マイルとポイント、貯めるならどっち?違いを知ってクレジットカード選びに役立てよう
クレジットカードによって異なるポイント還元システムには、特徴でざっくりと分けると「ポイント」と「マイル」があります。
メインカードで貯めるポイントとして、マイルとポイントどちらが良いか迷っている方もいると思いますが、判断材料がなければ決めかねてしまいますよね。
今回は、ポイントとマイルの特徴やメリット・デメリット、それぞれに向いている人の特徴などを解説します。どちらがよりメリットが多いか迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
マイルとポイントは特徴が違う!人によって「おすすめ」は変わる
クレジットカードのポイント還元システムとして、航空会社の共通ポイントとも言える「マイル」と商品や他社ポイント・ギフトカードなどに交換できる「ポイント」はそれぞれおおまかな特徴が異なり、はっきりと「どちらが良い」とは言えません。
どちらにもそれぞれ良い面も悪い面もありますので、当たり前かもしれませんが、「人によって合うかどうかは変わる」と言えます。
とても簡単に言ってしまえば、航空会社のサービス(航空券、座席のグレードアップなど)に全く興味がない方はポイントがおすすめで、マイルを貯めるのは向いていませんし、特典航空券などを発行してお得に旅行を楽しみたいという願望があるなら(さらに、マイルをしっかり貯められるなら)マイルがおすすめです。
このように、ポイント(マイル)の貯め方や、「貯めた後の使い道」によってオススメ度は異なりますので、まずは自分が貯めたポイントやマイルをどう活用したいかを考えた上で選ぶようにしましょう。
マイルの特徴は?メリット・デメリットを解説
クレジットカード利用やフライトなどで貯められる「マイル」の特徴やメリット・デメリットは、次の通りです。
- マイルは交換先によって価値が大きく異なる
- クレジットカード利用以外でもマイルを貯められる(フライトなど)
- 有効期限が決められているケースも(国内航空会社は大手3年)
- 特典航空券に交換するために必要なマイル数が多い
- 特典航空券は数量が限られている
1.マイルは交換先によって価値が大きく異なる
マイルは使い方によってはとってもお得になるという知識がある方は多いと思いますが、実際にどれだけお得になるか知らない方もいると思います。
マイルは交換先によって大きく価値が変動するもので、低いと1マイル=1.0円を切ってしまいますが、高ければ10円以上の価値を生み出します。
そのため、マイルを上手に使いこなせない方にはあまり向かず、むしろそういった方はポイントを貯めた方が効率は良いと言えます。
マイルを上手に使いこなせる(高交換率の商品に交換して使える)ならポイントよりもマイルの方がお得になるケースが多いので、マイルをおすすめします。
航空会社のサービスをよく利用する方なら利用価値あり
マイルの価値が2円〜10円になる使い道は「特典航空券」への交換です。国内航空券では1マイルあたり約1.5円〜2円程度、国際航空券ではエコノミークラスで2円弱、ビジネスクラスは7円程度、ファーストクラスで15円程度(行き先によってそれぞれ前後します)の価値になります。
特典航空券以外の使い道では、座席のグレードアップ(1マイル=2円程度)、航空会社のポイント(1マイル=1.5円程度)がお得です。
それ以外となると他社ポイントや商品交換という使い道ですが、そういったものへの交換は1マイル=1円以下の価値にしかなりませんので、比較すると「価値が目減りする」と言えるでしょう。
2.クレジットカード利用以外でも貯められる(フライトなど)
クレジットカードなどで貯められるポイントは、カード利用をするか、ポイント提携店で買い物をするかなど「貯められるシーン」がかなり限られてきます。
一方、マイルはそういった「クレジットカード」、「提携店」以外の貯め方として、航空機の利用で貯める「フライトマイル」、マイルカードの継続利用などでもらえる「ボーナスマイル」など、貯め方のバリエーションがあります。
頻繁にフライトする方ならフライトマイルがどんどん貯まっていくので、ポイントをカード利用だけで貯めるよりも効率よく「マイル」を貯められます。
3. 有効期限が決められているケースも(国内航空会社は大手3年)
マイルは航空会社によっては有効期限が無期限となっていることもありますが、日本人が好む国内の大手航空会社「ANA」、「JAL」に関しては、同様に「3年間」と決められています。
有効期限が決められていると、毎年大量のマイルを貯められる方はいいですが、あまりたくさん貯められずに失効してしまうならおすすめできません。
目標を設定し、貯められる目処があるならマイルを貯めるメリットは大きいと言えますが、そういったプランがないならせっかく「マイルはお得!」とクレジットカードを作っても損をしかねませんので、よく考えて選択しましょう。
4.特典航空券に交換するために必要なマイル数が多い
特典航空券に交換するために必要なマイル数は、最低でも数千マイル単位になっているケースが多く、100円で1マイル貯めるとしても、クレジットカードの利用だけでは大量のマイルを貯めるのはなかなか厳しいですよね。
そうなると、フライトマイルやポイントサイトなどで貯めたポイントをマイルに変えて貯めるなどの他の手段がないと満足に活用できるだけのマイルが手に入りづらいことも考えられます。
マイルを貯められる手段があったり、クレジットカード利用額が大きかったりする方は気にしなくてもいいですが、特典航空券狙いでカード発行をしてもクレジットカード利用がほとんどないためマイルが貯まらず、気がついたら持っていたマイルも失効という結果にならないよう、「最低交換数」も意識しておく必要があります。
5.特典航空券は数量が限られている
マイルがその真価を発揮するのは「航空会社のサービスへの交換」の中でも「特典航空券」へ交換することだと解説しましたが、航空会社によっては特典航空券の枚数が限定されており、希望の時期にチケットを取るのが非常に困難ということもあります。
航空会社としても、利益を考えれば繁忙期(旅行客の多いシーズン)はきちんと正規の料金を支払ってくれるお客様を優先し、無料(マイル利用)で航空機に搭乗するお客様は減らすのは当たり前のことですよね。
そうした理由から、閑散期を狙ってチケットを取るなら比較的取りやすいかもしれませんが、繁忙期を初めから狙うなら厳しい面もあることを覚えておきましょう。
ポイントの特徴は?メリット・デメリットを解説
マイルの特徴がわかったところで、比較対象のポイントの特徴はどうなっているかを見ていきましょう。
- 様々なポイントに交換して使うことができる・汎用性が高い
- 有効期限が種類によって大幅に違う(1年〜無期限)
- 純粋な還元率が2.0%を超えることはほぼない(ボーナスポイントのぞく)
1.様々なポイントに交換して使うことができる・汎用性が高い
世の中にある「ポイント」には、そのまま「共通ポイント」としてお買い物に1ポイント=1円の価値で使えるものから、そのままの状態では使いづらい(商品交換などにしか使えない)ものまであります。
そのままで使いづらいポイントは、一般的に他社の使いやすいポイント(楽天スーパーポイントやdポイント、Vポイントなど)に交換したり、電子マネーなどに交換したりすることで、より使い勝手がよくなります。
ポイントの交換レートはポイントごとに設定されており、中にはやや損をしてしまうこともありますが、マイルの効果的な使い道が「航空会社関連」に限定されることを考えると、交換レートさえ良いものであれば好きなポイントやギフトカードに交換して使えるという汎用性の高さは魅力です。
2.有効期限が種類によって大幅に違う(1年〜無期限)
クレジットカードのポイントは、特徴としてカードやポイントの種類によって有効期限が大幅に違うことが挙げられます。
例えば、ポイント還元率の高さで有名な「オリコカード ザ ポイント」はポイント還元率1.0%以上と魅力ですが、有効期限は1年と短めの設定になっています。
逆に、ポイント還元率はさほど高くはないものの、「セゾンカード インターナショナル」のようにポイント有効期限が「無期限」、つまり永久に貯められる。好きなペースで貯められるというメリットがあるポイントもあります。
どちらも一長一短でこっちの方が絶対に良いということは言えませんが、ザクザクポイントを貯めてどんどん他社ポイントや商品交換に回したいなら前者、じっくり貯めて高額商品に交換したいなら後者が良いと言えるでしょう。
クレジットカードの利用にムラがあり、気がついたら希望の数量まで貯まる前にポイントを失効させた経験がある方は、断然還元率が低くても「有効期限の長さ」重視の選択をすべきです。
国内のマイルはこの「有効期限」が限られているので、どうしてもマイルがいいけれど有効期限が気になる方は、「有効期限の長い・無期限」のポイントを貯めて「マイルに変える」という手段もおすすめです(この場合、マイルへの交換レートが良いポイントを採用したカード選びが重要です)。
3.純粋な還元率が2.0%を超えることはほぼない(ボーナスポイントのぞく)
これはマイルと比べた「デメリット」ですが、マイルが国際線のファーストクラス特典航空券などに交換すると「1マイル=10円以上」の価値になるのに対し、ポイントはせいぜい「1ポイント=1円」程度にしかなりません。
ポイント還元システムによっては1ポイント=5円程度のものもありますが、そもそもそういったポイントは1,000円で1ポイント(つまり0.5%の還元率)というものなので、ここでは無視します。
普通にクレジットカードを使って得たポイントは、基本的に1円以上の価値になるケースはほとんどなく、良くても2円を超えることはありません。
ポイントモールなどでボーナスポイントがつけばそもそもの還元率が上がりますが、それはマイルでも同じことですので、結局はポイント還元率だけを考えると、フルに活用されたマイルよりやや価値が劣ってしまいます。
ただし、マイルも航空会社関連のサービスに利用したいならポイントと条件はさほど変わらなくなるので、マイルかポイントかを選ぶなら「航空会社関連サービス」を使うか使わないかも考慮してくださいね。
マイルを貯める・使うのが向いている人の特徴
マイルやポイントの特徴をまとめたところで、実際にマイルを貯める・使うのはどんな方が向いているかご紹介します。
- 「プラスアルファの贅沢」がしたい
- よく航空会社のサービスを利用する
- 有効期限までに最低交換数を貯められる
1.「プラスアルファの贅沢」がしたい
マイルの使い道としておすすめなのが「特典航空券」をはじめとする旅行会社のサービスですが、そういった使い方はどちらかというと日常生活をお得にするというよりもちょっとした「贅沢」に使われることが多いですよね。
しかも、特典航空券に申し込んで航空券が無料になっても、現地のホテル代などは別で支払いがあるので、結果的には節約しているようで「支出」にも繋がっています。
そういった意味で、「普段から海外にどんどん行っているのでどの費用を安くしたい」という方を除いては、マイルを貯めて節約というよりも「お金を多くはかけずに楽しみが増える」イメージですね。
2.よく航空会社のサービスを利用する
先に何度も触れているように、航空会社のサービスに利用するのがマイルのお得な使い道ですので、よく航空機に乗る方なら非常におすすめです。
航空券そのものに換えられなかったとしても、座席のグレードアップやその他関連サービスに対しても「マイル」もしくはマイルと交換できる「航空会社独自のポイント」を使えば一般的なポイントよりもお得です。
逆に言うと、航空会社のサービスに興味がない方には向いていません。
3.有効期限までに最低交換数を貯められる
意外と忘れがちなのが、国内の航空会社のマイルには「3年間の有効期限」があるということです。特典航空券でハワイに行きたい!などの希望があるなら、3年以内に希望のマイル数を貯められなければいけないということです。
ハワイ行きの特典航空券は、ANAのレギュラーシーズンなら40,000マイルで交換できます(JALも同じマイル数です)。
つまり、3年間に4万マイル、もっと言うなら夫婦で行こうとすると8万マイル貯める必要があり、100円で1マイル貯められるとしてもクレジットカードの利用だけでは3年間で800万円の決済が必要です。
生活費を全てクレジットカードで賄っていればこのくらいの金額になるかもしれませんが、そうでなければカード以外に「フライトマイル」やいわゆる「ポイントサイト」などを駆使しなくてはいけませんよね。
それを含め、マイルを貯められるプランがない方は、気がついたら交換前に失効していた・・・というケースも十分考えられるので、マイルはあまりおすすめできません。
ちょっと還元率が悪くてもマイルを希望したいというなら、まずマイルへの交換レートが比較的良い「期限が長い・無期限」のポイントを貯めて、マイルへ交換するという技も使えます。つまり、どちらにしても期間内にマイルが貯められないならポイントを選びましょうということですね。
ポイントを貯める・使うのが向いている人の特徴
マイルよりもポイントを貯める・使う方が向いているタイプは次のような方です。
マイル向きの方の説明と重複する情報があると思いますが、再確認という意味でご覧くださいね。
- 航空会社のサービスをあまり使わない
- 日々の生活を節約したい
- じっくりとポイントを貯めたい
1.航空会社のサービスをあまり使わない
航空会社のサービスをあまり使わないなら、ポイントを貯めた方がおすすめです。
マイルは航空会社サービスに利用しなければ本来の価値が下がってしまいますが、ポイントならそのまま1ポイント=1円として利用できる種類も多いので簡単に使えますし、比較的汎用性も高いです。
逆にいうと、航空会社サービスに興味がないのにマイルを貯めている人はあまりいませんよね。有効期限含め、ポイントの方が選択肢の幅が広く、より「自分に合った」ものを選びやすいと言えます。
2.日々の生活を節約したい
マイルが特典航空券などのサービスと交換する、つまり「サービス」と交換するのに向いているのに対し、ポイントの多くは「節約」つまり今までかかっていた生活費の一部をポイント(もしくはポイントで交換したギフト券など)で支払うのに向いています。
例えば、貯めているのが楽天スーパーポイントやdポイントなどの「共通ポイント」なら、日々のネットショッピングの支払いや提携店舗での支払いにそのまま利用できますよね。
そうでなくとも、映画鑑賞が趣味な方ならポイントを映画鑑賞圏に交換すれば普段映画に支払っているお金が「節約」できるので、総合して「節約志向」の方にポイントはおすすめです。
3.じっくりとポイントを貯めたい
ポイントは種類やカードごとに個別の「有効期限」が設定されており、国内航空会社の「マイル」よりも有効期限の長いものもたくさんあります。そのため、「じっくりと」、「マイペースで」ポイントを貯めたい方は、マイルを選ぶよりもポイントを選びましょう。
効率の面も考えても、共通ポイントを選べば(もしくは共通ポイントに交換できるポイントを選べば)、ポイントの提携店舗で貯めたポイントも合算して使えますし、二重取りが可能なので優秀です。
さらに、マイル向きの方を解説する章で触れたように「マイルを貯めたいけれど有効期限が・・・」という方でも、ポイントを貯めてマイルに交換するという方法もとれますので、とにかく「有効期限」重視でクレジットカードのポイント(マイル)を選ぶなら「ポイント」をおすすめします。
マイル・ポイントを貯めやすいクレジットカードはこれ!
マイルとポイント、ここまで読んだ方はどちらがより自分に合っているかがなんとなく分かってきたと思いますが、気になるのはそれぞれ貯めるのにおすすめのカードがどんなものか、というところではないでしょうか。
ここでは、マイルが貯めやすいクレジットカードとポイントが貯めやすいクレジットカードを簡単にご紹介いたします。
マイルは「還元率」と「貯めやすさ」、ポイントは「還元率」と「汎用性の高さ」でカードを選びましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
マイルには「JAL普通カード」
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
2,200円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%~1.0% | 発行日数 | 約4週間 |
JAL普通カードは、JALマイルを貯めたい方におすすめの「JALカード」の中でも最もスタンダードなクレジットカードです。
年会費初年度無料、2年目以降も2,200円(税込)と維持費もそれほど多くなく、ショッピングマイルプレミアム(年間3,300円・税抜)に加入すれば還元率は1.0%以上の高還元率カードになります。
直接マイルが貯められるので、日々の支払いをJALカードに変えるだけでどんどんマイルが貯められるほか、JMB(JALマイレージバンク)の会員証を兼ねているので、これ1枚あればフライトマイル・ボーナスマイルも集約できます。
JALマイルは直接貯められる店舗もあり、ANAよりも「貯める機会」が多いという意味でおすすめです。JALを利用したい方、直接マイルを貯めたい方はぜひ検討してみてください。
ちなみに、ANAを利用したい方は、ANA公式でマイルを貯めやすいANAカードを視野に入れて考えてみてくださいね。
ポイントには「Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)」
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | 1.0〜2.0% | 発行日数 | 最短8営業日 |
ポイントを貯める時におすすめなのが「Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)」です。こちらは年会費無料で常時1.0%以上の還元率のある「高還元率」でお得なクレジットカードで、さらに「ポイントの汎用性」が高いことで人気を集めています。
貯められるのはオリコカード独自の「オリコポイント」ですが、基本的にオリコポイントは他社ポイントやマイル、ギフトカード などに交換して使うことが前提となっており、多くの共通ポイントや他社ポイントに交換してもレートが下がりにくいのが特徴です。
一例を挙げますと、Amazonギフト券やVポイント、楽天スーパーポイントへの交換など使いやすい種類でも1,000オリコポイント=1,000円相当のポイントに交換できますので、価値が下がりません。
さらに、ネットショッピングならオリコモール経由で還元率がさらに上がりますので、決まったショップで常時2.0%、3.0%還元も夢ではありません。
貯めやすい、使いやすいポイントの決定版「オリコポイント」が貯められる「オリコカード」は、お得にポイントを使いたいけれどどのポイントが良いか迷っている方、もしくは状況に応じて様々なポイントを使い分けたい方に非常におすすめです。
まとめ|マイル、ポイントは自分に合っているものを選ぼう!
マイルやポイントはクレジットカードをお得に使いこなすには必ず貯めておきたいものです。
マイルは「航空会社」独自のサービスを利用したい方に、ポイントは日々の生活をより「お得」にしたい方に向いており、それぞれ特徴が異なるため一概にどちらが良いとは言えません。
最も良いのは、やはり自分がポイントやマイルを貯めて「何がしたいのか」、また、「有効期限内にそれが可能か」という点をチェックした上でカード・ポイント(マイル)を選ぶことです。
ぜひ、本記事を参考にしながら自分にぴったりのポイント制度があるクレジットカードを見つけてくださいね。
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