、延滞や債務整理など「きちんと借金の支払いができなかった」という履歴のことです。この履歴があるということは、過去に借りたお金を返していないという証明にもなり、信用力はゼロと判断されて審査に落とされてしまいます。
クレジットカード会社としては、できるだけリスクは避けたいので、貸し倒れを防ぐためにもこうした「金融事故」に関する記録は厳しくチェックしています。
2.意外な落とし穴!クレヒスがないのも注意!
クレヒスが全くない状態は、今まで記録の保存期間中に信用取引を全くしてこなかった人か、もしくは過去に金融事故を起こし、その履歴が消えた人のどちらかです。
クレジットカードに関する支払いで金融事故を起こした際は、5年間その履歴が残り、その間は信用がないため、基本的に新たに信用取引を行うことはできません。
20代などまだ若い世代ならクレジットカードを利用したことがないということも考えられますが、30代にもなると「過去の事故情報」を疑われてしまい、審査に不利になってしまいます。
クレジットカード会社によっては、クレヒスがないことが大きなマイナスとなって審査落ちすることもあります。
審査に悪影響!クレヒスに残る2つのNG
クレジットカードをしっかり使っていればクレヒスに問題はない、と考えがちですが、実はクレジットの利用履歴そのものに大きな問題がなくても、「審査」に影響してしまうNGパターンが2つあります。
審査に影響を与える2つのNGパターンとは
- 短期間に多重申し込みの履歴がある
- すでにクレジットカードをたくさん所持している
1.短期間に多重申し込みの履歴がある
クレヒスに残る履歴の一つとして、「クレジットカードの申し込み履歴」があります。
1年に2枚程度など、必要に応じて申し込みをしているようなクレヒスは大丈夫ですが、短期間(1〜2か月など)に3枚以上のクレジットカードに申し込みをしているようなケースは「多重申し込み」として審査が厳しくなります。
というのは、多重申し込みする方の心理として、「お金に困っている」か「アフィリエイト収入目的」などクレジットカード会社にとってはメリットにならないことが考えられるからです。
多重申し込みされたクレジットカードを審査に通してしまうと、最悪の場合使うだけ使って返済しない、もしくは全くカードを使わない(アフィリエイト収入が目的のため)ということも考えられるため、リスクを回避するために審査に落としてしまうパターンが少なくありません。
多重申し込みで審査を不利にしないためにも、必要なカードは1枚ずつ確実に申し込んで手に入れるように心がけましょう。
申し込み履歴が残るのは、通常6か月ですので、追加でカードを申し込みたい際は半年後を目安にしてみるといいですね。
2.すでにクレジットカードをたくさん所持している
すでにクレジットカードを複数枚所持している場合、申し込みを受けてもクレジットカード会社が「使ってもらえないのではないか」と警戒して審査を厳しくする場合があります。
それ以外に、クレジットカードの審査では必ず「与信枠」を決めますが、すでに所持しているクレジットカードの利用限度額が与信枠を圧迫してしまい、カード発行が難しくなることもあります。というのは、与信枠とは「この人に信用してどの金額までお金を貸せるか」という枠のことであり、与信枠は他社クレジットカードの利用限度額も加味して決められます。
例えば、ある方の与信枠を「300万円」としたとき、すでに持っているクレジットカードの利用限度額の合計が298万円だったと仮定すると、与信枠の残りは「2万円」だけになってしまいます。
利用限度額が2万円というカードは基本的に発行されませんので、この場合は審査に落としてしまうことになりますね。
このように、使っていないクレジットカードを複数持っていると、本命カードを申し込みたい時の妨げになることもありますので、いらない、使っていないカードはきちんと解約してから希望カードへ申し込みましょう。
番外編:信用情報が真っさらな状態は要注意!
万が一にも自己破産後で5年経過していて「信用情報がまっさらな状態」に戻っていたのであれば、十分に気をつける必要があります。
例えば20歳の人で「信用情報がまっさら」であれば、「クレジットカードを発行したことがない人」と認識されるため、何も問題がないのですが、30代、40代と年齢が上がっていけば行くほど、信用情報に記録が残されていない人は「自己破産」を疑われてしまいます。
一般的に考えても30代でクレジットカードを使用したことがない人は、ほぼいないですよね。そんな状況の中で「信用情報がまっさら」であれば不審に思われてある意味当然と言えるでしょう。
自己破産後5年以上経過した後は、スマホ分割払いで優秀な履歴を残すのがおすすめ
もし自己破産後5年以上経っていて、新たにクレジットカードが必要となる場合は、スマホ分割払いを2年続けて優秀な履歴を残していきましょう。
実はこの「分割払い制度」も信用情報として支払い状況履歴が残されていくのです。また、通常スマホの分割払いは2年となっています。ですから、スマホの購入代金の分割払いが終わる頃には、「優秀な支払い履歴が2年間確保」できるんです。
自己破産後から都合7年かかってしまいますが、それだけの時間をしっかりかければアメリカン・エキスプレス以外のクレジットカードは、たとえステータスの高いカードであっても「収入」や「勤続年数」がしっかりとある場合、問題なく発行できると言えます。
良いクレヒス・信用情報を育てる方法
今までの信用情報・クレヒスに自信がないという方は、本命カードを作る前に「良いクレヒス」を作っておくと安心です。良いクレヒスを作るには、最も簡単なのが「クレジットカードを毎月コツコツ使い、延滞をしないこと」です。
この方法は時間がかかってしまいますが、最も確実にクレヒス磨きができて審査にも自信がつきます。意識してクレジットカードを使うのが面倒という場合は、携帯電話の料金や公共料金などの「固定費」をクレジットカード払いに設定しておけば、毎月自動でクレヒスを作ることができます。
そもそもクレジットカードを持っていない方は、まずは比較的審査がやさしく作りやすいクレジットカードを選んで申し込んでみましょう。
クレヒス磨きにおすすめのクレジットカード3選!
クレヒスに自信がない方は、審査を有利にするために、まずクレヒスを磨くことが大切です。
ここでは、クレヒス磨きにおすすめのクレジットカードを3枚ご紹介します。
1.アコムACマスターカード
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | - | 発行日数 | 最短即日発行 |
アコムACマスターカードは、年会費無料で最短「即日発行」という審査のスピーディさが人気のクレジットカードです。
アコムACマスターカードは、消費者金融系のクレジットカードですので、一般的なクレジットカード会社の審査とは異なっており、どちらかというと「消費者金融」でお金を借りる際の審査と似ていると言われています。
そのため、審査もスピードが速く、過去のことよりも「現在の状況」をしっかりチェックして発行されるので、過去に金融事故を起こし、クレヒスが真っ白状態の方でも「安定した収入」が確保されていれば審査に通ることもあります。
学生や専業主婦などの「本人に安定収入がない」方は、申し込みの対象外ですのでご注意ください。
クレヒスに自信がない方でも発行しやすく、クレヒスを磨くためのツールとしておすすめです。
ただし、独自の審査基準と発行スピードが早いというメリット以外には「ポイントプログラム」などが一切ついていないので、純粋に支払いに使えるだけのクレジットカードとして割り切る必要があります。
2.ライフカード
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜1.0% | 発行日数 | 最短3営業日 |
ライフカードは、年会費無料で発行期間最短3営業日のスピード発行が可能なクレジットカードです。
こちらも、現在は消費者金融系のクレジットカードですので、同じく独自の審査難易度です。
審査基準もアコムACマスターカードと同じく、一般的なクレジットカード会社の審査とは異なりますので、過去のクレヒスがよほど酷くない限りは「現在の状況」に重点を置いてチェックされます。
消費者金融系のカードの中でも「ポイント」がしっかりつくのが特徴で、還元率は0.5%以上が基本ですが、誕生月はポイント還元率が5倍になります。
まずはクレヒスをしっかり積み上げたい、ポイントも貯めたい、という方に、年会費無料で維持費もかからないのでおすすめです。
3.楽天カード
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | 1.0%〜4.0% | 発行日数 | 最短3日 |
楽天カードは、年会費永年無料でポイント還元率常時1.0%以上のクレジットカードです。
先にご紹介した2枚が消費者金融系のクレジットカードでしたが、楽天カードはいわゆる「流通系」のカードで、消費者金融系のカード審査とはまた異なり、主婦や学生でも条件次第では審査に有利だと言えます。
楽天市場での買い物は常時4.0%の還元率というのも魅力ですので、楽天を普段使う方であればなおさらオススメしたい1枚です。
クレヒスをしっかり磨くのにもぴったりで、年会費無料で維持もしやすいカードですので、困ったときはまず楽天カードでしっかり利用履歴を積んでみましょう。
個人で信用情報を開示させて確認する方法
信用情報を確認(=開示)するには、各信用情報機関によって開示の申請方法や支払い方法が異なります。
信用情報機関 | 開示申請方法 | 開示手数料 |
---|---|---|
CIC | ・インターネット開示 ・郵送開示 ・窓口開示(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・岡山・福岡) |
インターネット開示1,000円(クレジットカード払いのみ)/郵送開示1,000円(ゆうちょ銀行発行の定額小為替証書)/窓口開示500円 |
JICC | ・インターネット開示 ・郵送開示 ・窓口開示(東京・大阪) |
インターネット開示1,000円(クレジットカード払いやコンビニ払いなど)/郵送開示1,000円(クレジットカード払いやゆうちょ銀行発行の定額小為替証書)/窓口開示500円 |
JBA 全国銀行協会 | 郵送開示 | 1,000円(ゆうちょ銀行発行の定額小為替証書) |
このように500円〜1,000円で自分の信用情報を開示できます。アメリカン・エキスプレス以外のクレジットカードを発行する場合は「CIC」だけの開示で十分でしょう。
インターネットで信用情報を開示するまでの流れ
参考までに、最も開示が早い「CIC」のインターネット開示の流れについて見ていきましょう。
- インターネットより申し込む
- 受付番号の取得(クレジットカード契約時に登録した電話番号からCICへ掛ける必要有り)
- 取得から1時間以内にインターネットで受付番号の入力
- 信用情報開示
このように30分もあればスムーズに信用情報を開示できます。受付時間は毎日8:00〜21:45までで、年末年始も営業しています。本当に簡単に開示できるので、気になる方は申請してみてくださいね。
信用情報の内容
信用情報を開示すると、下記のようなマークがそれぞれの年月日に記載されているはずです。具体的には「10年1月$」のような状態のことです。
$ | 請求どおり(もしくは請求額以上)の入金があった |
---|---|
P | 請求額の一部が入金された |
R | 利用者以外から入金があった |
A | 利用者の事情で約束の日に入金がなかった(未入金) |
B | 利用者の事情とは無関係の理由で入金がなかった |
C | 入金されていないが、その原因がわからない |
― | 請求もなく入金もなかった |
空欄 | クレジット会社等から情報の更新がなかった |
マークの意味はこのようになっています。優秀な信用情報の履歴とは毎月「$」が記載され続けている状態になります。
まとめ
信用情報を育ててクレジットカード審査を乗り切ろう!
クレジットヒストリー、略してクレヒスはクレジットカードの審査とは切っても切れない関係です。
審査では「相手はお金を貸してもきちんと返してくれるか」をみているので、各クレジットカード会社は、過去のクレジットカードなどの利用履歴はかなり重視していると言えます。
クレジットカードの審査を有利にするには、まず「クレヒス」をこつこつと積み上げて「良い信用情報」を作るのが近道ですので、時間はかかってしまうかもしれませんが、確実に審査に通りたいのならまずはクレヒス磨きを徹底しましょう。
今回ご紹介した知識を上手に生かし、ぜひ希望カードを手に入れてくださいね。
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