クレジットカードを複数持つメリット・デメリットを徹底解説!
クレジットカードを複数持ちしている方は非常に多く、株式会社ジェーシービーの調査によると2016年時点でのクレジットカード平均保有枚数はなんと「3.2枚」となっています。
つまり、クレジットカードを利用している方の多くはカードを3枚以上複数持ちしているということですよね。
今回は、上手に活かせばとても便利なクレジットカードの複数持ちについて、メリットやデメリット、審査時の注意点などを解説します。今からクレジットカードを複数枚持とうと考えている方も、既に複数持っている方も、より効率的な活用ができるようにぜひ参考にしてくださいね。
クレジットカードを複数持つメリット
クレジットカードを複数持つことで、大きなメリットが4つあります。
クレジットカードを複数持つ4つのメリット
- それぞれのクレジットカードの弱点を複数持ちで補える
- 国際ブランドを分ければ使い先の幅が広がる
- 1枚が使えなくなっても他のカードで決済ができる
- 上手に使い分けをすれば効率良く特典を受けられる
1.それぞれのクレジットカードの弱点を複数持ちで補える
クレジットカードを1枚しか所持していなければ、当然そのクレジットカードについている付帯保険やサービスしか利用することができません。
例えば、自分が持っているメインカードには「旅行傷害保険」がついていない、もしくは補償額が低いという場合でも、1枚しかカードを所持していないとどうしようもありません。
サブカードで付帯保険をカバーできる
クレジットカードを複数持っていればメインカードだけでは足りない付帯保険をサブカードについている付帯保険で補うことができますので、海外での病気や怪我などいざという時の保証があと100万円欲しい、という場合には自動付帯で100万円の怪我や病気に対応しているカードを探せば解決します。
1枚だけでは弱点ができてしまう場合でも、複数持ちをすることでそれぞれの弱点を補えるのはとても便利です。
2.国際ブランドを分ければ使い先の幅が広がる
クレジットカードの国際ブランドを分けることで、あるカードブランドが使えないお店でも、それ以外のカードブランドを持っていれば決済に使うことができます。
都心の方などではクレジットカードの国際ブランドが1種類しかないことで困るというシーンは少ないかもしれませんが、旅行先などで「VISA」か「MasterCard」しか使えないと断られるのは珍しいことではありません。
また、ちょっと特殊な例ですが、外資系スーパーマーケットの「コストコ」などは「コストコ」から発行されているオリコマスターカードか、もしくはアメリカン・エキスプレスカードしか使えません。
メインカードをVISAやJCBなど別の国際ブランドにしていても、複数所持しているカードのうちどれかが「アメックス」であれば問題なく使えますので、複数のカードを「国際ブランドを分けて」持つことは意外にメリットが大きいと言えます。
海外にいくなら1枚は「VISA」か「MasterCard」を
世界的に見て、最もシェアが大きいクレジットカードブランドは「VISA」、「MasterCard」です。
アメックスやダイナースクラブは一部の先進国やアメリカ国内ではよく使えるかもしれませんが、中には対応していない地域もあります。
海外旅行先では安全の面でもクレジットカードを使う機会が多くなりますので、いざという時の支払いに困らないために1枚は「VISA」もしくは「MasterCard」を持っておくのがおすすめです。
3.1枚が使えなくなっても他のカードで決済ができる
あまり聞くことはありませんが、落とした、折れたなどなんらかの理由でクレジットカードが使えなくなっても、複数のクレジットカードを持っていれば困りません。
複数枚カードを持っていれば他のカードで決済できるシーンでも、1枚しかもっていなければ、使えなくなったカードを再発行する、もしくは新たにカードを作るまでは現金で頑張るしか道がありません。
現金がすぐに手に入る(ATMがある)環境なら困りませんが、海外などで急にカードが使えなくなってしまっては目も当てられませんよね。
いざという時の「保険」という意味合いでも、クレジットカードは最低でも「2枚」は持っていると安心できます。
4.上手に使い分けをすれば効率良く特典を受けられる
先の章でも少し触れましたが、「普段使うカード」、「決まったシーンで使うカード」といったように複数のカードを使い分ければ、ポイントや割引などの特典を効率良く受けることが可能です。
基本的には「メインカード」と「サブカード」をしっかり決めて、普段は「メインカード」で効率良くポイントを集中させ、特定のお店では「サブカード」を使うといった分け方がおすすめです。
そのため、複数のカードを持つ場合は、どこで使っても良いような汎用性の高いカードと、特定の(かなり頻繁に利用する)お店の提携カードを用意するのが鉄板の組み合わせです。
クレジットカードを複数持つデメリット
クレジットカードを複数持つことで便利になる一方で、注意していないと「デメリット」も発生してしまいます。ここでは、複数持ちをする上でのデメリットを解説します。
クレジットカードを複数持つ2つのデメリット
- 枚数が多すぎると管理ができなくなってしまう
- 枚数が増えると1枚あたりの「利用限度額」を大きくしにくい
1.枚数が多すぎると管理ができなくなってしまう
便利な機能がついているからという理由でどんどんクレジットカードの保有枚数を増やしてしまうと「管理」が複雑になってしまい、結果的にそれほど得しないことも考えられます。
管理がしやすいおすすめの保有枚数は2?3枚程度で、この枚数なら持っているカードを全て財布にいれておくこともできますよね。
クレジットカードの枚数が「10枚」など多くなってくると、全てのカードを常に財布にいれておくのは難しく、入れていたとしてもどこにどんなカードがあったか忘れてしまいがちです。
そうなると、紛失や盗難にあっても「気がつかない」というトラブルにもつながりますので、発行するクレジットカードの枚数は自分が管理できる数だけにしましょう。
年会費にも注意しておかないと高額になることも
特定のお店で持っていると得するようないわゆる「流通系カード」などは年会費が無料?2,000円程度など比較的安く設定されているものが多いですが、それでも枚数が増えるにつれて年会費の負担は大きくなります。
ろくに使ってもいないカードばかりなのに、年会費を合わせると1万円を超えていたというケースも十分考えられますので、複数枚持つ際は年会費も頭に入れて、維持しやすい範囲にしておくのがおすすめです。
2.枚数が増えると1枚あたりの「利用限度額」を大きくしにくい
クレジットカードの所持枚数が増えてくると、「与信枠」の関係で後から作ったクレジットカードの利用限度額が小さくなってしまう、もしくは作れないということも考えられます。
クレジットカードを作る時に必ず受ける「審査」では、発行するかどうかの他に、「どの程度の利用限度額にするか」ということも当然チェックされています。
利用限度額を決める時には、まずその人の「クレヒス(信用情報)」を確認した上で信用できる人物かどうかを判断します。信用に問題がなければ、あとは年収などの「支払い能力」などを参考にして、利用限度額を決めるのに重要な「与信枠」が決定されます。
与信枠は、簡単に言うと「この人にいくらまでなら信用してお金を貸せるか」という金額のことで、算出された与信枠からすでに持っているクレジットカードの限度額合計を引いた金額が、新たなクレジットカードの「利用限度額」として設定されると考えてください。
つまり、カードが多ければ多いほど「与信枠」を圧迫してしまうので、どんどん作りづらくなる、もしくは利用限度額が極端に小さくなってしまうということです。
カードを保有しすぎると、メインカードの利用限度額をアップしづらくなる
一般的には、1枚のクレジットカードを長くコツコツと使えば「与信枠」が大きくなり「利用限度額」も徐々に成長していくのが普通ですが、与信枠が大きくなっても多すぎるクレジットカードを所持していると、結果的に他のカードの利用限度額に圧迫され、メインで使いたい(利用限度額を上げたい)カードの枠が成長しません。
海外旅行の決済などは高額になりがちですので、利用限度額が大きいカードが1枚あると心強いですが、何枚もカードを持ちすぎることでそれが難しくなることもあります。そうならないためには、不必要にカードを作り過ぎないのも大切です。
クレジットカードを複数持つ時の「審査」は通りにくい?
クレジットカードを複数枚持つ時にきになるのが「審査」だと思いますが、結論から言うと「支払い能力」と「クレヒス」にさえ問題がなければ、2枚目以降のカードだからといって審査落ちすることは基本的にありません。
問題になるのは「支払い能力」と「クレヒス」
1枚目のクレジットカードでも、2枚目以降のクレジットカードでも、見られるポイントは同じで、収入や勤続年数などの「支払い能力」、過去の信用取引に関する履歴である「クレヒス」の2つが特に重要です。
支払い能力があまり高くない方では、クレジットカードを複数持つことはカードの組み合わせによって厳しいかもしれませんが、流通系のクレジットカードは「主婦」など自分に収入がなくても審査に通るカードもありますので、選び方次第では難しくないと言えます。
基本的には、1枚目のクレヒスが良好で1枚目のカードと2枚目のカードのバランスを見て自分の状況(支払い能力など)に合っているカードにさえ申し込めば、それほど神経質にならなくても大丈夫です。
キャッシング枠をできるだけ「無し」に設定する
最後に、クレヒスや支払い能力に問題がない方がさらに審査通過をスムーズに通過するためにしておきたいのが「キャッシング枠」を無しにして申し込むという方法です。
通常のクレジットカードのお買い物は「ショッピング枠」で、現金を借りるのに使われるのが「キャッシング枠」です。
実は、キャッシング枠はショッピング枠とはちょっと異なり、貸金業法の「総量規制」つまり「年収の3分の1以上の金額を貸せない」という決まりがあります。
例えば、年収300万円の方なら、その3分の1の100万円までしかキャッシング枠は作れないということです。
総量規制はすべてのクレジットカードのキャッシング枠の合計にかかってきますので、キャッシング枠が100万円のクレジットカードが1枚あるだけで、もう他のカードではキャッシング枠は設けられません。
キャッシング枠に申し込みをしていると、そこがネックで審査が厳しくなることも十分ありますので、できれば2枚目以降のキャッシング枠は「0円」で申し込みましょう。
複数のクレジットカードを持つ上で「申込時」に注意したいこと
複数のクレジットカードを持ちたい方が2枚目、3枚目のクレジットカードのクレジットカードに申し込む際は、特に注意しておきたい点が2つあります。
クレジットカードを複数申込む場合の注意点
- 複数同時申し込みは避ける
- クレヒスはしっかり積んでおく
1.複数同時申し込みは避ける
新たに手に入れたいクレジットカードが複数枚ある場合でも、基本的には「1枚ずつ」かつ「間をあけて」申し込みをするようにしましょう。
クレジットカードの申し込み履歴は「クレヒス」にしっかり記録されますので、当然複数のカードに同時申し込みした場合、審査時にカード会社はその事実が分かってしまいます。
クレジットカードに複数同時申し込みをすると、クレジットカード会社からすると「せっかく発行しても使ってもらえないのでは」と捉えられてしまうか、最悪の場合「お金に困っているのでは」と疑われてしまいます。
複数のカードを同時に手に入れて貸し倒れしてしまうのはクレジットカード会社としても避けたいので、そのほかに問題がなくても審査落ちしてしまう可能性が高くなります。クレジットカードに申し込む際は、くれぐれも「複数同時」に申し込むのは避け、1枚ずつ申し込みをするようにしましょう。
万が一複数のカードに申し込みをして審査落ちしてしまった場合は、申し込みの記録が消える「半年後」に1枚ずつ再チャレンジすると失敗が少なくなります。
2.クレヒスはしっかり積んでおく
2枚目以降のクレジットカードに申し込む前に、まずは1枚目のクレジットカードをしっかりと利用してクレヒスを積んでおくのがおすすめです。
クレジットカードの審査において支払い能力と並んで大切になるのがクレヒスですので、1枚目のクレジットカードで延滞などを起こしていると、審査落ちの原因になってしまいます。
良いクレヒスはこつこつとクレジットカードを利用してきちんと返済しているということが大切ですので、2枚目以降のクレジットカード審査を有利に進めるためにも1枚目からしっかりとカードを使い込んでおくようにしましょう。
複数持ちにおすすめ!メリット多数のクレジットカード3選
クレジットカードの複数持ちをするなら、メインカードとサブカードという考え方が重要です。普段からメインとして使うカード、状況に応じて特定店でのみ「サブ」として使うカードという形でも持てば、使うときにも迷わずにすみます。
ここでは、メインカードにふさわしい「一緒に成長できるカード」、「汎用性が高くメインでもサブでも使いやすいカード」、「お得のチャンスがあり、サブカードとしてメインと国際ブランドを分けて備えやすいカード」という基準で、順番に3枚ご紹介します。
1.JCBゴールド
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
11,000円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜5.0%※最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合 | 発行日数 | 約1週間でお届け |
JCBゴールドは、言わずと知れた日本発では唯一の国際ブランド「JCB」から発行されているゴールドカードです。年会費は11,000円(税込)と、ほかの「プロパーカードをもつ国際ブランド」であるアメックスやダイナースと比較してリーズナブルになっており、さらに「利用状況に応じてランクアップ」していくところが一押しポイントです。
日本らしく細やかなサービスと、国際ブランドのプロパーカードにふさわしい充実の特典・サービス内容、手厚い付帯保険はメインカードにふさわしく、万人受けする、癖の少なく使いやすい仕様となっているのが特徴です。
ポイント還元率は基本0.5%とそれほど高くありませんが、年間の利用額に応じて、JCB STAR MEMBERS(スターメンバーズ)特典で最大1.7倍、つまり0.8%を超える還元率にもなります。
年間利用額や利用年数を重ねれば、さらに上のランクのカードへのインビテーションが届きますので、メインカードとしてじっくりと育てる楽しみのあるクレジットカードです。
2.Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)
Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)は、オリエンタルコーポレーションが発行する年会費無料のクレジットカードで、選べる国際ブランドはVISA、MasterCardとなっています。
このカードの特徴は、「ポイント還元率の高さ」と「ポイントの汎用性」にあり、メインカードとしてどんどんポイントを貯めるのにも、サブカードとしてここぞというときに高還元率カードとして利用するのもおすすめです。
基本還元率は1.0%と高くなっており、さらにオンラインショッピングならオリコモール経由で何倍ものポイント還元が受けられることもあります。
貯めたポイントは、各種電子マネーやポイント、もちろん商品交換などにも交換率をほぼ下げずに等価で利用できますので、そのとき利用したいサービスに対応した「ポイント」や「ギフトカード」へと交換して使うと効率が良いと言えます。
付帯保険などは一切ついていませんが、それでもこれだけのポイント還元率と汎用性ならば、「年会費無料のサブカード」として持っておいても損はありません。
クレジットカードにはとにかくお得と汎用性を求める、という方にこそおすすめしたい、シンプルに還元率が高く、ポイントの用途も幅広い使いやすい優良カードです。
3.ライフカード<年会費無料>
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜1.0% | 発行日数 | 最短3営業日 |
ライフカードは国際ブランドとしてVISA、MasterCard、JCBの3種類から選べる年会費無料のクレジットカードです。
本カードはメインカードとは別の国際ブランドを持ちたいとき、保険として普段は使わないけれどお得なサブカードを持っていたいという方にもぴったりです。
お誕生日付きは通常0.5%のポイントがなんと3倍の1.5%となり、ポイントモールのL-Mallを利用すると最大25倍ものポイントを獲得できます。
100円ごとに0.1ポイントが貯められるため、少額の決済でもこつこつ貯められます。ポイント有効期限も5年と長いので、例えば普段は保険としてメインカードと別の国際ブランドで発行して持っておき、お誕生日月やL-Mallで利用したいお店があった時などにしっかりと利用し、こつこつポイントを貯めて使うこともできます。
ポイントの交換先次第で、普段の還元率が1.0%相当になることもありますので、上手に使えば高還元率のお得カードとなります。
まとめ
クレジットカードは複数持ちで「賢く」活用しよう
クレジットカードを複数使い分けすることは、カードごとの弱点を補ったり、特典を効率良く受けられたりと多くのメリットがあります。
使い分けをすると便利だからと作りすぎてしまうのは管理が難しくなるなどのデメリットが生じるのでおすすめしませんが、支払い能力やクレヒスさえ問題がなければ、基本的には複数枚クレジットカードを持つことは難しくありません。
申し込み時の注意点も本記事でご紹介いたしましたので、クレジットカードを複数活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてより便利・お得なカードライフを送ってくださいね。
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