住民税が払えない!滞納する前に知っておくべき正しい対処法
仕事を退職した方や、自営業者・フリーランスなどの個人事業主として働いている方の中には、「今年分の住民税の請求が来たけれど支払いに困っている…」という方もいるのではないでしょうか。
また、住民税の支払いを済ませていないという方の中には、「住民税を払わなければどうなるのか」「住民税を滞納し続けるとどうなるのか」が気になる方もいるでしょう。
そこで本記事では、住民税の支払いができない時に「住民税を滞納するとどうなるのか」、「住民税が支払えない時の対処法」などについて、詳しく解説を進めていきます。
この記事で分かること
住民税とは
まず、住民税とはどういった税金なのかを確認してみましょう。
住民税(じゅうみんぜい)は、日本の税金のうち、都道府県民税と市町村民税を合わせていう語。特に、個人に対する都道府県民税と市町村民税は、地方税法に基づき市区町村が一括して賦課徴収することから、この2つを合わせて住民税と呼ぶ。
出典:住民税|ウィキペディア
住民税とは、その年の1月1日に居住している(=住民票がある)場所の自治体から徴収される、都道府県民税と市町村民税を合わせた税金のことです。また、この住民税は、公共施設の整備や、道路の整備、福祉施設、高齢支援や児童支援、学校など、様々な目的に利用されています。
住民税の金額は昨年の収入に応じて変動する
また、この住民税の徴収金額ですが、一律ではなく、収入に応じて変動します。住民税の計算方法を確認してみましょう。
住民税の計算方法
住民税の都道府県民税と市町村民税の税額、それぞれの内訳を見てみましょう。
住民税の内訳 | 均等割 | 所得割 |
---|---|---|
市町村民税 | 3,000円 | 6.0% |
都道府県民税 | 1,000円 | 4.0% |
合計 | 4,000円 | 10.0% |
均等割とは(納税対象者に)一律で請求される税額で、所得割とは所得に応じた税額のことです。
なお、所得割の計算方法は
所得割額 =(所得金額 - 所得控除額) × 税率(10%) – 税額控除額
となっています。「所得金額」とは給与や利子、配当金などのことで、「所得控除額」とは社会保険料控除や生命保険料控除など、「税額控除額」とは住宅ローン控除のことなどを指します。控除の金額をマイナスして計算するため、「所得割は給与の10%よりやや少ない額になる」と考えておきましょう。
住民税の支払い方法
住民税の支払い方法には、以下の2種類があります。
- 特別徴収
- 普通徴収
特別徴収
主に会社勤めをしている方の、住民税の支払い方法です。勤務先の事業主が、従業員の住民税を給与から天引きし、本人に代わって納税する方法です。
基本的に年12回払いでの納税(毎月の分割払い)となります。
普通徴収
自営業者やフリーランスなどの個人事業主の方が、自分で住民税を納税する方法です。また、昨年は仕事をしていたけれど、今年は仕事をしていないという方も、普通徴収により自分で住民税を納めなければなりません。
転職した場合は、転職先で特別徴収を継続して行ってもらえるため、自ら住民税を支払う必要がない場合が多いです。
ただし、特別徴収の切り替えが間に合わなかった場合などは、普通徴収により住民税を自ら支払う必要があるので、転職した方は住民税の支払いがどうなっているのか、転職先に確認しておきましょう。
普通徴収の場合は、一括(6月末まで)、または4期分割(第1期は6月末、第2期は8月末、第3期は10月末、第4期は翌年1月末まで)で住民税を納税します。
住民税が払えないとどうなる?
住民税の支払いは国民の義務(国民の三大義務:納税の義務)です。このため、住民税の支払いを拒否し続けていると、「財産の差し押さえ」が行われます。
地方税法第331条第1項には、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、滞納している人の「財産を差し押えなければならない」と規定されていますので、督促状を受け取った場合は速やかに納付してください。
出典:習志野市ホームページ
住民税の支払い滞納〜財産差し押さえまで
住民税の支払いを滞納し続けると最終的には「財産の差し押さえ」となりますが、急には差し押さえされません。
- 住民税を延滞する
- 納期限の翌日から延滞金が発生
- 自宅に督促状が届く
- 財産の差し押さえが行われる
延滞〜財産の差し押さえまで、順を追って解説していきます。
住民税を延滞する
住民税の支払いができていない方は、自分で納税する普通徴収の支払い方法になっている方がほとんどでしょう。また、住民税の第1期の支払い期限は6月末となっているため、(第1期分の住民税であれば)6月末に支払えなかった場合、「延滞」扱いになります。
納期限の翌日から延滞金が発生
また、納期限から1日でも延滞すると、延滞金が発生します。なお、延滞金の利率は、滞納から1ヶ月を経過するまでは2.6%、1ヶ月を経過した日以降は8.9%(平成31年の延滞金率)となっています。
延滞金額=税額 × 延滞日数 × 延滞金の割合(年利) ÷ 365
なお、2,000円未満の延滞金は切り捨てとなり、請求されません。
自宅に督促状が届く
住民税を滞納してから2週間〜1ヶ月以内には、自宅に督促状が送られてきます。
住民税の支払いを忘れていた…というような方も、督促状が届いた時点で住民税を支払えば、それ以降、大きなトラブルにはなりません。
督促状が届いたら、その時点で必ず住民税の支払いを済ませるようにしてください。
財産の差し押さえが行われる
また、先ほど紹介したように、督促状を発行してから10日間以上経てば、「財産の差し押さえ」が認められています。
ただし、実際には住民税の支払いがない場合、電話連絡による確認や訪問などの期間(3ヶ月〜6ヶ月)を経て、財産の差し押さえの手続きが取られるケースが多いようです。
財産の差し押さえとなる前には催告書による「差し押さえ」の予告が入り、自宅や預貯金、給料などの財産が押さえられます。
財産を差し押さえされると、社会的信用度が大きく落ちてしまうため、絶対に「差し押さえ」される前に、住民税を支払うようにしてください。
お金がない…住民税が払えない時の対処法
失業中の方の中には、なかなか仕事が見つからず、住民税を払えるお金がない…という方もいるかもしれません。
住民税が支払えないという方は、督促状が自宅に届いても支払いを無視するのではなく、必ず役所へ相談するようにしてください。
事前相談することで毎月分割払いになるケースも
住民税を一括、または4期分割で支払えない場合は、住民税を収める自治体に事前相談すれば、「毎月無理のない範囲内の金額」での分割払いに変更してもらえる可能性もあります。
例えば、12万円の住民税の場合、毎月1万円の12回払いなどへ変更してもらえるケースがあります。
支払えない理由がある場合は税の減免または納税の猶予を受けられることも
また、地震や大雨、台風などの天災に見舞われて職を失ってしまったり、生活保護を受けていたり等の特別な事情がある方は、住民税の免除や納税の猶予を受けられる可能性もあります。
一時的にキャッシングして住民税を返済するのもオススメ
役所に住民税の相談をして、毎月の分割払いに変更してもらえたけれど、それでも毎月支払いを続けていくのが困難…という場合は、一時的に銀行や消費者金融が提供しているカードローンを利用するのもオススメです。
短期間で返済すれば利息を小さく抑えられる
今までカードローンを利用したことがないという方は、「カードローンって金利が高そうで利用するのが不安…」という方も多いのではないでしょうか。
銀行や消費者金融のカードローンは100万円未満の場合、上限金利14.0%〜18.0%ほどとなっていて、住宅ローンやマイカーローンなどに比べて金利が高く設定されているケースがほとんどです。
ただし、日割り計算となるため、例えば10万円を金利18.0%で30日間だけ借入した場合は、
10万円 × 18.0% ÷ 365日 × 30日 = およそ1,480円
となり、利息がそこまで高くならないことが分かるでしょう。
消費者金融カードローンなら30日以内は無利息!
また、大手消費者金融のアコム、アイフル、プロミス、レイクALSAが提供するカードローンであれば、「初めてカードローン契約する方に限り、30日間の無利息キャッシング」が利用できます。
この30日間無利息キャッシングとは、カードローン契約日の翌日から30日間(※プロミスは利用日の翌日から30日間)は、利息0円でお金を借りられるサービスのことです。
つまり、この30日間の無利息期間内に借りたお金を全額返済すれば、利息0円でお得なキャッシングが可能です。
カードローンの利用は計画的に
ただし、カードローンで一時的なキャッシングを検討している方は、しっかりと完済計画を立てた上で利用するようにしてください。
仕事が決まっておらず、今後もあまり収入の見込みが無い(※)…というような方がカードローンを利用すると、返済できずに借金が膨らんでしまい、生活がより困難になるでしょう。
※収入が無い、安定収入が無い方は、そもそもカードローンの審査に落とされるので注意してください。
このため、今後長期的に継続して安定した収入があるという方のみ、カードローンの利用を検討するようにしてください。
住民税の支払い等に関するよくある質問
さいごに、住民税の支払いに関するよくある質問について、まとめてみました。
Q. 自己破産したけれど、住民税の支払いも無くなる?
ローンの返済ができなくなってしまい、自己破産して借金を帳消しにした…という方は、未納分の住民税も無くなるのでしょうか。
A. 自己破産しても住民税の支払い義務はある
自己破産してしまった方も、「住民税」の支払いは免除されません。このため、必ず住民税の支払いを行わなければならないので注意してください。
どうしても住民税を支払えない…という方は、お住まいの市町村の自治体へ連絡し、分割払いなどの相談をするようにしてください。
Q. 引越ししたら住民税を支払わなくてもいい?
引越しして住所が変わったら、住民税の支払いは不要となるのでしょうか。
A. 引越ししても住民税の支払い義務はなくならない
住民税は、その年1月1日に住民票がある自治体から、前年の1年間の所得に対して課税されます。このため、引越ししても住民税の納税義務は無くならないので注意してください。
なお、出国届けを出して海外へ転出した場合、1月1日時点で住民票を抜いていれば、住民税は発生しません。
住民税が払えなくなった場合はお住まいの役所へ相談を!
本記事では、住民税の支払いができない時に「住民税を滞納するとどうなるのか」や「住民税が支払えない時の対処法」などについて、詳しく解説してきました。
収入の見込みがある方はキャッシングしたお金を住民税に充てるのもオススメ
- 住民税とは都道府県民税と市町村民税を合わせた税金のこと
- 住民税は所得額によって金額が変わる
- 住民税は所得のおよそ10%ほど
- 住民税の支払い方法には特別徴収と普通徴収がある
- 失業中の方は普通徴収で住民税を納税する
- 住民税を支払わないと財産の差し押さえが行われる
- 1日でも延滞すると延滞金が発生する
- 催告書を無視していると最終的に財産の差し押さえが行われる
- 住民税が払えないときはお住まいの「役所」へ相談する
- どうしても支払えない場合は一時的にカードローンを使うのもオススメ
- 自己破産しても住民税の支払いは無くならない
- その年の1月1日に住民票がある自治体へ去年1年分の所得に応じた住民税を支払う
住民税は都道府県民税と市町村民税を合わせた税金のことで、「地方税」に分類されています。また、昨年1年分の所得に対して課税されるため、今年になってから仕事をやめてしまい、収入がない…という方は1年越しで請求される「住民税」の支払いに困っている方も多いでしょう。
住民税は役所に相談すれば、返済を少し待ってもらったり、毎月の分割支払いへ変更してもらえる可能性があるので、支払いに困っている方は、まず役所へ相談するようにしてください。
なお、今は住民税に支払うお金がないけれど、今後継続して安定収入の予定があるという方は、カードローンで借りたお金を住民税として利用するのもオススメです。