流通系クレジットカードとは?特徴やメリットを徹底解説!
クレジットカードを分類するのによく使われる「流通系」という言葉ですが、クレジットカードに詳しい人でなければ言葉を聞いても一般的な特徴などはあまりピンとこないのが普通です。
今回は、そんな流通系クレジットカードについて、特徴やメリット、注意点などを徹底解説していきます。流通系クレジットカードについてしっかり理解し、自分に合ったカード選びの参考にしてくださいね。
流通系クレジットカードとは?
流通系クレジットカードとは、ざっくりいうとイオングループのような大型ショッピングモール、デパート、量販店など「流通業界」に属する会社・グループから発行、もしくは提携しているクレジットカードの総称です。
分類としてほかには銀行系、交通系、航空系、信販系など様々な発行元があるなかで、種類も多く人気が高いクレジットカードが集まっているカテゴリです。
基準ははっきり決まっているわけではない!
基本的には「発行元が小売り関係の会社=流通系クレジットカード」という認識で問題ありませんが、中には「楽天カード」のように、厳密にいうと発行しているクレジットカード会社が楽天グループの「信販系会社」というカードも存在します。
そういったカードは、状況に応じて「流通系カード」と呼ばれたり「信販系カード」と呼ばれたりしますので、実は厳密な区分けはされていません。
ですので、ざっくりと「小売りに関係しているカード」が流通系クレジットカードとしておけば良いでしょう。
流通系のおすすめクレジットカード3選
数ある流通系クレジットカードの中でどんなカードを選んだら良いかわからないという方向けに、ここではおすすめの流通系クレジットカードを3枚ご紹介いたします。
イオンカード
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%~1% | 発行日数 | 約2週間 |
イオンカードは、日本で最大手のショッピングモール、スーパーなどを経営している「イオングループ」から発行されているクレジットカードです。
年会費は無料で、イオングループをよく利用する主婦層を中心に幅広く人気を集めています。
イオンカードの最大の特徴は、「イオングループ」で利用するなら最もお得になるカードという点です。
イオンユーザーなら必携の特典内容!
通常、独自ポイントである「WAON POINT」の還元率は0.5%(200円で1ポイント)ですが、イオングループの対象店舗でカードを使うか、もしくは毎月10日の「AEONCARD Wポイントデー」でカードを(イオングループ以外でも)利用すれば、ポイントが2倍の1.0%付与されます。
還元率1.0%というと他社の高還元率カードとあまり代わり映えがしないと感じるかもしれませんが、毎月実施される「お客様感謝デー」はイオンの対象店舗でイオンカードを提示・もしくは利用すれば「5%オフ」の特典が受けられます。
イオンカードの特典は、提示だけでも「現金払い」や「ギフトカード・商品券」なら適用が可能ですが、イオンカード提示で割引を受けた上で他社カードを使って決済することはできませんので、実質的にイオングループで使える最もお得なカードは「イオンカード」と言えます。
全国的にも店舗が多く、流通系カードとしての使いやすさは抜群ですので、「イオングループ」をよく利用する方におすすめです。
MICARD(エムアイカード)
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
550円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%~ | 発行日数 | 1週間程度 |
MICARD(エムアイカード)は、百貨店である「三越伊勢丹グループ」から発行されているクレジットカードで、三越伊勢丹グループの会員カードとしての機能も持っています。
年会費は初年度無料、2年目以降は550円(税込)必要です。
普通のお店で利用する際はポイント還元率0.5%(200円につきMIポイント1ポイント)ですが、三越伊勢丹グループ百貨店でお買い物をすれば最低でも1.0%、年間利用額に応じて最大10%ものポイント還元が受けられますので、常時10%オフで百貨店を利用できると考えると非常にお得です。
定価販売が基本の百貨店でお得に買い物ができるカード
一品3,000円以上の食料品・レストラン・喫茶を除く商品なら、前年の利用金額にかかわらず「5%」はポイント還元されますので、金額は多くなくても頻繁に三越伊勢丹グループを利用する方なら持つ価値はあります。
貯まったエムアイポイントは、1ポイント=1円として1円単位で三越伊勢丹グループのお買い物に利用できるほか、マイルなどの提携ポイントとも交換可能なので、使い道には困りません。
他にも、レストラン予約サイトとして人気の一休.comなどを利用できるなど様々なサービスが用意されており、年会費を支払っても十分な価値があります。
ファミマTカード
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜2.0% | 発行日数 | 最短2週間 |
ファミマTカードは、大手コンビニエンスストアチェーンである「ファミリーマート」発のクレジットカードで、共通ポイントのVポイント・ファミマ利用者におすすめの1枚です。
年会費は永年無料で、Vポイントカード一体型になっているためファミリーマート以外のVポイント加盟店でも「提示」だけでTSUTAYAをはじめとする多くの加盟店で使える「Vポイント」を貯められます。ファミマでは、提示・決済で合計2.0%もの高還元率です。
基本の還元率はクレジットカード利用時に0.5%、Vポイント加盟店なら提示でさらに0.5%の合計「1.0%」ですので、一般的なクレジットカードの還元率とさほど変わりません。
審査難易度もやさしめになっているので、専業主婦やアルバイトといった方でも気軽に申し込める、ユーザーに優しいカードです。
流通系クレジットカードの特徴
流通系クレジットカードと一言でいっても、各社様々な工夫をしているので特徴が異なります。その中でも、流通系カードの多くに「共通する」特徴を3つ解説します。
流通系クレジットカードに共通する特徴
- 特定のお店や流通系グループなどから発行されている
- 発行元関連に特化したサービスが多い
- 若者や主婦層をターゲットにする傾向がある
1.特定のお店や流通系グループなどから発行されている
先に紹介した内容と一部共通しますが、流通系クレジットカードは基本的に「特定の」お店やグループから発行されています。
例えば、イオングループなら「イオンカード」、楽天グループなら「楽天カード」といったように、各流通系会社がユーザーにショッピングをより積極的に楽しんでもらう目的で発行されていることが多いと言えます。
特定の流通系の会社から発行されているので汎用性はやや低いカードも多い印象ですが、その分発行元のサービスを利用しやすくなっているなど「ユーザーに嬉しい」工夫がされています。
2.発行元関連に特化したサービスが多い
流通系クレジットカードはその発行元で買い物をたくさんして欲しい、という目的で発行されているため、基本的には発行元で利用することで多くのメリットが受けられる付帯サービスが用意されています。
例えば、あるスーパーと提携しているクレジットカードを作ったとすると、サービス内容としてはそのスーパーでしか利用できないような「割引」や「プレゼント」などのサービスが多いと考えましょう。
特化したサービスが多い分発行元のお店をよく利用するユーザーにはありがたいですが、それほど発行元を利用せず、どちらかというと汎用的に使いたいというニーズには合わないカードもあるので注意が必要です。
3.若者や主婦層をターゲットにしている傾向がある
流通系クレジットカードの発行元はざっくりいうと「お店」ですので、ターゲットとなるのはそのお店をよく利用する・利用して欲しい層です。
ショッピングを積極的に楽しむ層と言えば、「主婦層」もしくは「若年層」が多いので、流通系クレジットカードの多くは主婦や若者にウケがいいようなサービス内容が多く見られます。
また、クレジットカードの中には「本人に安定した収入があること」が条件となっているカードもありますが、流通系クレジットカードは主婦層を取り込むためにそういった条件を設けておらず、主婦や学生でも作りやすくなっているという特徴もあります。
銀行系クレジットカードや信販系クレジットカードは少し敷居が高いと感じる方でも作りやすいカードが多いので、初めてカードを作る方、クレヒス(=クレジットヒストリー、信用情報)を磨きたい方にもおすすめできるカテゴリです。
流通系クレジットカードのメリット
ここでは、流通系クレジットカードに共通するメリットを2つ解説します。
流通系クレジットカードに共通するメリット
- 割引やポイント還元率が魅力
- 年会費が安く維持しやすい
1.割引やポイント還元率が魅力
流通系クレジットカードの多くは、発行元のお店で「割引」や「ポイント還元」を受けることができます。
ポイントの種類はカードによりますが、一般的なクレジットカードのポイント還元率が「0.5%」程度なのに対して、流通系クレジットカードを発行元の店舗で利用すると「1.0%〜」といった高いポイント還元率になるというケースもあります。
ポイント還元率ではなく、単純に「常時5%割引」などの割引サービスを実施しているカードやお店もありますが、共通して言えるのは発行元のお店を「お得」に利用できるようになっているということです。
中には楽天カードのように、発行元でお得になるのはもちろん、どのお店で利用しても基本的には「1.0%以上」の還元率を誇るカードもありますので、特定のお店だけではないサービスを求める方はそういったカードを選択肢にいれてもいいですね。
普通のカードより何倍も得するケースも!
例えば、特定のお店で使った時にポイント還元率が「3.0%」になるカードがあったとして、そのお店で年間50万円の買い物をすると、還元されるポイントは50万円×3.0%=15,000円相当です。
一方で、普通のクレジットカード(ポイント還元率0.5%)で同じ買い物をしても、ポイント還元は50万円×0.5%=2,500円分にしかなりません。
そうなると、単純計算で流通系カードを使った場合の方が「6倍」もお得になりますので、どう考えても利用頻度が高ければ発行する価値はありますよね。
ここでは極端な例を紹介しましたが、実際にお得になるカードが多いのは事実ですので、自分が本当によく使うお店から発行されているカードがある場合は、ぜひ申し込みを検討してみてくださいね。
2.年会費が安く維持しやすい
流通系クレジットカードの一般カード(スタンダードなカード)の多くは、年会費が「無料」もしくは「格安」に設定されているものが多くあります。
理由としては、そもそもクレジットカードを発行することで発行元のお店を積極的に利用してもらう目的があるので、年会費が安くてもお店でお買い物をしてもらえばメリットがあるからです。
年会費が安いとサービス面が心配になるかもしれませんが、流通系クレジットカードは年会費無料でも「ポイント還元率」が高いなど、基本的にしっかりと独自のサービスがついています。
逆に言えば付帯保険などの「汎用性の高さ」はあまり充実していないカードももちろんありますが、多くの流通系カードは特定の目的だけで発行するなら十分の機能をもっていると言えますので、お買い物がお得になる格安のカードが欲しいなら「流通系」が狙い目です。
流通系クレジットカードの審査難易度は?
年会費も安くお得に買い物ができるというメリットが多い流通系クレジットカードですが、実は「審査難易度」もそれほど難しくない「作りやすいカードジャンル」でもあります。
というのは、先の章でも触れたように流通系クレジットカードはメインターゲットが「主婦層」や「若者」など、お買い物をよくする層に絞っていることが多いので、審査難易度を上げてしまうとそういった層のカードホルダーを確保できないからです。
流通系クレジットカードは「作ってもらう」だけではなく、「お店で使ってもらい、収益を上げる」ことが目的ですから、比較的審査難易度をやさしくして作りやすい環境になっているということですね。
主婦やアルバイト・パートでも作りやすい!
基本的にはクレヒス(信用取引に関する記録)に、過去の借金やクレジットカードの利用額を長期滞納したり、債務整理などの金融事故を起こしていたりという「問題」がなければそれほど審査を心配することはありません。
とはいっても流通系クレジットカードでも「ゴールドカード以上」などステータス性が高いカードは独自の審査基準を設けていることが多いので、専業主婦やアルバイトでは難しいケースもあります。
同じ流通系カードでも、カード会社やカードの種類によって審査難易度は変わってきますので、基本的には「作りやすい」カードが多いカテゴリですが、気になるカードがある方はそのカードの審査難易度を個別にチェックしておくと良いでしょう。
流通系クレジットカードの注意点
お得につられての「作り過ぎ」に注意
お得で持ちやすい流通系クレジットカードですが、流通系カードは「年会費が安い」という特徴があるので、ついつい「お得だから」と作り過ぎてしまう方がいます。
いくら年会費が無料であっても、いく先々でどんどんカードを増やしていけば管理がしづらくなってしまい、結果的に「紛失」や「使いたい時に所持していなかった」など、残念なことになりかねません。
ショップカード感覚で作ると本当にほしいカードで審査落ちする可能性も
流通系クレジットカードを作る際は、本当に日々の生活の中で使い機会が多いのか、自分の生活スタイルに合っているかを吟味し、「本当に使う」カードだけに絞りましょう。
カードの枚数としては、多くてもメインカードとサブカード合わせて2〜3枚程度に抑えておくと、管理がしやすくなります。
クレジットカードをたくさん作りすぎると「クレヒス」にもその記録が残り、本当に欲しいカードの申し込み時に与信枠が足りず審査落ちするといったケースも考えられますので、くれぐれも「作り過ぎ」には注意してください。
まとめ
流通系クレジットカードは、発行元のお店で特にお得になるサービスや割引が受けられるほかに、年会費が安く比較的作りやすいという特徴がありますが、細かなサービス内容やお得度は各社様々です。
お得で年会費が安いためついつい何枚も作りたくなってしまうとは思いますが、実際の自分の生活と照らし合わせて「本当に必要かどうか」をきちんと見極め、作り過ぎないように気をつけましょう。
自分がよく利用するお店のカードを作れば節約にもつながりますので、ぜひ自分のニーズに合った1枚を見つけてお得にショッピングを楽しんでくださいね。
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