クレジットカードを安全に使うには?安全なカードの選び方や基礎知識を解説!
クレジットカードをあまり利用しない理由として多いのが、「使うのがなんとなく怖い」、「本当に安全なのかわからない」など、しっかりとクレジットカードの安全性やしくみについて分からないからというものです。
そこで今回は、クレジットカードの安全性や安全なカードの選び方、注意点などを解説いたします。クレジットカードの安全性を理解し、不安を解消してカードを活用できるようにしていきましょう。
クレジットカードは安全?どんな時に不正利用はおきる?
クレジットカードが安全かというと、現金と同じで「管理次第では危険」とも言えますが、基本的にカードの仕組みや安全対策自体はしっかり行われているので「安全」と言えます。
とはいえ、盗難やスキミング(カード情報を読み取って不正利用する)、フィッシング詐欺(メールや電話などでカード情報を巧妙に聞き出す)など、クレジットカードに関連する犯罪・不正利用がまだまだ存在するのも事実です。
そのため、クレジットカードをより安全に使うには、自分で対策をしたり、納得のいくセキュリティのカード(今ではほとんどのカードがしっかりと安全対策してあります)を選んだりすることが大切です。
実は現金よりも安全で補償が手厚いクレジットカード!
現金と比べると、現金は盗られた分しか損をしないけれど、クレジットカードは不正利用されれば何十万円、何百万円も損することがあるのでしょう? と思っている方もいますが、それは「間違い」です。
現金は盗難された時には補償などは受けられませんが、クレジットカードの多くはカード盗難保険が付帯しているので、万が一の際にもすぐにカード会社に届出を出せば不正利用されたお金を支払わなくて済みます。そのため、ある意味ではクレジットカードは現金よりも「安全」で補償が手厚いと言えます。
特に海外旅行などは盗難被害が多いため、盗難などで損をしたくない方は、現金をたくさん持ち歩くよりもクレジットカードを持っている方がおすすめです。
クレジットカードを安全に利用するための5つの対策
クレジットカードを安全に利用するためには、自分でできる対策をしっかりとっておくことが大切です。
ここでは、自衛のためにできる5つの対策をご紹介します。
安全に利用するための5つの対策
- カード裏面に必ず署名をしておく
- 暗証番号は推測されにくいものを
- 毎月の利用明細は確認必須
- 盗難に気が付いたらすぐにカード会社に連絡をする
- SSLを利用したサイトでショッピングをする
1.カード裏面に必ず署名をしておく
クレジットカードの裏面には、必ず「署名欄」というものがあります。クレジットカードが発行されたら、まずはこの署名欄にサインをしておきましょう。
お店では署名欄のサインと、伝票のサインとを見比べてサインが一致しているかをチェックしているので、無記名では誰のカードが分からなくなってしまい、お店で利用を断られるケースもあります。
また、盗難された時にカードが無記名だと補償の対象外になってしまいますので、必ず忘れずに記入することが必要です。
2.暗証番号は推測されにくいものを
クレジットカードの暗証番号は、誕生日や自宅の電話番号など身の回りの情報から推測されにくいものに設定することが規約で定められています。また、暗証番号をメモした紙を持ち歩くといった甘い管理はせず、情報が漏れてしまわないように注意が必要です。
暗証番号を設定するときは、他のカードと同じ番号などにはせず、それぞれ別の暗証番号を設定することも忘れないようにしてくださいね。
3.毎月の利用明細は確認必須
利用明細書が届いても面倒で確認しない、WEB明細書はわざわざアクセスして見ることがないという方は、ぜひ今後毎月の明細をしっかりと確認するように心がけてください。
というのは、利用明細はその名前通りいつ、どこで、いくら利用したのかという詳しい情報が載っているので、不正利用された時にすぐに気が付けるからです。
利用明細を確認せずに放置していると、不正利用に気がつかずに補償が受けられる期間が過ぎてしまったということもあり得ますので、カードを少額しか使っていなくてもきちんと確認するクセをつけてください。
4.盗難に気が付いたらすぐにカード会社に連絡をする
クレジットカードの盗難に気が付いたときは、気が付いた時点ですぐにカード会社に連絡して利用を止めてもらいましょう。
実はクレジットカードの盗難・不正利用の保険は、ほとんどの場合申し立て日から逆算して60日前までしか補償が受けられません。
そのため、盗難や不正利用に気が付いたものの、すでに3か月が経過しているといったケースは残念ながら補償の対象外になります。
いくらクレジットカードが安全といっても、管理を怠っていてはいけませんので、利用明細はこまめにチェックし、おかしいと思った時点ですぐに申し立てをすることが大切です。
5.SSLを利用したサイトでショッピングをする
SSLとは暗号化技術のひとつで、ネット上でのデータのやり取りの際にクレジットカード番号や個人情報、暗証番号などを暗号化して安全に取引ができるために導入されています。
大手のショッピングサイトのほとんどはこの「SSL」技術を利用しており、安全性が高く他人から情報を読み取られる心配がほとんどないと言えますが、中にはSSLを使用していないサイトもあり、その場合はカード情報がお店に盗み取られるリスクがあります。
SSLの暗号化技術を採用しているかどうかは、WEBサイトのURLに「鍵マーク」が表示されているか、もしくはURLの運営組織名部分が「緑色」になっているかで判断できます。
このどちらも確認できない場合は、安全性が確保されていない、もしくはフィッシング詐欺の可能性もあるので、十分に注意してください。
カード会社の安全対策は何がある?
クレジットカード利用時に自分でできる安全対策以外に、カード会社が行なっている安全対策にはどんなものがあるか一例を見てみましょう。
カード会社の安全対策
- オーソリゼーションでの監視
- ICチップ搭載カード発行
- カード決済端末のスキミング対策・クレジット売上票の工夫
1.オーソリゼーションでの監視
オーソリゼーションとは、クレジット決済端末に差し込んだクレジットカードが正常に利用できる状態かどうかをカード会社に確認することを指しています。
利用限度額のオーバーや支払い遅延、すでに無効(解約や盗難で停止手続き済みなど)になっている場合はカードの利用ができませんので、盗難されてすぐにカードの利用停止を申し込んだ場合は不正利用を未然に防ぐことができます。
また、オーソリゼーションを行うのと同時に、「普段と使い方が違うところはないか」、「突然高額の商品を買ったりしていないか」など、普段の利用とは様子が違うかどうかもチェック・分析されています。
そのため、普段は少額決済にしか使っていないカードが不正に高額商品の購入に利用された際などは、チェックにひっかかり、カード保有者へ連絡されて不正利用が発覚することもあります。
2.ICチップ搭載カード発行
ICチップを搭載したカードが多く発行されていますが、ICチップにはクレジットカードに関する情報が記録されており、スキミングでの磁気情報の読み取りの対策として非常に効果的です。
スキミングでは基本的に磁気情報しか読み取ることができないため、ICチップの入っている情報は盗み出すことができず、たとえスキミングを行おうとしてもなんの情報も得られないということになります。
加盟店のなかにはまだ磁気ストライプを利用したカード決済機を利用しているところもありますが、ICチップ対応の安全なカード決済機も国内外で普及してきていますので、海外旅行などで利用する際も安心できます。
3.カード決済端末のスキミング対策・クレジット売上票の工夫
先に紹介した2つの対策に比べると少し地味ではありますが、クレジットカードの不正利用を防止する対策として、クレジットカードの決済端末をスキミングするための「スキマー」と呼ばれる装置が取り付けできない構造にしたり、クレジット売上票にカード番号をフルで記載しない(一部を伏せ字にする)という工夫がされていたりします。
そのほか、クレジットカード会社のサーバなどに不正アクセスができないようにセキュリティを強化するなど、各社様々な対策を実践しています。
クレジットカード盗難時の注意点!キャッシングは補償の対象外
クレジットカードは盗難時に補償が受けられるというお話をしましたが、実は補償の「対象外」になってしまう不正利用があります。
現金をATMから簡単に借りられてしまう「キャッシング」は、不正利用する時には「クレジットカード」以外にも、「暗証番号」が必要になるので、キャッシングの被害にあったとしても、「暗証番号の管理が適切ではない」という理由で補償を受けられません。
キャッシングを普段全く利用しない、必要のない方は、こうした被害を防ぐためにもキャッシング利用可能額を「0円」に設定しておけば安心です。
安全なクレジットカードを選ぶには?
クレジットカードには様々な種類がありますが、その中から特に安全・安心と言えるカードを選ぶポイントを解説します。
- ICチップ搭載と明記されたカード
- 不安な場合は大手クレジットカード会社を
- 利用目的に沿って不正利用に強いカードを選ぶ
- 顔写真付きカードならお店での不正利用を防ぎやすい!
1.ICチップ搭載と明記されたカード
クレジットカードのスキミング対策として取り入れられている「ICチップ」ですが、残念ながら全てのクレジットカードがこれに対応している訳ではありません。
スキミング対策を万全にしたいのであれば、まず「ICチップ」をきちんと搭載しているクレジットカードの中から候補を選ぶようにしましょう。
2.不安な場合は大手クレジットカード会社を
クレジットカードを発行している会社はたくさんありますが、いずれもある程度のセキュリティ対策などは行なっています。
それでも不安がある、安心したいという方にオススメなのは、「大手」のクレジットカード会社から発行されているカードに絞り込むことです。
例えば、JCBカードや三井住友カード、MUFGカードなどはいずれも銀行系カードとして非常に有名で、かつセキュリティ対策もしっかり行なっていることで有名です。
大手じゃないから危ないという訳では決してありませんが、不安に思うくらいなら、安心感を得るためにも大手カード会社から選ぶのが良いでしょう。
3.利用目的に沿って不正利用に強いカードを選ぶ
インターネットでのショッピングにしかカードを利用しないなど、利用目的が決まっている場合はその利用先に強いクレジットカードを選ぶということもできます。
例えば、楽天カードは利用明細が届く前に、カードの利用があった際にメールでお知らせする機能がついていたり、インターネットショッピングに特化した不正あんしん制度を設けていたりと、「ネット利用」に強いクレジットカードです。
安全対策一つとってもこうした特徴のあるカードもありますので、利用先がインターネットに限定されるという場合は、ネットでの不正利用に強いカードを選択肢に入れてみてもいいですね。
4.顔写真付きカードならお店での不正利用を防ぎやすい!
三井住友VISAカードなどは、「顔写真付き」に対応しているクレジットカードを発行しています。
お店での決済時にサインがカードに記載してあるだけでは、そのサインを真似すればなりすましも可能ですが、顔写真がしっかりついている場合は店員さんも「別の人が使っている」とすぐに気がつくことができます。
そのため、店頭での不正利用の確率がグッと減りますので、対応しているカードはそれほど多くはありませんが、少しでも対策を万全にしたいという方は「顔写真付き」のカードがおすすめです。
特に安全度の高い信頼できるクレジットカード3選
クレジットカード会社によって、不正利用などに対するセキュリティや対策は異なります。
ここでは、カードの「安全面・安心面」において特におすすめの3枚をご紹介します。
三井住友VISAクラシックカード
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
1,375円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.4%~1.0% | 発行日数 | 最短3営業日 |
三井住友VISAクラシックカードは、初年度年会費無料、2年以降は1,375円(税込)の年会費(条件付きで無料にも)で持つことができるスタンダードなカードです。
VISAカードの国内でのパイオニア、かつ銀行系の老舗クレジットカードということで信頼面はばっちりですが、不正利用に対する対策やセキュリティ面に非常に力を入れていることで有名です。
例えば、三井住友VISAカード独自の対策としては「顔写真付き」のクレジットカードを発行しているというものがあり、希望者のみ顔写真がついたカードを発行することができます。
さすがに顔が全く違うのに利用してやろうと思う人間も少ないので、サインだけしかないよりも紛失や盗難の際にお店で不正利用される確率が低くなります。
そのほかにも、「ICチップ」を標準で搭載しているほか、不正利用の被害にあった時に被害額を補償する「VpassID安心サービス」も自動でついてきますので、いざという時には24時間年中無休で相談することが可能です。
安全面だけではなく、銀行系カードという「堅実さ」を求める方にもおすすめしたい1枚です。
JCB一般カード【JCB ORIGINAL SERIES】
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
1,375円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜5.0%※最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合 | 発行日数 | 約1週間でお届け |
JCB一般カードは、株式会社ジェーシービーが発行するプロパーカードの中で、最もスタンダードなカードです。年会費は初年度無料、2年目以降は1,375円(税込)とスタンダードカードとしては標準的な設定です。
年間50万円以上の利用とWEB明細書の申し込みがあれば、2年目以降も無料。金銭的にも持ちやすいカードです。
気になるセキュリティ面ですが、日本唯一の大手国際ブランドというだけあって妥協のない対策がしっかりしてあり、新しく更新するカードや新規発行カードには「ICチップ」を搭載しており、24時間体制でカードの不正利用がないかをチェックしています。
インターネットショッピングでの不正利用対策として、加盟店でのショッピングではパスワード要求で本人認証サービスがあるほか、スマートフォンアプリと連動した「ワンタイムパスワード」という1回限りしか使えないパスワードの導入などもしています。
日本ならではきめ細かいサービスと、安心できるセキュリティが魅力です。
MUFGカード・ゴールド
MUFGカード・ゴールドは、大手銀行の三菱東京UFJ銀行のグループ会社「三菱UFJニコス」から発行されている、年会費2,095円(税込)の「格安ゴールドカード」です。
MUFGカードは、スキミング対策のICチップ搭載や、不正利用が起こらないように24時間監視をする、いざという時には不正利用された金額を補償してもらえるといった「これはやっておいてほしい」という対策がしっかりされています。
特別にMUFGカードならでは、という対策はされていないものの、銀行系カードとしてしっかりと押さえるべきところを押さえているというイメージで、安心して利用できます。
安全性の高さはもちろんですが、国内の主要空港で対象の空港ラウンジが利用できるなど、その他のサービスもコストパフォーマンスが高くおすすめです。
まとめ
クレジットカードは使い方を間違えなければ安全
クレジットカードは安全かどうかがよく分からないから使わない、としていた方は、本記事を読んで印象が変わったのではないでしょうか。
盗難のリスクは現金と変わりませんが、いざ不正利用されてしまった時にはほとんどの会社で損害額の「補償」が受けられますので、現金よりも損をする確率は低いと言えます。
ただし、普段から利用明細をチェックするなど自分でできる安全対策を怠れば、不正利用に気がつかずに被害に遭ってしまうこともありますので、クレジットカード会社のセキュリティだけに頼るのではなく、自分ができることをしっかり行いましょう。
クレジットカードは正しく利用すれば現金以上の「安心・安全」な決済手段ですので、知識をきちんと持って上手に活用してくださいね。
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