国際ブランドの5つの特徴まとめ~クレジットカード利用前に知っておこう
クレジットカードを発行する時には、どの国際ブランドを発行するか悩んでしまうことでしょう。この記事では、最大手のVISAに代表される5大国際ブランドと呼ばれる、クレジットカード会社の特徴を詳しく解説していきます。
それぞれの国際ブランドには特徴があり、どのクレジットカードが良いのか、便利に使えるのか、などをまとめて説明していきますので、発行の際の参考にしてみてくださいね。
クレジットカードの5つの国際ブランドとは
では早速国際ブランドについてみていきましょう。そもそも国際ブランドとは、一体どのようなものを指すのでしょうか。
国際ブランドについて
まずクレジットカード初心者に向けて、国際ブランドについて説明します。クレジットカードには「VISA」や「JCB」などの会社のロゴマークが記載されているのですが、これらのクレジットカード会社のことを国際ブランドと呼んでいます。
国際ブランドと呼ばれている理由は、世界中で24時間クレジットカード決済を行えるからです。また、セゾンカードやニコスカードなどは日本の国内ブランドとなり、日本国内でのみ決済が利用できます。しかし、一般的には国際ブランドのクレジットカードがほとんどなのですが、もし見慣れないブランドのロゴマークが付いているカードの場合は国内ブランドの可能性もあるので、発行の申請をする前に確認してみましょう。
5つの国際ブランド
実際にどのような国際ブランドがあるのか、まとめてみましたのでチェックしていきましょう。
- VISA
- MasterCard(マスターカード)
- merican Express(アメリカン・エキスプレス)
- Diners Club(ダイナース・クラブ)
- JCB
それぞれの国際ブランドを詳しくみていきます。
VISA
クレジットカードを持ったことがない人でも「VISA」という名前は聞いたことがあると思います。クレジットカードの世界シェア率1位で、会員数およそ18億人(延べ人数で、複数持ちの会員も含む)、加盟店は世界200カ国以上で4,000万店ものお店で利用できる、最も有名なステータスを持つ国際ブランドとなります。
クレジットカードと言えば、「VISA」とすぐに思いつく人も多く、加入者数、利用店舗数の多さから分かるように、世界中の利用者から支持されています。また、クレジットカードを複数枚所有している人は、VISAカードを確実に1枚は所有しているのではないでしょうか。
長い歴史もあり、1958年にバンク・オブ・アメリカが設立した「BANK AMERICARD」がVISAの前身のクレジットカード会社です。その後の1976年に「Value International Service Association」のアルファベットの頭文字を取って「VISA」という名前に社名が変更されました。
ちなみにVISAは、アメリカのカリフォルニア州のベイエリアに本社があります。ベイエリアには、GoogleやFacebook、Appleなど、世界の最先端の技術を開発しているIT系企業の本社が一同に集まっています。現在はフィンテック革命からキャッシュレス化への動きもあり、巨大IT系企業が集まる中心地に本社を構えるVISAから、新たなクレジットカードのサービスが生まれることも期待できます。
MasterCard(マスターカード)
MasterCardは、VISAに続く世界シェア2位のクレジットカード会社です。1966年にVISAの前身となるバンク・オブ・アメリカに影響を受けたチェース・マンハッタン銀行が中心となりInterbank Card Associationが設立されました。その後、マスターチャージ、マスターカード・インターナショナルなどへ社名の変更などを経て、現在に至ります。
加盟店数も多く、VISAと同じく4,000万店に迫る店舗で利用できます。ちなみに2016年には、約20年ぶりにマスターカードのロゴマークが変更されました。以前のデザインよりもスッキリとシンプルになり、かっこよくなったと評判も高いです。
American Express(アメリカン・エキスプレス)
「ステータスカード」として、ハイクラスの人に人気のアメリカン・エキスプレス(通称アメックス)です。アメックスはVISAやMasterCardに比べても歴史が長く、1850年にニューヨーク州で設立されました。1850年は日本では嘉永3年となり、なんと江戸幕府が日本を統治していた江戸時代にまで遡ります。設立当初からクレジットカードを発行していたのではなく、世界で初めて郵便為替を発行したり、トラベラーズチェックを発行したりしていました。日本への進出は1917年にはじめて横浜に事務所を開設し、1954年にはアメリカン・エキスプレス銀行東京支店が作られました。
その後1958年に初めてアメリカン・エキスプレス・カードが発行されました。歴史を紐解いていくと、世界シェアが高く最も認知度のあるVISAよりも、古い歴史があるなんて面白いですよね。
また、会員数は8,000万人ほどと言われています。日本ではVISAやMasterCard、JCBなどに比べて若干加盟店数は少ないのが難点なのですが、ステータスの高さから日本でもセレブ層に人気があります。クレジットカードを利用しているみなさんが一度は憧れるステータスカードと言えるでしょう。
Diners Club(ダイナースクラブ)
Diners Clubは1950年に生まれたクレジットカード会社です。Diners Clubは設立のきっかけが大変おもしろいので、皆様にもご紹介しましょう。
Diners Club設立のきっかけとなったのは、1950年のアメリカのレストランです。実業家のマクナマラがレストランでの食事を終えた頃に、財布を忘れてきたことに気づき、家にいる妻に電話をしてあわてて現金を届けてもらいました。なんとか支払いは済ませたものの、恥ずかしい思いをしてしまったマクナマラは、今後このようなことが起こらないようにと、友人である弁護士のシュナイダーに相談します。
そこで、二人が1万ドルずつ出しあって、現金がなくともツケ払いできるように、食事のできるクラブを作りました。もちろんその名前が「ダイナース」クラブです。カードを持っていれば、それが「顔」となって現金を持ち歩かずに食事ができるクラブが誕生したのです。なんとも興味深い話ですよね。
ひょんな事がきっかけになって、現在ではアメックスに並ぶステータスの高い国際ブランドにまで成長しています。もちろんダイナース発祥の歴史からも分かるように、このカードの特徴は「レストラン利用」にあります。これは後の項目で詳しく紹介していきましょう。
日本での加盟店数もアメックス同様にVISAなどと比べると少ないのですが、JCBとの提携を行っているので、そこまで使いにくいカードではありません。ただし、JCB加盟店だからと言っても、すべてのお店で利用できるわけではないので、発行する際には十分に気をつけましょう。クレジットカードの2枚目、3枚目に「ステータスカード」としての利用方法がおすすめかもしれませんね。
JCB
日本の国内ブランドで、唯一の国際ブランドとなります。もちろん日本では最も使いやすいクレジットカード会社と言っても過言ではないでしょう。JCBの歴史は1961年に設立された「株式会社日本クレジットビューロー(JCB)」から始まります。1978年には、会員数が253万人程度となっていたのですが、さらなるブランドイメージ、認知度の向上のために、「JCB」へと社名変更しました。
国際ブランドとしては、日本のバブル時期にあたる1981年に、日本人の海外への渡航者が増えているタイミングで、国際ブランドを展開しはじめました。2014年の会員数は8,400万人で国内6,700万人、国外1,700万人もの利用者がいます。世界シェア5位となっており、日本が誇る唯一の国際ブランドにまで成長しています。
中国銀聯カードやディスカバーカードも登場してきている
現在では、中国の国際ブランドである「中国銀聯(ちゅうごくぎんれん)」やアメリカの国際ブランドである「DISCOVER(ディスカバー)」なども登場しています。中国銀聯は、中国バブルの影響もあり、取引額は現在第3位にまで上昇しています。日本でも中国人観光客へ向けて、利用できる店舗も増えてきていますよね。
中国銀聯カードがこんなにも世界的に普及しているのは、中国の外貨持ち出し制限が大きく関与しています。申請無しでの持ち出し金額の上限は20,000元(約34万円/2021年6月30日現在)となっており、日本でブランド品などを爆買いする富裕層の中国人には少ない金額でしょう。このため、たくさん買い物をするためには中国国外でのクレジットカード利用が必須となっており、日本でもたくさんの店舗で中国銀聯カードが利用できるようになってきているのです。また、クレジットカードではないのですが、中国のLINEにあたるWeChatでのWeChatPayという新たな支払いサービスが可能な店舗も日本では増えつつありますよね。
これらの2つの国際ブランドはこれからも成長すると見られており、先ほどの5つの国際ブランドと併せて、クレジットカードの7大国際ブランドと呼ばれることもあります。
各社提供しているサービスが異なる
クレジットカード各社の特徴をまとめてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。どの国際ブランドも歴史があり、とても興味深いものだったと思います。
では、国際ブランドによって付帯サービスに違いはあるのでしょうか。先ほど少し紹介した「ダイナースクラブ」から紹介していきましょう。
レストランを無料利用できるクレジットカードもある!
ダイナースクラブ設立の理由ともなった「レストラン」の一件ですが、現在の『ダイナースクラブカード』(年会費24,200円(税込)/還元率0.4%:100円で1ポイント=0.4円相当)でも、レストランに由来する大変お得なサービスが提供されているんです。
ダイナースクラブ会員になると利用できる「ダイナースクラブ エグゼクティブダイニング」が、そのお得なサービスの名称です。このサービスを利用すると、「2名以上でレストランを利用した場合、コース料理が1名分無料」となるんです。また「6名以上の利用では2名分のコース料理が無料」となります。
日本国内の利用可能店舗は330店舗以上あって、どれも高級店ばかりです。コース料理がおよそ10,000円前後〜25,000円までのお店ばかりで、どのお店を利用するか悩んでしまいそうですよね。しかし安心してください。利用回数の制限は設けられておらず、会員であれば何度でも利用できるのです。(ただし同じ店舗の場合は、6ヶ月間で1回の利用制限あり)
年会費 (初年度) |
24,200円(税込) | 年会費 (2年目) |
24,200円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.40%〜0.416% | 発行日数 | カード到着まで2~3週間ほど |
ダイナースクラブは年会費が24,200円(税込)と高額なクレジットカードになりますが、その付帯サービスでの還元を利用するためにも、ぜひ所有してみたい憧れのカードです。
アメックスではプライオリティ・パスのVIPラウンジを提供している
アメックスのゴールドカードでは、「プライオリティ・パス」という世界中の空港に1,000ヶ所以上あるVIPラウンジを利用できます。通常のゴールドカードでは、空港ラウンジが無料利用できるのですが、このプライオリティ・パスは空港ラウンジの中でも最高峰クラスのラウンジのことです。金額で表すと、一般の年会費が99ドル〜399ドルと高額な年会費となっていることから、そのラグジュアリー感が分かるでしょう。クレジットカードを発行するだけでこんなにもお得な還元が受けられるのは、大変メリットが大きいのではないでしょうか。
また、各国際ブランドが提供している付帯サービス以外にも、クレジットカード発行会社が提供している優良なサービスもたくさんあります。ぜひ、さまざまなクレジットカードの付帯サービスを比較検討してみるのも楽しいですよね。
どの国際ブランドがおすすめ?
クレジットカードを発行を考える場合、どのクレジトカードにするか悩んでしまうと思います。選び方のヒントをまとめていきますので、ぜひチェックしてみてください。
国内利用で考えるなら断然JCBがおすすめ
国内利用をベースに考えるのであれば、国内唯一の国際ブランドである「JCB」がおすすめです。審査基準も緩やかで、最も発行しやすいのは、クラシックカードの『JCB一般カード【JCB ORIGINAL SERIES】』(年会費1,375円(税込)※オンライン入会で初年度無料/還元率0.5%:1,000円で1ポイント=5円相当)です。しかしながら、JCB自らが発行するプロパーカードとなっているので、社会的な信用度も高いのが特徴です。
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
1,375円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜5.0%※最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合 | 発行日数 | 約1週間でお届け |
またJCBブランドであれば、国内のほとんどの店舗で利用できるので取得しておいて損はないでしょう。使いやすさで選ぶなら、断然JCBをおすすめします。
ステータスで選ぶならアメックスが国際ブランド最高峰
「ダイナースクラブ・カード」も高いステータスを誇っていて、分かる人には分かる一枚となっているんですが、一般的にはそこまで普及していないクレジットカードです。
社会的なステータスの高さで選ぶとすれば、アメリカン・エキスプレスをおすすめします。アメックスグリーンと呼ばれる『アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)』(年会費13,200円(税込)/還元率0.333%:100円で1ポイント=0.333円相当)では、年会費が13,200円(税込)とお手頃価格ながら、渋さが光る優秀なステータスカードと言えるでしょう。付帯サービスも海外旅行時に便利に利用できる「旅行保険」や「手荷物宅配サービス」などのサービスが優れています。
年会費 (初年度) |
13,200円(税込) | 年会費 (2年目) |
13,200円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.4%〜1.0% | 発行日数 | 最短15営業日 |
しかし、日本国内ではどの店舗でも利用できるわけではなく、体感的に8割ほどの店舗で利用できるので、JCBやVISAなどのカードを持っている場合の2枚目の「ステータスカード」として所有するのがおすすめです。もちろんステータスが高いので、例えば得意先への接待時や女性とのデート時など、様々なシーンでの切り札となるでしょう。
まとめ
国際ブランドによって様々な歴史があり、付帯サービスが異なる
さて、今回は国際ブランドについて紹介していきました。様々な特徴、歴史、付帯サービスの違いがあり、興味深かったのではないでしょうか。
どの国際ブランドであっても利用シーンによっては、最大限に利用・活用できるでしょう。また付帯サービスを利用するために、少し年会費が高いステータスカードの取得を検討してみても良いかもしれません。かならず年会費以上のメリットを感じられる、素敵な一枚となってくれるでしょう。
ぜひこの記事をよく読んで国際ブランドをよく理解するとともに、クレジットカードの面白さや楽しみ方も見つけてみてくださいね。
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