クレジットカード付帯の海外旅行保険の使い方!利用の流れと注意点
クレジットカードの海外旅行保険はついていると安心ですが、いざという時に使い方が分からなければ活用できません。
保険が付いていることは知っていても、具体的な利用方法までは知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は、
・海外旅行前にクレジットカードの海外旅行保険の使い方を知りたい
・実際に海外で保険を使いたいシーンがあり使い方の流れを知りたい
といった方のために、クレジットカードの海外旅行保険の使い方のほか、海外での保険利用に最適なカードを解説します。ぜひ参考にしてください。
クレジットカード付帯の海外旅行保険の使い方
クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険には、以下の項目があります。
カード付帯の海外旅行保険の項目
- 傷害死亡・後遺障害……けがで死亡・後遺障害が残った際に支払われる
- 傷害治療費……けがをして病院で治療を受けた際に支払われる
- 疾病治療費……病気で病院で治療を受けた際に支払われる
- 賠償責任……賠償責任が生じた際に支払われる
- 携行品損害……携行品が紛失・盗難や事故により損害を受けた際に支払われる
- 救援者費用……けがや病気で現地へ親族が「救援者」として呼ばれる際の費用
それぞれの項目について、保険を利用するおおまかな手順は以下のフローチャートを参照してください。
ちなみに、「キャッシュレス診療サービス」がついていないカードの場合は、「現地立替」が必須です。
保険を使いたいと思ったら、まずは電話で相談を
保険を使いたいと思った際は、どの補償を使う時も、カード会社によって対応が異なるケースもあるのでまずは海外アシスタンスサービスに電話で相談するのがおすすめ。その後どうしたらよいか、どんな書類が必要かは海外アシスタンスサービスのオペレーターが指示してくれます。
海外での手荷物被害の届け出などで現地の言葉が分からず困る……という場合も、オペレーターが通訳してくれるケースもあり、非常に役立ちますよ。
帰国後の保険金請求も電話での申し込みが一般的
帰国後の保険金請求も電話が一般的です。保険請求はケースによって対応が異なるため、ネット申し込みはほぼ対応していませんので、困ったらまずは電話してみましょう。
図で示した通り、保険金の請求手順は、利用する補償項目によって異なります。現地でお金を立替し、そのあとは帰国後に請求することもあれば、現地で各種書類を集めなくてはいけないケースも。ここでは、各項目での請求方法を、三井住友カードを例に簡単に解説します。
- 病気・けがをしたとき
- 救援者・賠償責任を利用したいとき
- 携行品に損害を受けたとき
病気・けがをしたとき
病気やけがをした際は、保険請求の方法が2通りあります。
- 現地でまずは立替を行い、帰国後に保険請求
- 現地でキャッシュレス診療サービスに申し込み、保険不足分を後日精算
キャッシュレスサービスは電話で依頼する
キャッシュレスサービスを依頼したい場合は、海外緊急アシスタンスサービス(カード会社により名称は異なる)に電話連絡を行い、申し込みをし、対象となる病院にかわりに予約をしてもらいます。
立替を行う場合は領収書・診断書を必ずもらう
現地で立替する場合は、自分が行きたい病院で受診し、診断書・領収書を受け取り、帰国後に保険請求を行います。
救援者・賠償責任を利用したいとき
救援者・賠償責任を利用したいときは、立替しておく手もありますが、必要書類などがその都度異なるため緊急アシスタンスサービスに連絡し、相談するのがおすすめです。
そのあとは、電話の指示に従い、必要書類を取得する、帰国後に保険請求するといった対応を行います、
携行品に損害を受けたとき
携行品に損害を受けた場合、自分自身の過失や事故による損害であれば帰国後の保険請求でOKですが、盗難被害の場合は現地での届け出のほか、証明書類も必要になります。
盗難被害の場合は現地警察発行の証明書が必須
現地警察に届け出を行うのはハードルが高いとあきらめてしまうかもしれませんが、まずは緊急アシスタンスサービスに相談してみましょう。通訳をしてもらえるケースもあります。
海外旅行保険が使いやすいクレジットカード4選!
ここでは、海外旅行保険が使いやすいおすすめクレジットカードを4枚ご紹介します。
三井住友カードゴールド
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
11,000円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜1.0% | 発行日数 | 最短3営業日 |
三井住友カードゴールドは、最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付帯するゴールドカード。
傷害・疾病治療費も300万円まで付帯します。条件を満たせば、年会費4,400円(税込)まで下げられるため、「ゴールドカードクラスの海外旅行保険」を「格安」で使いたい方におすすめです。キャッシュレス診療サービスにも対応しています。
JCBゴールド
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
11,000円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜5.0%※最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合 | 発行日数 | 約1週間でお届け |
JCBゴールドは、最高1億円の海外旅行傷害保険が付帯するゴールドカード。最高300万円の傷害・疾病治療費をはじめ「プラチナカード級」の旅行保険内容となっているのが特徴です。
飛行機遅延や手荷物の遅延等の場合にも補償が受けられますので、手厚い保険サービスを求める方にはぴったりと言えます。キャッシュレス診療サービスももちろんついており、持っていると安心です。
エポスカード
年会費 (初年度) |
永年無料 | 年会費 (2年目) |
永年無料 |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5〜5.0% | 発行日数 | 最短即日発行 |
エポスカードは、年会費無料ながら「傷害・疾病治療費」が200万円~270万円付帯する非常にお得なカード。
その他の費用はゴールドカードよりは高額ではないですが、病気やけがだけに備えたいのであれば維持費がないためおすすめです。キャッシュレス診療サービスも対応しているので、1枚あると役立ちます。
セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カード
年会費 (初年度) |
無料 | 年会費 (2年目) |
3,300円(税込) |
---|---|---|---|
還元率 | 0.5%〜1.0% | 発行日数 | 最短即日発行 |
セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードは、26歳未満であれば「年会費無料」、で持てる格安ゴールドカードです。
格安ながら傷害・疾病治療費は最高300万円と手厚い内容となっており、その他の項目も一般的なゴールドカードに匹敵する内容。26歳未満でお得に海外旅行保険付きカードを探している方におすすめです。もちろん、キャッシュレス診療サービスに対応しています。
複数クレジットカードの海外旅行保険は合算できる
知らない方も多いのですが、クレジットカードに付帯する海外旅行保険は、保険金額を「合算」可能です。
自動付帯のカードなら持っている分だけ手厚い補償に
たとえば、よく利用する傷害・疾病治療費。200万円限度のAカードと300万円限度のBカードを持っていれば、合計500万円までの補償が受けられます。利用時には、それぞれのカード会社に連絡をし、カード保険を合算で利用する旨を伝えます。
死亡・後遺障害は合算されない点に注意
ただし、死亡・後遺障害に関しては合算されず、適用されるカード保険のうち「最も金額が高いもの」のみ補償が受けられますので、ご注意ください。
海外旅行保険でクレジットカードを選ぶ際のポイント
海外旅行保険でクレジットカードを選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。
- 自動付帯か利用付帯か
- 立替型かキャッシュレス型か
- 傷害・疾病治療費の金額を重視しよう
- 補償期間を長くできるクレジットカードの複数持ち
自動付帯か利用付帯か
クレジットカードの海外旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。自動付帯の場合は、文字通り何もしなくても保険が適用されますが、利用付帯には「旅行代金を支払う」といった付帯条件があります。
利用付帯クレジットカードは旅行支払いでの活用を前提に
よって、利用付帯のクレジットカードを持つのであれば、メインカードとして旅行の支払いにも使うことを前提に選びましょう。その際、旅行時にお得になるか、活用しやすい特典はあるか等も加味して選ぶのがおすすめです。
自動付帯ならカードを持っているだけでも万一の備えに
自動付帯のカードは、旅行の出発から所定の期間(多くは90日間)まで、持っているだけで自動で保険適用されます。気軽に備えになるので、利用付帯と別途、自動付帯も持っておくと安心です。
利用付帯・自動付帯、国際ブランドを分けて持っておけば、保険の厚みが増すだけではなく、国際ブランドによって使えるお店も広がるため、上手に「使い分け」するとよいでしょう。
立替型かキャッシュレス型か
海外旅行保険には、現地でお金を立替える必要がある「立替型」の保険と、申し込みをすれば現地で精算の必要がなく、保険で立替えてくれる「キャッシュレス型」があります。
海外の医療費は高額!キャッシュレス型を1枚は持って備えよう
海外の医療費は高額なケースも多く、現地での立替型カードしかもっていないと、支払いが高額すぎて対応できなくなるかもしれません。そうなると、治療を拒否されたり、スムーズに進まなくなったりする可能性も。
保険で一時的に立替えて、補償分から足りない分のみ請求されるキャッシュレス型を1枚は持っておくと便利・安心です。
傷害・疾病治療費の金額を重視しよう
傷害・疾病治療費の金額は、カード保険によってさまざま。年会費の安いカードでもしっかり補償が受けられるものもありますが、多くのカードは年会費が安くなればなるほど手薄になる項目です。
中には、死亡・後遺障害の項目のみ高額で、他の補償は一切なし、というカードもありますので、十分注意し、保険内容を吟味して選びましょう。
補償期間を長くできるクレジットカードの複数持ち
クレジットカードを複数枚持っていると、海外旅行保険の「補償期間」を実質伸ばすことも可能です。一般的には海外旅行傷害保険の有効期間は90日。自動付帯のカードは、出発日から90日補償されます。
利用付帯のカードは旅行代を決済したタイミングから補償される
一方で、利用付帯のカードは、旅行中に交通費やホテル代を支払ったタイミングから90日補償されますので、複数枚のカードで、補償期間が切れそうになったタイミングで他のカードで決済し、利用付帯の保険を有効にする……ということを繰り返せば、補償期間を長くできます。
補償自体も、先述の通り合算で手厚くありますので、複数枚所持はいいことづくめと言えます。
カード付帯海外旅行保険の補償を利用する場合の注意点
クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償を利用する場合、以下の点にご注意ください。
- 自動付帯でも補償は「手続き」が必要
- 利用付帯の条件は事前に確認を
- キャッシュレス診療なしだと一時立て替えが発生する
自動付帯でも補償は「手続き」が必要
たとえ自動付帯であっても、保険を実際に使う時は自動で保険料が下りるわけではありません。請求手続きが必要となります。
請求の際は、
・現地の場合は緊急アシスタンスサービス
・帰国後の場合はカード裏面のカードデスク
にそれぞれ相談すればOK。保険サービスへつなげてくれます。自動付帯だからと油断せず、使いたいときにはきちんと連絡してくださいね。
利用付帯の条件は事前に確認を
利用付帯の条件は、カード会社によって異なります。多くの場合は「旅行代金(交通費・ホテル代等)」を支払うことが条件となっていますが、明確な線引きは難しく、実際にはきちんと確認しておかなくては「補償外」となってしまう可能性も。
利用付帯のカード保険を使いたいのであれば、必ず事前に「適用条件」は確認しておきましょう。確実性を狙うなら、カードデスクに問い合わせるのもおすすめです。
キャッシュレス診療なしだと一時立て替えが発生する
先述の通り、キャッシュレス診療サービスつきのカードを所持していない場合、もしくは所持していても連絡せずに自分が選んだ病院を受診した場合には「医療費の一時立て替え」が発生します。
海外の医療費は国内の何十倍となるケースも珍しくなく、キャッシュレス診療なしで精算するのは厳しい……ということは、覚えておきましょう。よほどの理由がない限りは、キャッシュレス診療可能なカードは必須です。
まとめ
海外旅行傷害保険はキャッシュレス診療サービス付きカードを最低1枚持っていこう
クレジットカードの海外旅行傷害保険は、カードによって補償内容や金額が異なります。
それぞれの項目を利用する際は、保険利用時の手順が異なるため、まずはカード会社に連絡し、保険を使いたいときにはどうしたらよいか確認しておくことがおすすめ。
また、最もよく利用する項目である「傷害治療費」「疾病治療費」に関しては、しっかりと保険が付帯するか以外にも「キャッシュレス診療サービス」に対応しているかも重要です。
保険は、いくら良い金額で付帯していても、いざという時に使えなくては全く意味がありません。しっかりと利用方法を知っておき、活用してくださいね。
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