一人親家庭が無利息で生活費を借入できる母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の申込み条件や申請方法などを解説
20歳未満の児童がいる母子家庭、父子家庭の親(または児童)は、「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」により無利息または金利1.0%で借入できる可能性があります。
本記事では、「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の申し込み条件」、「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の種類」、「申し込み方法や手続きの流れ」、「一人親家庭が利用できるその他の支援制度」などについて、詳しく解説を進めていきます。
この記事で分かること
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度への申し込み条件
まず、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の概要と申し込み条件について紹介します。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度はひとり親家庭のための支援制度
母子父子寡婦福祉資金は、配偶者のない女子又は配偶者のない男子であって現に児童を扶養しているもの等に対し、その経済的自立の助成と生活意欲の助長を図り、あわせてその扶養している児童の福祉を増進することを目的としている。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは、母子家庭や父子家庭の経済的自立などのための支援制度です。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度への申し込み条件
また、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度への申し込みには、以下の条件を満たす必要があります。
- 母子家庭の母(配偶者のない女子で現に20歳未満の児童を扶養している方)
- 父子家庭の父(配偶者のない男子で現に20歳未満の児童を扶養している方)
- 父母のない20歳未満の児童(法定代理人の同意が必要)
- 寡婦(かつて配偶者のない女子として20歳未満の児童を扶養していた方で、配偶者のない女子)
参考リンク:母子父子寡婦福祉資金貸付事業|京都市情報館
上の条件に当てはまる方は、母子父子寡婦福祉資金貸付を利用できる可能性があるため、生活資金などに困っている方は申し込みを検討してみましょう。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の種類
続いて、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の種類について紹介します。母子父子寡婦福祉資金貸付金制度には、以下の12種類の貸付金があります。
- 事業開始資金
- 事業継続資金
- 修学資金
- 技能習得資金
- 修業資金
- 就職支度資金
- 医療介護資金
- 生活資金
- 住宅資金
- 転宅資金
- 就学支度資金
- 結婚資金
出典元:母子父子寡婦福祉資金貸付 – 厚生労働省(PDFファイル)
※自治体により金額に違いがあります
事業開始資金
事業開始資金とは、事業を開始するために必要な設備の購入費などを指します。
事業開始資金の借入の限度額は285万円で、据置期間が1年、償還期間7年以内、利率は保証人ありの場合は無利子、保証人無の場合は年率1.0%の利息となっています。
事業継続資金
事業継続資金は、「現在営んでいる事業を継続させるために必要な商品や材料を購入するための費用」です。
事業継続資金の借入限度額は143万円、据置期間が6ヶ月、償還期間7年以内、利率は保証人ありの場合は無利子、保証人なしの場合は年率1.0%の利息です。
修学資金
修学資金とは、ひとり親家庭の児童が利用できる「高等学校、大学、高等専門学校又は専修学校に必要な学費、教材費、交通費などのお金」です。なお、学校の種類により、月額の限度額が異なります。
学校 | 月額の限度額 |
---|---|
高校、専修学校(高等課程) | 5万2,500円 |
高等専門学校 | 1〜3年:5万2,500円 4〜5年:9万円 |
短期大学、専修学校(専門課程) | 9万円 |
大学 | 9万6,000円 |
大学院(修士課程) | 13万2,000円 |
大学院(博士課程) | 16万8,000円 |
専修学校(一般課程) | 4万8,000円 |
また、修学資金の据置期間は「学校卒業から6ヶ月間」、償還期間は20年以内(専修学校一般課程は5年以内)、無利子で借入が可能です。
なお、修学資金を借入する際は、原則親が「連帯保証人」になる必要がある点に注意してください。
技能習得資金
技能習得資金とは、ひとり親家庭の母や父が利用できる「自分が事業を開始する、または、会社へ就職するために必要な技能を習得するために必要な資金」を指します。
限度額は月額8万6,000円、5年以内の借入が可能で、技能習得後1年間の据置期間があり、20年間の返済期限があります。なお、保証人ありの場合は無利子、保証人なしの場合は年率1.0%の利息が発生します。
修業資金
技能習得資金はひとり親家庭の親が利用できる制度でしたが、この修業資金は「ひとり親家庭の児童」が利用できる貸付金制度です。
限度額月額8万6,000円、5年以内の借入が可能で、技能習得後1年間の据置期間があり、無利息(保証人あり)または利息年率1.0%は、技能習得資金と同じですが、6年以内に返済が必要となる点に注意してください。
就職支度資金
就職支度資金は、ひとり親家庭の児童が利用できる「就職するために必要な衣類や靴、通勤用自動車」などを購入するための費用です。一般貸付の限度額は10万円で、1年の据置期間、6年以内に返済が必要です。
また、就職支度資金もその他の貸付金と同じように無利息(保証人あり)または利息年率1.0%となっています。
医療介護資金
医療介護資金は、ひとり親家庭の母や父、児童が利用できる「医療または介護を受けるために必要なお金」のことを指します。
医療費として34万円、介護費として50万円の限度額があります。据置期間は6ヶ月間、5年以内に返済が必要です。こちらも無利息(保証人あり)または年率1.0%の利息です。
生活資金
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の生活資金とは、ひとり親家庭の母や父が利用できる「生活を安定・継続するために必要なお金」の貸付金制度です。
一般貸付の限度額は月額10万3,000円で、据置期間は最大6ヶ月間、償還期限は利用条件により、5年〜20年以内となっています。生活資金の利息も無利息(保証人あり)または利息年率1.0%です。
住宅資金
住宅資金とは、住宅を購入、補修、改築、増築するための費用のことで、一般貸付は150万円の限度額があります。
6ヶ月の据置期間で償還期間は6年以内、利息は無利息(保証人あり)または利息年率1.0%となっています。
転宅資金
転宅資金は、住宅を移転するための費用です。ひとり親家庭の母や父が利用でき、26万円の限度額があります。
据置期間は6ヶ月で償還期間は3年以内、利息は無利息(保証人あり)または年率1.0%です。
就学支度資金
就学支度資金は、就業するために必要なお金のことで、ひとり親家庭の児童が利用できます。また、学校の種類により限度額が異なります。
学校の種類 | 限度額 |
---|---|
小学校 | 4万円 |
中学校 | 4万7,400円 |
国公立高校等 | 16万円 |
修業施設 | 10万円 |
私立高校等 | 42万円 |
国公立大学・短大・大学院等 | 38万円 |
私立大学・短大・大学院等 | 59万円 |
就学支度資金の据置期間は6ヶ月、償還期間は就学の場合は20年以内、就業は5年以内で、無利息となっています。
結婚資金
結婚資金は、ひとり親家庭の母や父が利用できる貸付金で限度額は30万円あります。また、6ヶ月の据置期間があり、5年以内に返済が必要となります。結婚資金の金利は無利息(保証人あり)、または金利1.0%となっています。
このように、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、利用目的により様々な貸付金が用意されています。
手続きの流れ〜母子父子寡婦福祉資金貸付金制度への申請方法
続いて、母子父子寡婦福祉資金貸付への申し込み方法を確認していきます。
- お住まいの市福祉事務所、町役場福祉担当又は健康福祉事務所に相談
- 母子・父子自立支援員等による面談
- 審査を経て貸付申請を行う
参考リンク:母子父子寡婦福祉資金貸付金|兵庫県
手続きの流れについて、詳しく解説します。
お住まいの市福祉事務所、町役場福祉担当又は健康福祉事務所に相談
母子父子寡婦福祉資金貸付金を利用するためには、お住まいの近くにある福祉事務所の窓口への相談が必要です。
母子・父子自立支援員等による面談
その後、母子・父子自立支援員等による面談が行われます。面談では、母子父子寡婦福祉資金貸付金の使い道や、家庭の経済状況などを確認されます。
審査を経て貸付申請を行う
面談に問題がなければ、母子父子寡婦福祉資金貸付金への貸付申請を行います。母子父子寡婦福祉資金貸付金への申し込みには、以下の書類が必要です。
- 貸付申請書
- 申請者及び申請者と生計をともにしている者及び連帯保証人の給与証明書(源泉徴収の写でも可)
- 連帯保証人の印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- 連帯保証人及び連帯借主の誓約書
- 貸付申請者調書
- 申請者、連帯借主及び連帯保証人の住民票謄本
- その他、資金に応じ必要な書類(在学証明書、経営診断書など)
母子父子寡婦福祉資金貸付への申し込み前には、事前にこれらの書類を準備しておきましょう。
ひとり親家庭が利用できるその他の支援制度
また、母子家庭や父子家庭などのひとり親家庭の方は、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度以外にも利用できる支援金制度があります。
- 児童手当
- 児童扶養手当
児童手当
児童手当とは、0歳から中学校修了(15歳に達する日以降の最初の3月31日まで)の児童を養育している方が受給できます。なお、児童手当は、ひとり親家庭以外の家庭も受給対象となります。
児童の年齢 | 支給金額 |
---|---|
0歳~3歳未満 | 一律1万5,000円 |
3歳~小学校修了前 | 1万円(第3子以降 1万5,000円) |
中学生 | 一律1万円 |
出典元:児童手当|東京都福祉保健局
なお、児童手当の受給は、規定の年収限度額を超えた場合は児童一人につき5,000円の支給となります。扶養親族が0人の場合の年収限度額は622万円、以降、扶養家族が1人増えるごとに38万円が加算されていきます。
児童扶養手当
児童扶養手当とは、18歳に達する日以降の最初の3月31日までの児童を養育している母子家庭、父子家庭の母や父に支給される手当です。
児童1人につき、月額最大4万2,910円が支給され、所得に応じて10円単位で支給額が変動します。児童扶養手当は区市町村の窓口で相談・手続きが可能です。
すぐに資金が必要なひとり親家庭の方はカードローンも検討
なお、母子父子寡婦福祉資金貸付金や児童扶養手当などは公的な貸付、手当となるため、申し込みから融資や給付まで1ヶ月以上の日数がかかる場合も多いです。
このため、今すぐ生活資金が必要…というような、ひとり親家庭の方は、即日融資可能なカードローンでスピーディーな借入も検討してみましょう。
ただし、カードローンは利息が高い傾向がある(=長期間の借入は利息が膨らむ)ため、短期間の借入にオススメです。
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母子父子寡婦福祉資金貸付金制度で低金利の借入を行おう
本記事では、「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の申し込み条件」、「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の種類」、「申し込み方法や手続きの流れ」、「一人親家庭が利用できるその他の支援制度」などについて、詳しく解説を進めてきました。
急にお金が必要になった時にはカードローンもうまく活用する
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度はひとり親家庭が利用できる貸付金制度
- 母子父子寡婦福祉資金貸付は20歳未満の児童を扶養している方が対象
- 母子父子寡婦福祉資金貸付には12種類の貸付金がある
- 母子父子寡婦福祉資金貸付の利息は無利息または年率1.0%
- 母子父子寡婦福祉資金貸付を利用するには福祉事務所へ相談が必要
- 審査後に母子父子寡婦福祉資金貸付を利用できる
- ひとり親家庭は児童手当や児童扶養手当も利用できる
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは、母子家庭の母や父子家庭の父、寡婦が利用できる貸付金制度です。
母子父子寡婦福祉資金貸付には「生活資金」や「修業資金」「就職支度資金」「医療介護資金」「住宅資金」など、資金使途により12種類の貸付金に分類されていて、無利息、または金利1.0%でお金を借りられるというメリットがあります。
生活資金などに困っているひとり親家庭の方は、本記事を参考にしながら、母子父子寡婦福祉資金貸付での借入への申し込みを検討してみましょう。また、今すぐお金を借りたいという方は、申し込み当日の即日融資が期待できる消費者金融カードローンもうまく活用するようにしてください。