個人事業主がカードローン利用時に注意すべきこと3つ
個人事業主のカードローン審査が厳しいと言われていますが、実はサラリーマンやアルバイトの人が利用する通常のカードローンと審査基準は変わりません。この記事では個人事業主のカードローンにスポットを当てて、個人事業主がカードローン審査に通過させるための3つのポイントについて詳しく解説していきます。
この記事で分かること
個人事業主のカードローンは利用目的を明確にする
個人事業主がカードローンを利用する時には、利用目的を明確にしておく必要があります。個人向けのカードローンと個人事業主向けのローンがあるんですが、キャッシングしたお金の使用使途が決められている場合があるからです。
個人事業主がローンを事業資金に利用するなら?
個人事業主がローンを事業資金として利用するのであれば、個人事業主や中小、零細企業の社長などに対して提供されている「事業者向けローン」を利用しましょう。
一般的なカードローンは事業資金としての利用が禁止されている
この事業者向けローンを利用するのには理由があり、サラリーマンやアルバイトの人が利用する一般的なカードローンは、「使用使途が決められていない」ことが多いのですが、「事業資金に利用することはNG」と規定されている場合がほとんどなんです。つまり、銀行や消費者金融のカードローンは使用使途が限定されないとは言え、「主に生活資金としての利用」に縛られているのです。
事業者向けローンは総量規制の対象外
また、事業者向けローンはノンバンクから提供されている場合が多いのですが、実は総量規制(=借り入れ上限が利用者の年収の3分の1)の対象外となります。ノンバンクは貸金業者となるので、貸金業法の総量規制が対象となります。しかし、ノンバンクの事業者向けローンでは一定の条件が合えば総量規制の対象外となるので、500万円〜1000万円という大きな融資を受けられる可能性もあります。
個人事業主は事業資金を公的な融資からも調達できる
個人事業主にも融資してくれる公的な機関は「日本政策金融公庫」があります。日本政策金融公庫とは、国民生活事業の資金調達などを行っている機関のことで、個人事業主や中小企業に対して融資を行ってくれるんです。日本政策金融公庫の融資は低金利が魅力なのですが、手続きが煩雑で融資まで1ヶ月程度かかることもあるんです。また、必要書類もしっかり用意する必要があり、事業計画書や見積書を提出しなければならないんです。煩雑な手続きをせずにすぐにお金を借りたい個人事業主の人は、ノンバンクや銀行のカードローンを利用する方がかなりスピーディーにお金を借りられるでしょう。
個人事業主がローンを生活資金に利用するなら?
個人事業主がローンを生活資金に利用するのであれば、サラリーマンやアルバイトの人が利用する一般的向けのカードローンを利用しましょう。消費者金融や銀行が提供するカードローンは生活資金に利用でき、個人事業主の人でもカードローン審査に通過すればお金を借りられます。
一般のカードローンは年収の3分の1程度の利用限度額となる
事業向けのローンであれば高額な融資の可能なのですが、一般向けカードローンであれば年収の3分の1を利用限度額と考えておきましょう。消費者金融などのノンバンクのカードローンは総量規制の対象となるためそもそも年収の3分の1が限度額となります。また、総量規制の対象外である銀行カードローンも近年貸付額の自粛傾向にあるので、年収の3分の1程度に抑えられている場合が多いんです。
個人事業主がカードローンを利用する時に注意しておく3つのポイント
個人事業主が生活資金として使える一般向けのカードローンを利用する時に、注意しておくポイントを解説していきます。個人事業主がカードローンを利用するためには、これから解説する3つのポイントについて理解しておきましょう。
- ①基本的には収入証明書が必要
- ②開業後1年未満の場合は審査に通過しにくい
- ③借り入れ限度額は年収の6分の1程度となる場合もある
①基本的には収入証明書が必要
サラリーマンやアルバイトの人は、50万円以上となる大きなお金を借りる時には収入証明書が必要となる場合が多いです。個人事業主の場合は、業績や安定収入を確認するために少額のカードローンであっても収入証明書の提出が必要となります。
個人事業主は確定申告書の控えを収入証明書として提出しましょう
個人事業主の売り上げ、安定収入を確認してもらうために、毎年提出している「確定申告書」の控えをカードローン会社に提出しましょう。昨年の確定申告書の控えはお手元にあるはずなので、簡単に提出できますよね。また、一度役所でチェック済みのものでないと正式な書類として認められないので、提出後に受け取る確定申告書の控えが必要となります。
あまりにも節税対策していると評価が下がる
個人事業主は、節税対策として多くの出費を経費として落とす人も多いと思います。税金を抑えたいために、経費と売り上げが近い金額になっていて経理上では利益がほとんどない状態となっている人もいるかもしれませんね。このように利益を少なく申告している人は、カードローン会社から見ても「収入が少ない個人事業主」として見られてしまうので、あまりにも極端な節税対策をしてしまうとカードローン審査には不利な状況となるんです。個人事業主の人には注意しておいて欲しいポイントとなります。
②開業後1年未満の場合は審査に通過しにくい
先ほど個人事業主がカードローンを申し込む時には、確定申告書の控えを収入証明書として提出することを解説してきました。しかし、開業後1年未満の人であれば、まだ確定申告書をしていない人もいるでしょう。確定申告書の控えが収入証明書となるので、開業後1年未満で収入証明書を提出できないとカードローン審査通過が難しいものとなるでしょう。
開業後1年以上経ってから収入証明書を用意しましょう
個人事業主の人が収入証明書を提出できない場合は、いくら年収だけを自己申告しても社会的な信用度には繋がらないのが現実です。個人事業主の人でも確実にカードローン審査に通過させるためには、開業後に1年以上経過させた上で確定申告を行い、収入証明書を用意できるようにしておきましょう。
③借り入れ限度額は年収の6分の1程度となる場合もある
また、個人事業主はサラリーマンやアルバイトなどの安定収入を得ている利用者とは違い、審査が少し厳しくなる傾向があります。例えば年収300万円あるサラリーマンであれば、総量規制の限度額である100万円までの限度額が認められやすいのですが、個人事業主は安定収入を認められにくいので、総量規制のさらに半分の額、つまり年収の6分の1程度の限度額に抑えられる場合もあるんです。
数ヶ月間カードローンを利用すれば増枠も期待できる
しかし、限度額が低いからと言っても諦めないでくださいね。個人事業主の人が初めてカードローンを利用する時には限度額を抑えられる傾向にはありますが、その後にカードローンを利用して期日に間に合うようにしっかりと返済していると、3か月〜6か月後ぐらいに急に増枠してもらえる可能性もあるんです。もし数ヶ月カードローンを利用しても増枠されない場合は、カードローンのマイページやコールセンターで増枠申請を行うと、あっさりと増枠してもらえることも多いんですよ。
個人事業主はカードローン審査に通過しにくい?
個人事業主は本当に審査基準が厳しくなる傾向にあるのでしょうか? 実は個人事業主であると、社会的な信用度を証明しにくいため、審査が難しく感じてしまうだけなんです。また、個人事業主がサラリーマン並みのステータスを手に入れるためには、下記のポイントを抑えておきましょう。
- 開業後から長いほどカードローン審査に必要な社会的な信用度が高まる
- 2〜3年分の収入証明書を提出すると安定した収入が認められやすい
- 綺麗なクレヒスを積み上げておく
開業後から長いほどカードローン審査に必要な社会的な信用度が高まる
個人事業主は開業後からの期間が長いほどステータスに良い評価が得られます。サラリーマンやアルバイトの人も同じで、長い勤続年数であるほど良いステータスになりますよね。
また、個人事業主の開業期間が長いほど業績の安定を証明できますよね。ですから、少しでもカードローン審査に良い評価を得るためには、長い開業期間を積み上げておきましょう。
2〜3年分の収入証明書を提出すると安定した収入が認められやすい
また、1年間だけの収入証明書(確定申告書の控え)を確認しても、果たして安定した収入なのか分かりにくいですよね。個人事業主はどうしても業績が不安定なので、例えば1年目が年収800万円あっても、2年目に年収100万円という場合もあるかもしれません。
長期的な安定収入を証明できれば、ステータスに良い評価がつく
ですから、数年間の収入証明書を提出すれば安定した収入があると認めてもらえます。1年分の収入証明書だけではなく、数年間の収入証明書を提出することで、カードローン審査の通過率がグッと高まるでしょう。
綺麗なクレヒスを積み上げておく
クレヒスとは、カードローンやクレジットカードを利用した履歴のことを指します。このクレヒスもカードローン審査や個人事業主向けのローンにとても大きな影響を与えるんです。
支払いに遅延した場合はクレヒスに悪い履歴が残る
このクレヒスは主にカードローンやクレジットカードの支払い履歴を確認されるのです。例えば過去に「3か月間滞納していた」というような人は、クレヒスにもしっかりと履歴が残されているので、カードローン審査にも通過しにくくなるんです。
綺麗なクレヒス=信用度が高いと判断される場合もある
クレヒスの審査は、利用履歴のマイナス面だけを見られる場合が多いのですが、数年間にわたり綺麗なクレヒスが残っている人は、「お金を貸してもしっかりと返済してくれる人」として見られるので、カードローンにも通過しやすくなる場合もあるんです。個人事業主が信用度を高めるにクレヒスを綺麗な状態に保つことは、とても簡単で良い方法と言えるでしょう。
個人事業主が注意しておくべきカードローンのデメリットとは?
このように、安定した収入や社会的な信用度を得られれば個人事業主でも簡単に利用できるカードローンなのですが、利用の際のデメリットとなりそうな部分もしっかりと把握しておきましょう。
- 長期的な借り入れは返済総額が高くなる
- 返済計画を立てた上で最小限の金額を借り入れる
長期的な借り入れは返済総額が高くなる
個人事業主でも必要書類さえ用意すれば簡単に利用できるカードローンですが、事業資金に利用できるような公的な融資に比べると、かなり金利が高い傾向にあるんです。カードローンの中でも低金利で有名な銀行カードローンでさえも金利14〜15%あり、消費者金融カードローンではほぼ18%となっているんです。
できれば繰り上げ返済を行って短期間で返済できるように心がけよう
金利の高いカードローンを長期的に利用すると、利息が高くなるので返済総額が大きくなるんです。できれば少額のお金を短期間で借り入れるほうが利息を抑えられてお得にカードローンを利用できるのですが、大きなお金のキャッシングが必要となる場合もありますよね。大きなお金を借りたときには、できればお金に余裕のある月には繰り上げ返済を行って返済総額を抑えられるようにしてみましょう。
返済計画を立てた上で最小限の金額を借り入れる
また、個人事業主でもカードローンでキャッシングしやすいとは言え、あまりにも大きなお金を借りてしまっては返済に困ってしまいますよね。また、返済ができなくなった時はクレヒスに傷がついてしまうので、今後のカードローン審査やクレジットカード審査にも悪い影響が出てしまうでしょう。ですから、カードローンでキャッシングする前にはしっかりと返済計画を立てた上で、確実に返済できるだけのお金を借りるようにしましょう。
個人事業主でも必要書類さえあれば簡単にカードローンを利用できる
この記事では個人事業主の人がカードローンを利用する時に注意するポイントや審査に通過させやすくするためのポイントを確認してきました。個人事業主の人は、しっかり安定収入を証明できる収入証明書さえ用意できれば、サラリーマンの人と同じように安定収入が認められるのでカードローン審査にも簡単に通過できるんです。
個人事業主やフリーランスの人は、収入が安定せずに生活に回せるお金が足りなくなるときもあると思います。少しの生活資金を借りるときには、この記事で解説してきたカードローンをうまく活用すれば、資金不足の危機も簡単に乗り越えられるでしょう。また、事業資金に利用するのであれば、審査にかなり日数がかかりますが公的な融資を利用してみる方法もおすすめですよ。ぜひあなたの状況に合った方法で、うまく融資を成功させてみてくださいね。